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2013-12-01

光触媒コーティングの現状と課題 その1

このところ親水性をテーマにブログを掲載しておりますが、前回は親水性ガラスコーティングと防汚に関してまとめました。

親水防汚とは、水酸基(-OH)による親水性が発現すると、水酸基と水素結合した水(H2O)が汚れを親水性コーティング表面から浮上させることができるので、雨水などの水と一緒に汚れが流れ落ちるという考え方です。

確かに、親水性が維持し続けることができるならば、有機物による汚れは雨水や水道水によって洗い流すことが容易になると考えられます。


しかし、親水性表面をもつものとして代表的な窓ガラスなどでも起きる現象として、大気や風雨にさらされ、自動車が道路を走行するなどの実使用環境においては、大気汚染物質や粉塵状となって浮遊する油分などと、水に含まれている無機イオンなどによって、一日程度の時間で疎水性(撥水性)を帯びてきてしまいます。
 
親水性表面を維持するためには、結局のところ新鮮なガラス表面を維持するためのクリーニングが欠かせないわけです。うーん、結局そこかぁ、ってことになりますね(笑)。


光触媒コーティングの目的

そこで、親水防汚性を長い期間維持することを目的に、開発されたものが光触媒原理を用いたコーティングなんですね。
 

光触媒の原理は東京大学の藤嶋昭さんと本多健一さんの共同研究による成果「本多-藤嶋効果」と呼ばれる水中の二酸化チタン:TiO2とプラチナ:Ptに、光を照射することで、水が分解されて二酸化チタンから酸素が、プラチナから水素が発生することを発見したことに端を発します。
 

この光触媒、言葉として聞くようになってからだいぶ経ちますが、コーティングとしてはなかなか普及しませんね。その理由は何でしょうか?光触媒の光と影(大げさ)についてみてみましょう。

 

1.光触媒による有機物の分解

光触媒表面が有機物を分解する仕組みについては様々な説があるのですが、光触媒工業会による説明を引用しますと下記のようになります。

酸化チタン(TiO2)などを触媒とし、これに光(主に紫外線)を照射:励起することで、マイナスの電荷を持った電子が外に飛び出すと同時に、酸化チタンは正孔と呼ばれるプラスの電荷を帯びることになります。
 

その状態で、空気中の湿気や雨水が付着しますと、H2Oと酸化チタンの正孔(h+)反応し、水酸ラジカル(-OH)が発生します。同じく空気中の酸素(O2)と電子(e-)が反応し、スーパーオキサイドアニオンラジカル(O2-)が発生します。
 

この2種類の活性酸素(水酸ラジカルとスーパーオキサイドアニオンラジカル)は、電気的・化学的に不安定であるため、電子のやりとりをおこなうことで安定化をはかる際に、さまざまな有機物を酸化還元する(別の物質に変化させる)ため、分解してしまう働きを持っているということです。

具体的な効果としては、有機汚染物質、細菌・ウィルス・カビ、悪臭物質、汚れ物質などを分解することで無害化や洗浄補助効果があると言われています。

 

2.光触媒による超親水性の発現

超親水性とは、個体表面における水の接触角が0°~10°程度までの状態を言います。この状態は個体表面と水の親和性が高くなじみが良いということです。

光触媒表面が親水性を発現する仕組みについても諸説がありますが、光触媒工業会による説明を引用しますと下記のようになります。

酸化チタン(TiO2)を触媒とし、これに光(紫外線など)を照射することで、酸化チタンの酸素(O)のうちひとつと、空気中の湿気や雨水が付着しH2Oが反応した結果、酸化チタン表面に親水性の水酸基(-OH)ができることで、親水性あるいは超親水性を発現するということです。

 

超親水性防汚:セルフクリーニングとは

上記のように、光に照らされた酸化チタンに覆われているような固体表面は、親水性の水酸基(ーOH)ができていますので、雨水や水道水が降りかかりますと、表面に付着した汚れと、酸化チタン表面の間に薄い水の膜ができることで汚れが浮かび上がり、雨水の流れとともに汚れを流し去ります。これをセルフクリーニングと呼んでいます。

 
それでは、次回はガラス(SiO2)と酸化チタン(TiO2)による親水性の違いや、光触媒コーティングの課題や問題点についてお話しをさせていただきます。つづきは → 親水防汚:光触媒の現状と課題 その2

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