2016年12月2日金曜日

年末年始の休業について

誠に勝手ながら、下記の期間は休業いたします。

2016年12月28日(水)~2017年1月5日(木)


なお、12月27日(火)にご注文いただいた商品の出荷は、休み明け1月6日(金)からとなることがございます。

あらかじめご理解いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

2016年11月30日水曜日

アルコキシシロキサンとアルコキシシランは無機質ではない

アルコキシシロキサンとアルコキシシランの違い


「アルコキシシロキサンとアルコキシシランは何が違いますか?それとも同じですか?」と、聞かれることがあります。

コーティング液剤の性状(コーティング剤の機能や性能)という意味では、あまり気にされなくてよいのではないでしょうか。

コーティング剤の場合、原材料~製品であるコーティング剤までの、どの断面をとって表現しているかに過ぎないように思われます。

アルコキシシロキサンと一言で言っても、その中身は非常に多くの種類があり、それぞれの性質も多様です。それはアルコキシシランでも同じです。

ですから、このような方式を表す単語を気にし過ぎる必要はありません。

このような単語だけで、コーティング剤の品質や特性を表現できるほど単純ではないのです。

自動車のエンジンに例えるならば、「ガソリンエンジン車です」と言っても、軽トラもあれば、12気筒のスーパーカーもありますね。これに似ていると思います。


アルコキシシロキサンやアルコキシシランは無機質ではない


しかし、いくら多様な性質を持つといっても、アルコキシシロキサンやアルコキシシランは、有機物を含みますよという名前なのに、私は無機質ですと表示をしたコーティング剤に関するご質問をいただきました。

ご質問いただいた一般のユーザーさまは、「無機質」と表示されている他社コーティング剤を購入されたそうです。

無機質のコーティングは、有機物である塗装への密着が悪く、温度変化に対応する収縮性がなく、結果としてすぐに剥がれ落ちるコーティング剤です。

いまだに「無機質」ですと宣伝していることに驚かされます。

この他社コーティング剤の成分表示は、「アルコキシシロキサン」となっているそうです。ご自身で調べてみると、有機物が含まれているのではないか?とのことです。

ご質問者のおっしゃる通り、成分表示にある「アルコキシ」とは有機官能基(アルコキシ基)のことであり、有機物である原子団を表しています。

用語としては、下記のように「アルコキシ」と「シロキサン」からなる複合的な構造を持ちます。

アルコキシシロキサンは、「シロキサン」という背骨を含む胴体にあたる部分を中心にして、手足にあたる部分である「アルコキシ」からなる物質であるととらえることができます。

アルコキシシロキサンとは、ごく簡単に言いますと、無機物の基本構造をもちながら、有機物との複合体であるシロキサンを中心にして、さらにコーティングと塗装など有機物との密着性を高めたり、撥水性を与えるために、多様な機能を持つ様々なアルコキシ基をくっつけた化合物のことです。

ですから、アルコキシシロキサンは無機物ではありません。

シロキサン(siloxane)


シロキサンとは、ケイ素(Si)と酸素(O)を骨格とし、アルカン(R)を複合化した化合物の総称です。

ケイ素と酸素だけで構成される物質の身近なものは、二酸化ケイ素(SiO2)である無機ガラスですが、シロキサンは、ケイ素と酸素に加えて、置換基にあたるアルカン(炭化水素)から構成されていることを表しますから、無機ガラスではないわけです。

シロキサン:siloxaneの語源は、silicon:ケイ素、oxygen:酸素、alkane:アルカン(炭化水素)を合成したものです。 つまり、シロキサンとは炭化水素をを含む有機化合物であることを示しています。

シロキサンにおけるアルカンは、ケイ素と酸素によるガラスの無機物と、置換基としてのアルキル基(炭素と水素が結合)による有機物からなる複合体(無機有機ハイブリッド)の基礎的構造となります。

アルコキシ(alkoxy group)


アルコキシは置換基あるいは、官能基として、シロキサンの無機と有機からなる構造を応用して、例えば、塗装との密着性や表面の撥水性を持たせるなど、様々な機能性を付加させる多様な有機物の原子団を表します。

(参考)
無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
http://kirasaku-coating.blogspot.com/2015/02/blog-post_22.html

ガラスコーティング比較
http://kirasaku-coating.blogspot.com/2014/03/blog-post_12.html

VOCフリーガラスコーティング?
http://kirasaku-coating.blogspot.com/2015/11/vocvoc.html

ガラスコーティング【モース硬度7】の不思議

http://kirasaku-coating.blogspot.com/2014/02/blog-post_17.html

ガラスコーティングとポリマーコーティングの違い
http://kirasaku-coating.blogspot.com/2014/02/blog-post_13.html

よろしければブログランキングにポチッとお願いします。
 人気ブログランキングへ

2016年11月7日月曜日

ウォータースポットの原因

車の汚れの中でも最も厄介な「ウォータースポット(別名:イオンデポジット)」に関する発生原因について、くわしく説明します。
ウォータースポットに関し、下記のような項目ごとに記載しております。なお、本ブログではイオンデポジット(別名:イオンデポジット)に関して下記のように定義しております。

イオンデポジット Ion Deposit
ネット上などで見かける言葉ですが、英語では”Ion Deposit”とは言いませんので和製英語ではないかと思われます。
確かに、さまざまな無機物イオン(ion)が雨水や水道水などに溶け込み、ボディ塗装面や窓ガラスに付着した水が蒸発したのちに、残留した各種の無機物が堆積物(deposit)となるという意味だと思われます。これはこれで言いえて妙ということでしょう。
このイオンデポジットについては、日本のコーティング業界独特の言葉と考えて、当ブログでは英語圏でも一般的な用語「ウォータースポット(Water Spot)」に統一しております。

【本記事の関連項目】
【ウォータースポットの原因(本記事)に記載】
1.ウォータースポットってなんだろう
2.ウォータースポットの原因物質
3.ウォータースポットの発生
 
ウォータースポットの除去と対策に記載】
4.ウォータースポットの除去
5.ウォータースポットの予防対策
6.ウォータースポットをバリアする
7.塗装を腐食させるウオータースポット(酸)をバリア
8.塗装につくウオータースポット(シリケート)をバリア
9.窓ガラスにつくウオータースポット(シリカ)をバリア
10.ウオータースポットをがっちり!それともお手軽バリア?
11.ウオータースポットを100%バリアできるの?

1.ウォータースポットってなんだろう

「ウォータースポット Water Spot」 別名:イオンデポジット Ion Deposit
スケール、水染み、雨染み、ウロコ、水垢、クレーターなど様々な呼び方をされます。

「ウォータースポット」それは、クルマ外装ボディの塗装部、窓ガラス部に発生するものの中で、落ちにくい汚れの代表格ではないでしょうか。

洗車や降雨・降雪の後の水滴が乾燥した際、ウロコやクレーター状になり、カーシャンプーで洗ったくらいでは除去できない厄介なアノ汚れです。

ウォータースポットとは、一言でいえば、付着した水滴に含まれるさまざまな汚れ原因物質が、水分の蒸発とともに塗装や窓ガラスを腐食させ、堆積固着する汚れですね。

 塗装や窓ガラスの異なった素材に発生する「水に由来する複合化した様々な汚れの総称」と考えられます。


2.ウォータースポットの原因物質

一見すると無色透明の水。 しかし、大気中から降ってくる雨水や、河川や地下を流れてくる水道水・井戸水などにはさまざまな物質が含まれています。

大変ありがたい命の水なのですが、残念ながらウォータースポットとなる原因物質として、この水にはどのようなものが含まれているのでしょうか。?

雨水や雪によるもの

雨水に含まれる汚れ原因物質は、地理的条件や季節・大気汚染などの状態によって大きく異なるようです。

水は様々な物質を溶かし込む性質があるため、雨が地上に落ちてくる間に大気中の有機物、無機物を取り込みながらクルマの上に降り注ぎます。

雨水の中にも、分量や比率は異なりますが水道水と同様の無機物を微量ですが含んでいます。

雨水による汚れ原因物質の特徴は、酸性雨の原因物質である窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)などを由来とする有機物イオンや、ニッケル、銅、亜鉛、銀、カドミウム、鉛などの重金属類イオンなどが含まれていることにあります。

このほかにも、花粉や黄砂などの季節や場所によって大きく変化する汚れ原因があります。?

水道水や井戸水によるもの

洗車に使用する水道水や井戸水は、取水した際の元々の水質や、水道水として後から添加されるものなど、汚れの原因となる物質が含まれています。

特に汚れの原因物質として考えられるものとして、ミネラルと呼ばれるケイ素、塩素、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄などの無機物イオンがあります。

雨水のような有機物や重金属類の含有量は微量であると考えられます。 ご存知のように、日本国内全般の水道や井戸の水質は、ミネラルが豊富で飲んでおいしい軟水です。

ミネラルが豊富なわけは、国土が急峻な山国であるため、雨水が河川や地下水となる際に、岩石に含まれる天然のミネラル成分を多く溶け込ませているためです。 特に火山国である日本の軟水は、ケイ素を比較的多く含んでいるのが特徴です。

3.ウォータースポットの発生

塗装や窓ガラスについた雨水や水道水は、一見すると同じような無色透明の水です。 しかし、含まれている汚れの原因物質は大きく異なります。 無色透明の水滴でありながら、どのようにして汚れを発生させるのでしょうか。


雨水や雪によるウォータースポットの発生

(1)塗装への付着[有機物汚れ(酸性雨)]

地球規模での経済活動の活発化に伴い、工業生産・自動車などからの排気に代表されるように、大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物や重金属類が年々増加しています。

雨水は大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物と重金属類を取り込み、イオン化したそれぞれの相互作用により酸が生成され、酸を含んだ雨水となって地上に降り注ぎます。

塗装についたウォータースポットを観察しますと、エッチング※したようなリング状の輪郭、水平な面での発生、夏季に集中的に発生することなどから下記のように考えられます。 ※エッチング:化学反応による腐食作用を用いた整形・表面加工の技法。

  1. ボディに付着した酸の雨滴が太陽熱で濃縮し、酸濃度が増大する。
  2. 同時に塗装が熱で軟化し、酸性の水分が塗装に浸入する。
  3. 酸濃度が高くなる雨滴外周部から分解が始まり、そこに雨滴が選択的に集まって輪郭部に深いエッチングを生じる。
このように雨水に含まれる有機物は、酸を含んだ酸性雨となってエッチングと同じようなプロセスで、塗装を腐食させていくものと考えられます。

「クルマの塗装は酸によって分解され、腐食が進みダメージを受ける」ということなのです。


(2)窓ガラスへの付着[有機物汚れ(酸性雨)]

硫酸、塩酸などの強い酸の容器がガラスであることをみてもわかるように、ガラスが酸による腐食に強いため、窓ガラスは酸性雨によってダメージを受けることは無いと言ってもよいでしょう。

窓ガラスに発生するウォータースポットは、水道水や井戸水に含まれる無機物による汚れが支配的ではないでしょうか。

水道水や井戸水によるウォータースポットの発生

(1)塗装への付着[無機物汚れ]

塗装は、樹脂や顔料などを原料としている有機物です。 その上に水道水などをかけ流し、拭き取らずにそのままにしておきますと、水滴状になってその後次第に水分が蒸発します。

水道水や井戸水には、ケイ素や、塩素・マグネシウム・カルシウムなどが含まれています。 水に溶け込んだケイ素は、溶性ケイ酸:イオン状シリカとして存在し、水の蒸発にともない、マグネシウムやカルシウムなどの金属イオンが結びつき、シリケート(ケイ酸塩)が発生します。

塗装面に堆積したシリケートが固着(スケールまたは、イオンデポジットとも呼ばれる汚れ)します。

塗装面とスケール化した無機物汚れであるシリケートは、主に「機械的接合※」によって固着するものと考えられます。

※.機械的接合:塗装面は少なからず凹凸がある。その凹部にシリケートが入り込み固化して界面が結合する。


(2)窓ガラスへの付着[無機物汚れ]

窓ガラスには、上記のような塗装面のようなスケールが発生して堆積し固着することもありますが、それよりもガラスが無機物であることによる、頑固で厄介な汚れに特徴があります。

その厄介な汚れとはどのように付着するのでしょうか。

窓ガラスの主成分は二酸化ケイ素(SiO2)です。 水道水に含まれるケイ素(Si)が、水分が蒸発する際に、ケイ素の酸化によってシリカ(SiO2)となります。

「同質のものはくっつきやすい」という一般常識と同様に、窓ガラスとシリカは、お互いの電子を共有しあう非常に強い化学結合「共有結合※」となります。

言い換えれば、窓ガラスとシリカが溶け合って区別ができないような状態になることです。

※.共有結合:原子同士で互いの電子を共有することによって生じる化学結合。結合は非常に強い。分子は共有結合によって形成されるものである(単原子分子は除く)。

(参考)
親水性コーティング ~親水のメリットとデメリット~
http://kirasaku-coating.blogspot.com/2013/11/blog-post_13.html
ウォータースポット(イオンデポジット)除去にサンポール(塩酸)?http://kirasaku-coating.blogspot.com/2014/05/blog-post_2.html


【本記事の関連項目】
【ウォータースポットの原因(本記事)に記載】
1.ウォータースポットってなんだろう
2.ウォータースポットの原因物質
3.ウォータースポットの発生
 
ウォータースポットの除去と対策に記載】
4.ウォータースポットの除去
5.ウォータースポットの予防対策
6.ウォータースポットをバリアする
7.塗装を腐食させるウオータースポット(酸)をバリア
8.塗装につくウオータースポット(シリケート)をバリア
9.窓ガラスにつくウオータースポット(シリカ)をバリア
10.ウオータースポットをがっちり!それともお手軽バリア?
11.ウオータースポットを100%バリアできるの?


よろしければブログランキングにポチッとお願いします。
ブログ村へ  人気ブログランキングへ