2016-10-28

ウォータースポットの除去と対策

車の汚れの中でも最も厄介な「ウォータースポット(イオンデポジット)」の除去方法や、コーティングによるウォータースポットの予防とバリアなどの対策についてくわしく説明します。

ウォータースポットに関し、下記のような項目ごとに記載しております。なお、本ブログではイオンデポジット(別名:イオンデポジット)に関して下記のように定義しております。

イオンデポジット Ion Deposit

ネット上などで見かける言葉ですが、英語では”Ion Deposit”とは言いませんので和製英語ではないかと思われます。

確かに、さまざまな無機物イオン(ion)が雨水や水道水などに溶け込み、ボディ塗装面や窓ガラスに付着した水が蒸発したのちに、残留した各種の無機物が堆積物(deposit)となるという意味だと思われます。

これはこれで言いえて妙ということでしょう。

このイオンデポジットについては、日本のコーティング業界独特の言葉と考えて、当ブログでは英語圏でも一般的な用語「ウォータースポット(Water Spot)」に統一しております。


●本記事の関連項目
ウォータースポットの原因に記載】
1.ウォータースポットってなんだろう
2.ウォータースポットの原因物質
3.ウォータースポットの発生

【ウォータースポットの除去と対策(本記事)に記載】
4.ウォータースポットの除去
5.ウォータースポットの予防対策
6.ウォータースポットをバリアする
7.塗装を腐食させるウオータースポット(酸)をバリア
8.塗装につくウオータースポット(シリケート)をバリア
9.窓ガラスにつくウオータースポット(シリカ)をバリア
10.ウオータースポットをがっちり!それともお手軽バリア?
11.ウオータースポットを100%バリアできるの?

ウォータースポットに有効なのは酸性かアルカリ性か

【フッ化水素酸にも負けないコーティング?(絶対に真似しないでください)】

4.ウォータースポットの除去

ウォータースポット除去方法を考えるために、汚れの原因と発生プロセスを整理してみましょう。

ボディ塗装 窓ガラス
有機物汚れ 原因物質
酸性雨や空気中に含まれる酸性物質(NOx, SOx, 有機酸, 炭酸ガスなど)
酸性雨など有機物や酸による腐食や固着はほとんどない
発生プロセス 太陽熱などで酸性雨が濃縮され、同じく太陽熱によって軟化した塗装が酸によって腐食する
無機物汚れ 原因物質
水道水や井戸水などに含まれ、シリケート化する物質(ケイ素イオン、金属イオン)

水道水や井戸水などに含まれ、シリケート化する物質(ケイ素イオン、金属イオン)
発生プロセス 水の蒸発に伴い発生したシリケートが堆積し、塗装との機械的結合により固着する 水の蒸発に伴い発生したシリカ(ガラス)が、窓ガラスと非常に強く化学結合する

ウォータースポットは、上記表のように塗装を腐食させたり、窓ガラスと化学結合したりする大変厄介な汚れです。

厄介であるその理由は、何れの場合も腐食や固着、あるいは化学的結合といった汚れが時間を経てしまうと、溶解や研磨による方法で汚れを除去する必要があるということなのです。

キレイな状態にする作業の手間と、高度な技術を要することを考えれば容易に想像できます。

それでは具体的に、部位・原因ごとのウォータースポット汚れ除去方法はどのようになるのでしょうか?

塗装の有機物(酸性雨)汚れの除去 

塗装が酸によって腐食し、クレーター状に荒らされたような状態ですので、洗浄してキレイになるものではありません。

お気づきの通り、荒れた塗装表面を削り取り、その後平滑にしながら研磨による除去が必要になります。

塗装の無機物汚れの除去 

塗装の上にシリケートが堆積して固着したスケールですので、スケールを溶かして除去しなければなりません。

酢酸、塩酸や硝酸を用いることで、カルシウムやマグネシウムのスケールを溶解し除去することができます。

しかしお気づきの通り、酸の使用は、塗装や金属などを腐食させる危険性をともないます。

酸を使用しない場合は、研磨による除去が必要になります。

窓ガラスの無機物汚れの除去 

シリカが窓ガラスと強く化学結合して、溶け合ったような区別のつかない状態です。

シリカとガラスは同質のものです。

ご存知のようにガラスは濃硫酸・濃塩酸でも溶解できません。

シリカやガラスを溶解する酸としてあまり馴染みがないのですが、フッ酸(フッ化水素酸、フッ化アンモニウム)があります。

フッ酸を使ってシリカと窓ガラスの結合を切り取ろうとすると、同時に窓ガラスも影響を受けてしまいます。

フッ酸は法律上「毒物」に指定されています。非常に強力な酸であり、危険過ぎて大切なクルマに使用することもさることながら、人体保安上からも一般使用を避けるべきものです。

酸を使用しない場合は、研磨による除去が必要になります。

5.ウォータースポットの予防対策

塗装や窓ガラスに付着したウォータースポットをキレイに除去するには、酸を使って汚れを溶解させるか、削り落として磨く必要があることがわかりました。

溶解や研磨は、失敗しますと取り戻すことはおろか、より状況を悪化させる可能性が高くなってしまいます。

このため、ウォータースポットは発生してから対処するよりも、できるだけ発生させないようにすることが一番の対策になります。

つまり予防対策することが一番大切というなのです。

ウォータースポットは、発生部位や原因物質によらず、雨水や水道水などの水滴が付着し、水分が蒸発する際に発生します。

そうです!理想的には水滴が付着したままにしないことが重要なのです。

「水滴がつかないようにする。ついたらすぐに拭き取る」 う~ん、言うことは簡単なのですが・・・。

実際にはほとんど不可能なことですね。

しかし、日頃の心がけとしては良いかもしれません。

雨水の拭き取りは、日常のクルマ使用においては実施困難ですが、「洗車の水滴はすぐに拭き取る」これなら実施可能ですよね。

クルマ好きの皆さんなら、当たり前のことでした。

せっかくキレイに洗車したのに水玉が残っていた。厄介なウォータースポットを発生させる原因を自らがつくっていた。

これだけは避けましょうね。

さて、モグラたたきのような普段のお手入れのお話でしたが、「ボディケアを少しでもラクに、状態の悪化をできるだけ避ける」こんな考え方で、事前防御するための予防手段を考えていきたいと思います。

もったいぶってしまいましたが考え方はこうです。

「塗装や窓ガラスにウォータースポットを固着させない、予防対策する」

この掛け声はなかなか良いと思われませんか?

そうなのです。

巷にあふれるボディコーティングやウインドウコーティングは、正しく使うことによってこのためにも役に立つのです。

次項では具体的にウォータースポットの発生部位と原因ごとに予防(バリア)する方法を考えていきましょう。

6.ウォータースポットをバリアする

ここでもう一度、ウォータースポットの原因と一緒に、汚れを防ぐバリア(コーティング)を考えてみましょう。

ボディ塗装 窓ガラス
有機物汚れ 原因 酸による塗装の腐食 ガラスは酸に強い
バリア 酸に強い被膜による保護
無機物汚れ 原因 シリケートと塗装の機械的結合 シリカとガラスの化学結合
バリア シリケートが結合しにくい海面に改質 シリカとの化学結合を阻害する海面に改質

ウォータースポットは、発生する部位と原因がそれぞれに異なります。

このため、残念ながらすべてに万能なコーティングはありません。

それぞれの目的に合うコーティングを選択するか、複合的に適用することで、効果的にさまざまな原因によるウォータースポットを予防=バリアすることが必要となります。

次項では、ウォータースポットの発生部位と原因ごとのバリアとして「塗装を腐食させる酸をバリア」について触れてみたいと思います。

7.塗装を腐食させるウオータースポット(酸)をバリア

(1)ガラスコーティングによるバリア

窓ガラス(SiO2、無機物)は酸性雨にもびくともしません。

もうお気づきですね。

塗装へのガラスコーティングは、硬くて微細なキズつきから塗装を守ってくれるだけではないのです。

ガラスコーティングは、ガラス(SiO2)状硬化被膜を形成し、塗装を酸による腐食から長期間にわたってガッチリと守ります。

しかし、ガラスコーティングは長寿命で高性能高機能なのですが、ガラス状硬化被膜となるため、失敗が許されない施工は、経験技術と設備が必要となります(施工失敗を取り戻すには研磨からやり直すことになります)。

このため、ガラスコーティングは専門の施工業者さんに委託する必要があり、手軽さや費用の面でやや敷居が高い面があるのはご存知のとおりです。

「ガラスコーティングまではちょっと」という場合は、被膜の寿命や性能の点ではやや劣るものの、誰が施工してもきれいに仕上がり、従来のワックスよりもカンタンで、洗車と一緒にラクな施工ができる、下記のシリコーンレジンコーティングをオススメいたします。

(2)シリコーンレジンコーティングによるバリア

シリコーンレジンは、オイルやワックスのような線状(直鎖状)の二次元的分子構造ではなく、ケイ素(Si)と酸素 (O)原子同士が、ガラス(SiO2)と同様にメッシュ状(網目状)の三次元的分子構造の主骨格(シロキサン結合)となるため、機械的・化学的に強いガラスとよく似 た物性を持っています。

これにより酸による腐食にも強く、柔軟性があり取扱いが容易な被膜を形成します。

シリコーンレジンは上記のとおり、ガラスと近似した無機物のような性質を持ち、酸に対しても強い耐力をもつため、塗装を酸による腐食から保護します。

「レジン=樹脂」という言葉からは、硬い固形の被膜を形成するようなイメージを抱かれるかもしれませんが、シリコーンレジンコーティングは、従来のワックスよりも簡単に施工することができ、ガラスコーティングのように被膜が固形化しないため、施工の失敗がない柔軟性のある被膜を形成します。

次項では、ウォータースポットの発生部位と原因ごとのバリアとして「塗装につくシリケートをバリア」について触れてみたいと思います。

(参考)洗車・コーティングと酸(参考)虫の死骸と鳥の糞 洗車・コーティング
(参考)ウォータースポット除去にサンポール(参考) ガラスコーティングを補うコーティング剤 ~メンテナンス剤として~

8.塗装につくウオータースポット(シリケート)をバリア 

塗装へのシリケート固着を防ぐために、表面自由エネルギーが小さいシリコーンレジンコーティングを施します。

表面自由エネルギーが小さいと、他の物質と接する表面積がミクロな分子レベルで小さくなり、シリケートなどの汚れが付着しにくくなるというわけです。


たとえとして、「表面張力が大きい水」と「表面張力が小さい油」の話があります(液体の場合、表面自由エネルギーのことを「表面張力」とも呼びます)。

油を塗った平滑な板の上に水滴を落とすと、水分子の表面張力の方が油分子の表面張力より大きいため、水はそのまま丸い固まりの状態を保ち、油と最小限の接点しかもたないような撥水性表面になり、お互いが混じり合う(汚れる)ことを防ぎます。

小難しい話ですが、塗装にシリコーンレジンコーティングを施すことによって、シリケートなどの汚れが接する表面積が分子レベルで小さくなります。

この結果、シリコーンレジンコーティングがシリケートなどの汚れをくっつきにくくし、時間経過とともに進行する固着を防ぐわけです。

このほかにも、シリコーンレジンコーティングは、塗装表面の細かなキズなどの凸凹の合間に入り込み、表面を滑らかにする(塗装の凹凸部にシリケートが食い込みにくくする)役割も果たしています。

このような複合的な要因により、塗装とシリケートの機械的接合を防ぎ、スケール汚れの固着を低減します。


補足:

「シリコーンレジンの表面自由エネルギーが小さい」というのは、被膜の強さとは別の話です。

シリコーンレジンは、原子間結合が「シロキサン結合」した主骨格を持ちます。

シロキサン結合はケイ素原子(Si)と酸素原子(O)が三次元的なメッシュネット ワークによって結合するガラス(SiO2、無機物)に近似した強い結合力により、機械的・化学的に強い被膜を形成します。

ケイ素上に多種類の有機置換基 (官能基)を備えているため、さまざまな機能性(界面特性)を発揮するものです。

くわしくは別の機会にご説明いたします。

次項では、ウォータースポットの発生部位と原因ごとのバリアとして「窓ガラスにつくシリカをバリア」について触れてみたいと思います。


9.窓ガラスにつくウオータースポット(シリカ)をバリア

窓ガラスとシリカの化学結合を阻害するためには、上記のようにシリケート付着を防止するシリコーンレジンコーティングの使用も、選択肢として考えられます。

しかし、ピュアなシリコーンレジンだけでは滑り性があまり良くないため、窓ガラスのワイパー動作がビビリやすくなることがあります。

このため、シリコーンレジンと同じく表面自由エネルギーが非常に小さいフッ素レジンコーティングを施します。

フッ素レジンがシリカを阻害する理由は、前記シリコーンレジンと同じく、他の物質を引き寄せる力が小さくなることと、フッ素レジンが、窓ガラスの細かな凹凸に入り込み表面を滑らかにすることによるものです。

フッ素レジンコーティングは、機械的・化学的に強いシロキサン結合した三次元のガラス状主骨格分子構造をベースに、水滴がつく表面側に炭素を結合させた有機フッ素を配向させることで、強い被膜を形成しながら無機物シリカが窓ガラスと化学結合しないように、有機フッ素がブロックする役割を担っています。

フッ素レジンコーティングは、優れた滑り性を持っているため、ワイパーのビビリが起きにくく、撥水性も優れているため、雨天走行時の視界確保にも有利です。

10.ウオータースポットをがっちり!それともお手軽バリア?


窓ガラスは、元来有機物汚れに強いので、無機物汚れに対するバリア:フッ素レジンコーティングを施すことで、ウォータースポットを予防できます。

一方、塗装については、有機物汚れと無機物汚れの両方に対する予防バリアが施すことが理想的です。

その際にはガラスの硬い被膜を長期間形成するガラスコーティングを施し、その上にシリコーンレジンをコーティングする案と、ガラスコーティングのみの案、シリコーンレジンコーティングのみの案の3パターンが考えられます。

さて、どれが一番皆さまのクルマ、カーライフに適しているのでしょうか?悩ましいですね。

キラサクが考える選択の目安をまとめてみます。

塗装のウォータースポット予防策 ガラスコーティングのみ シリコーンレジンコーティングのみ ガラスコーティング+ シリコーンレジンコーティング
有機物汚れ・酸性雨による腐食予防 ★★★ ★★☆ ★★★
無機物汚れ・シリケート固着予防 ★★☆ ★★★ ★★★
有効期間 ガラスコーティング 数年 数年
シリコーンレジンコーティング 3~6カ月程度 3~6カ月程度
施工性 ガラスコーティング プロの経験と技術が必要 プロの経験と技術が必要
シリコーンレジンコーティング 簡単施工 簡単施工、 ガラスコーティングのメンテナンスとしても最適

上記のようなバリアとして各種のコーティングが有効なのですが、それで万全なのでしょうか?


11.ウオータースポットを100%バリアできるの? 

すみません。

最初から謝ってしまうのはなんじゃー。

ですよね。

最強のガッチリコーティングをした。

それならばウォータースポットを100%防げるのか?ここまで能書きを垂れていながら、弊社がオススメするコーティング剤を使用していただいても、残念ながら100%バリアはできません。

いきなりのたとえ話で恐縮ですが、海水浴や女性が日常的使う「日焼け止め」を思い出してください。

海水浴に出かける際、必需品のひとつに日焼け止めがありますね。

オゾン層破壊が進行している現在は、なおさら強烈な紫外線から肌の露出を防御しなければなりません。

そうしないと、あとでとんでもないことになりますでしょう。

んーまぁ、仮にその時のヒリヒリは、なんとか我慢したとしましょう。

それよりも本当に恐ろしいのは、数年の期間を経ての、シミやソバカス、黒ズミといったトラブルの定着に加えて、最悪は皮膚ガンを誘発する可能性も大きくなります。

UVに対して100%の防御はできないけれども、皮膚が元来持っている紫外線に対する耐力を上手に補助してあげる。

そうすることで健康で美しい肌をできるだけ長く維持し続けることができる。

日焼け止めにも、UVカット能力の違いや、皮膚に留まる能力の違い、それぞれに使いやすさなどの使い心地が異なります。

さまざまな日焼け止めの中から、目的や条件に合ったものを上手に選択し使用することで、健康維持に役立てることが求められます。

このほかにも、アフターケアとして日焼け後に肌の様子をみながら、ローションを塗ったりして紫外線による炎症を早めに沈静化し手当てをしてあげる。

そういう日常的な意識をもって、肌のケアをしてあげることが、最も大切なことではないでしょうか。

おっと、どこかの美容部員みたいになってしましました。

塗装や窓ガラスのコーティングは、お肌の日焼け止めと似ているなぁ、と思うのですがいかがでしょうか? クルマの使い方や、ライフスタイルなど自分に合ったコーティングを上手に選んで上手に使う。

コーティングをしていて、もうひとつ良いことがあります。

ウォータースポットが固着する前ならラクにウロコが落せることです。

厄介なウォータースポットから100%防御はできないかもしれないけれど、ときどきは気にして、ウロコ状の模様がついたら早めに洗車をしてあげて、クルマのアンチエイジングにどうぞお役立てください。

ここまで長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。


(参考)
親水性コーティング ~親水のメリットとデメリット~ http://coating.th-angel.com/2013/11/blog-post_13.html

ウォータースポット(イオンデポジット)除去にサンポール(塩酸)? http://coating.th-angel.com/2014/05/blog-post_2.html


●本記事の関連項目
ウォータースポットの原因に記載】

1.ウォータースポットってなんだろう
2.ウォータースポットの原因物質
3.ウォータースポットの発生

【ウォータースポットの除去と対策(本記事)に記載】
4.ウォータースポットの除去
5.ウォータースポットの予防対策
6.ウォータースポットをバリアする
7.塗装を腐食させるウオータースポット(酸)をバリア
8.塗装につくウオータースポット(シリケート)をバリア
9.窓ガラスにつくウオータースポット(シリカ)をバリア
10.ウオータースポットをがっちり!それともお手軽バリア?
11.ウオータースポットを100%バリアできるの?

ウォータースポットに有効なのは酸性かアルカリ性か

【フッ化水素酸にも負けないコーティング?(絶対に真似しないでください)】

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2016-10-16

コーティング剤にまつわるフッ素とフロン ~今度は地球温暖化対策~

昨日、NHKニュースや新聞でご覧になられた方も多いと思いますが、フッ素化合物を原料とする「代替フロン、ハイドロフルオロカーボン:HFC」を地球規模で削減する「モントリオール議定書」の改定案が採択されたということです。

(参考)代替フロンを段階的削減へ、約200か国が合意 - AFP通信
http://www.afpbb.com/articles/-/3104489


いよいよ、オゾン層破壊対策の切り札であった「代替フロン」さえも、地球上から無くしていこうと動き始めたようです。

従来私たちは、オゾン層を破壊する原因物質として、CFCや、HCFCなどの「特定フロン」を削減しようということはよく知っています。

オゾン層を破壊する特定フロンの代わりとして、冷蔵庫やエアコンの触媒や、エアゾール、半導体製造用途などとして利用され始めたのが、HFCなどの「代替フロン」です。

現在販売されている冷蔵庫やエアコンのほとんどが、この代替フロンを使用しています。この代替フロンのおかげで、オゾン層の破壊にブレーキがかかりつつあるということも、聞こえてきています。

しかし、この代替フロンにも大きな問題があることがわかってきました。
代替フロンは、最大の環境問題となっている、地球温暖化の原因物質であるということなのです。

温暖化防止のための二酸化炭素排出削減と、歩調を合わせる必要性が急速に高まっているようです。

このような中で、昨日ルワンダの首都キガリにおいて、約200か国が合意して、フロン利用の削減や、ノンフロン化(フッ素を使ったフロンを使わないこと)を目指し、大きく舵が切られることになったというわけです。

これらの「特定フロン」(オゾン層破壊原因、地球温暖化原因)と、「代替フロン」(地球温暖化原因)の主な原料が「フッ素化合物」です。

以前、当ブログでも取り上げましたように、人体や環境への影響が大きいフッ素化合物の削減の動きと相まって、フッ素コーティング剤に関係するフッ素化学製品への影響について、注視していく必要がありそうです


フッ素コーティング関連記事



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2016-10-13

レアアースコーティングについて

レアアースやレアメタルのコーティングへの適用

一年ほど前から、THエンゼルさんのコーティング剤にはレアアース・レアメタルを使っていますか?や、レアアース・レアメタルを使ったコーティング剤を作ることができますか?とのご質問をいただいております。


レアアースやレアメタルは、古くからハードディスクや電池、スピーカーなど、スマートフォンやパソコンなどの電子デバイスの原料として使用されており、数年前に中国で産出される資源取引の問題として、報道されたことが思い出されます。


結論から申し上げます。

弊社の自動車用ガラスコーティング剤および、建築用ガラスコーティング剤には、レアアースやレアメタルと呼ばれる希土類金属由来の化合物は使用していません。

レアアースやレアメタルを使用しない理由は、下記のとおりです。

硬化型コーティング剤において、一部の金属化合物は、硬化反応などを制御する触媒として使用されています。

このような中で、古くからコーティング剤の硬化触媒として、レアアースやレアメタルが用いられております。


弊社は、コーティング剤の開発段階において、用途に応じて下記のような要件を考慮しながら、最適な触媒を選択しています。 レアアースやレアメタルの適用についても、選択肢のひとつとして評価をおこなっております。

【硬化触媒の要件】
  • 硬化特性・硬化速度
  • 硬さと柔軟性のバランス
  • 素地との密着性
  • 耐久性
  • 美観


評価した結果として、自動車や建築に使用する硬化型コーティング剤(ガラスコーティング剤)では、レアアースやレアメタルではなく、別種類の金属触媒を採用しております。


過去の話ですが、 自動車や建築用ではなく、用途や条件が異なれば、弊社においても硬化型コーティング剤として、レアアースやレアメタル由来の触媒を用いておりました。


弊社がレアアースやレアメタルをコーティングの触媒原料使用い理由は、現場で施工する自動車用コーティング剤や建築用コーティング剤としては、硬化特性などの点で最適ではないためです。

弊社がレアアースやレアメタルを使用しない理由は、もうひとつあります。

簡単に言いますと、レアメタルやレアアースを採掘する際の環境汚染と、原料調達の不安定さを避けるためです。

採掘した鉱物からレアアースやレアメタルを取り出すときに、一緒に出てきてしまうものに、ウランやトリウムなどの放射性物質があります。

その課題は下記のようにとらえております。


レアアースコーティングやレアメタルコーティングの課題


東日本大震災に前後して尖閣諸島領土問題に関連して、主要生産国である中国が価格を操作したり輸出制限をしたため、レアアースやレアメタルが注目を浴びたことがありました。

皆様もよくご存じのように、レアアースやレアメタルは中国だけではなく、地球上の多くの地域に分布(中国領土の埋蔵量は世界全体の3割程度、そのほかはカザフスタンなどのCIS諸国、アメリカ、オーストラリアなど)しています。

それではなぜ、当時の世界は、中国に依存していたのかと言うことが疑問になるかと思います。

その理由は、中国での生産量が多く、価格が安かったためです。

中国での生産量が多く価格が安い理由は、中国政府が政策的に寡占を目指したことと、レアアースやレアメタル抽出の際に出てくる汚染物質の存在を、半ば無視して生産を続けていたからなのです。

世界最大の中国南部の鉱床は、イオン吸着型鉱床と呼ばれ、レアアースやレアメタルを含む花崗岩に酸を注入し、酸に溶解したレアアースやレアメタルを取り出す方式です。

従来、このイオン吸着型鉱床では、レアアースやレアメタルを取り出す前に、放射性物質が自然に溶けだしていて、放射性物質の処理は不要だと言われていました。

しかし、現在は溶解処理中に出てくるウランやトリウムなどの放射性物質や、フッ素化合物などの多くの化学物質を使用した精錬方法が、深刻な環境汚染を引き起こしております。

中国のレアアースやレアメタル採掘精錬業者は、中小企業が多く、環境汚染対策をほとんどおこなわずに、必要なコストを削って生産しています。

今後も、中国の供給不安が懸念されるため、CIS、アメリカやオーストラリアなどでのレアアースやレアメタル採掘・生産への動きや、日本でも調達方法の見直しや、レアアースやレアメタルに代わる代替原料へ向けての技術開発が進められています。

いずれにしましても、レアアースやレアメタルのコーティング剤への適用は、機能や性能面での必要性が見いだせないことに加えて、放射性物質やフッ素化合物などによる環境汚染の問題や、不安定なサプライチェーンの問題から、あえて使用する必要はないと考えています。



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2016-10-10

スピーカーをガラスコーティングしてみました

前回記事の、携帯電話やスマートフォンにコーティングをして、人体に有害な電波をカットするおはなしは、仮に電波が大幅に減衰するならば、通話やデータ通信が乗る電波の送信・受信に影響するわけですから、これは完全にオカルトですね。

今回は、わたくしの個人的なオカルトなネタをご披露します。

自宅で音楽を聴く際に使っているスピーカーなのですが、そのキャビネット(箱)の外側表面に、ガラスコーティングをしてみました。

なぜ、そのようなことをしたのかと言いますと、バイオリンやチェロとか、ギターといった弦楽器のように、木製共鳴胴を持っている楽器では、共鳴胴の塗料・ニスの種類や塗り方が、音質に影響すると聞いたからです。

そうなんです、オーディオスピーカーも共鳴箱に当たるキャビネットを持っていますので、単純に箱の外側に何かを塗布すると、音質や音色に影響があるのかもしれないと考えたわけです。

ネットで検索してみると、オーディオマニアの方々は、自分で本格的な塗装をしたりしているようですが、この場合は技術や道具が必要ですし、時間とお金もたくさんかかることでしょう。

マニアの方々は、それなりの哲学や美学があり、ちょっと世界が違うようですので、わたしは、既製品スピーカーのキャビネットに、サクッとガラスコーティングをしてみました。

今回コーティングしたスピーカーは、ちょっと古いものです。
B&W CDM1 SEという、1999年に購入したものです。
ゴムエッジのスピーカーユニットなので、17年を経ても全く問題ありません。

最近のような高性能なデジタルオーディオ(ハイレゾ)がなかったころで、CDが全盛期でしたから、現在のハイレゾといった高音質再生と比べて、やや眠たい感じの音質というのでしょうか。例えるならば、ひと昔前のデジカメの画質みたいにちょっとフワッとしたような音質です。

スピーカーキャビネット(箱)の表面を硬くしてあげれば、音が引き締まってくるのではないかと、思いっきりの素人考えを発揮して、ガラスコーティングをしてみたというわけです。

ガラスコーティングは透明なので、もともとの木地の風合いに影響を与えませんし、スポンジやクロスを使って手塗りができますので、特別な道具も不要です。

ガラスコーティングを塗り、拭き上げてから2日ほど経ってから、聴くことが多い曲を流してみました。

(ここからは、オカルトっぽいです)
おぉ、以前はフワッとした感じだったものが、なんかカチッとスキッとしたかも。

もう少し付け加えると、コーティング前は音の広がりが狭くまとまった感じだったものが、コーティング後は広がりと遠近感がよくわかるように聴こえます。

よーし、一回塗りでこうなるのなら、塗り重ねるともっとハッキリとするかもしれないと考えました。
重ね塗りの結果は、二回目では一回目ほどには違いが少ない感じです。このため、三回目は不要と判断しました。

私的には、古いスピーカーの音質向上ができたと信じていますし、最新の機器を使ってハイレゾ信号を再生した場合も、スカッとした音になりましたので満足しています(笑)。

見た目の光沢も出ますし。



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2016-10-09

携帯電話・スマホの電波 ~電磁波ステルス戦闘機並みのコーティング?~

先日、携帯電話やスマートフォンのコーティングに関してお問い合わせをいただきました。



携帯電話やスマホのディスプレイ・筐体にコーティングをおこなうことで、携帯やスマホが発する電波(電磁波)のほとんどをカット(減衰させるという意味?)するものがあるそうです。



それによって、人体の健康への影響を低減させるってことですか?

携帯電話が普及し始めたころ、「携帯の電波で脳に腫瘍ができるかも」と心配したことを思い出しました。



なんと、現場施工のコーティングで、携帯電話やスマートフォンの電波をほとんど吸収してしまうそうです。



それは凄いですね。



凄いですが、携帯の感度は大丈夫なのでしょうか???



単純な話ですが、電波をほとんどカットすると、携帯やスマホから基地局への送信電波が弱くなるだけではなく、逆向きの基地局から携帯電話やスマートフォンへの受信電波も弱くなるってことですよね?



携帯のほとんどの電波をカットするということは、同じ場所でコーティング前とコーティング後で、立っているアンテナの本数が少なくなるのかな!!!


でも、感度が悪くなって、使いにくくなるような、本末転倒のような...



それとも、電波はコーティングによって、都合よく頭などの人体には届かず、基地局との交信はゼンゼン大丈夫(影響を与えない)とか。

ちょっとオカルトっぽくないですか。



そんなコーティングを見てみたいです。



ステルス戦闘機のハイテク機密情報だからダメとか言わないで、どなたか、どのような凄い仕組みのコーティングなのかを教えてくださいませ。



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