2017年2月28日火曜日

コーティングの耐熱性について

他社さんには、1000℃以上の熱に耐えうる車のコーティングがありますが、THエンゼルさんのコーティングは耐えられますか?と聞かれました。

1000℃に耐えるとは、どのようなことですか?と、逆質問をしてみました。

くわしく聞いてみますと、コーティングした表面に燃料をかけて燃焼させても、コーティングとその下の塗装には影響なく、燃焼時に付着した煤(すす)が簡単に取り除けるということのようです。

みなさまお気づき通り、わずか数ミクロン程度のコーティングの耐熱性が高くても、断熱性はほぼゼロですからから、仮にコーティングが耐えたとしても、その下の塗装は1000℃には耐えられずに真っ黒の炭になりますよね。

それでは、なぜそのようなことが言えるのでしょうか。

これは、大道芸人さんが使う技のひとつです(笑)。
芸人さんが、体を燃やした(ように見せ)たり、口から火を噴くアレです。

そのカラクリ(理由)を説明した、子供向けの科学実験をYouTubeでどうぞ!



このYouTubeでは、比熱の大きな水で指先をコーティングしているので、高温が伝わりにくいと言っていますが、熱くない理由はもうひとつあります。

それは、燃焼物が気化しながら燃えるからです。
気化熱(蒸発熱)の作用により、周囲の熱をうばいとるため、温度が下がるわけです。

指先や人肌の場合は、火傷を避けるため水が必要ですが、塗装表面の場合は、水で濡らさなくても可能です。

濡れた体に扇風機の風を当てると、かなり涼しくなりますね。

コーティングをしていると、ちょっとした煤(スス)ぐらいでしたら、拭き取れば簡単にキレイになります。

正しい耐熱試験の方法
正しい耐熱試験の方法は、コーティングを含めた塗装表面温度が1000℃になるように熱する必要があります。

ガスバーナーで、コーティングした塗装表面を焼いてみてください。1000℃ですと鉄板が真っ赤~黄色になり、塗装自体が真っ黒焦げに炭化しますので、実験は成立しません。

加熱した鉄の温度と色について、参考となるウェブサイトをご紹介いたします(第一鋼業株式会社さまウェブサイト)。

http://www.daiichis.com/heattreatment/11_feeling.html#11-2


このURLでは、日立金属工具鋼株式会社さまのSLD(工具鋼)の一種に関連して、色見本が掲載されています。


以下のYouTubeは、外国語で会話していますが、映像としてとてもわかりやすいので、引用させていただきます。



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2017年2月22日水曜日

タイヤなどのゴムへのコーティング

自動車のウェザーストリップやタイヤなどの、ゴム素材へのシリコーンレジンコーティングの使用可否についてご質問をいただきました。

<回答>ゴムへのシリコーンレジンコーティングの適用は、以下のように使用しても良い場合と、適さない場合があります。


使用しても良い場合
ゴムが劣化していなくて、水をかけても十分に撥水する場合は、シリコーンレジンコーティングを使用しても良いです。

オイルなどの油分やワックスを塗っていると、劣化したゴムでも撥水することがありますのでご注意願います。


ただし、いかなる場合もタイヤには使用しないでください。
理由は下記の適さない場合をお読みください。



適さない場合
弊社のシリコーンレジンコーティングは水性です。

ゴムが劣化している場合、ゴムの加水分解(水による分解)※が進行していることが考えられます。劣化したゴムは、油性を含めたケミカルでは、十分な保護性が得られません。

このような場合は、早めのゴム部品の交換をお勧めいたします。


タイヤは、専用の市販タイヤワックスをご使用ください。
タイヤに、シリコーンレジンコーティングを塗布しても、問題になることは考えにくいですが、タイヤへの使用は想定外です。

タイヤは、車の安全上非常に重要なものですので、十分な実績のあるタイヤ専用の製品をお使いください。


※.ゴムの劣化は、下記のような要因が考えられます。
  • 光(特に紫外線)
  • 放射線
  • 電界・電磁波
  • 機械的ストレス
  • 微生物
  • 化学物質


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2016年11月30日水曜日

アルコキシシロキサンは無機質ではない

アルコキシシロキサンとアルコキシシランの違い


「アルコキシシロキサンとアルコキシシランは何が違いますか?それとも同じですか?」と、聞かれることがあります。

コーティング液剤の性状(コーティング剤の機能や性能)という意味では、あまり気にされなくてよいのではないでしょうか。

コーティング剤の場合、原材料~製品であるコーティング剤までの、どの断面をとって表現しているかに過ぎないように思われます。

アルコキシシロキサンと一言で言っても、その中身は非常に多くの種類があり、それぞれの性質も多様です。それはアルコキシシランでも同じです。

ですから、このような方式を表す単語を気にし過ぎる必要はありません。

このような単語だけで、コーティング剤の品質や特性を表現できるほど単純ではないのです。

自動車のエンジンに例えるならば、「ガソリンエンジン車です」と言っても、軽トラもあれば、12気筒のスーパーカーもありますね。これに似ていると思います。


アルコキシシロキサンやアルコキシシランは無機質ではない


しかし、いくら多様な性質を持つといっても、「アルコキシシロキサンやアルコキシシランは有機物を含みますよ」という名前なのに、私は無機質ですと表示をしたコーティング剤に関するご質問をいただきました。

ご質問いただいた一般のユーザーさまは、「無機質」と表示されている他社コーティング剤を購入されたそうです。

無機質のコーティングは、有機物である塗装への密着が悪く、温度変化に対応する収縮性がなく、結果としてすぐに剥がれ落ちるコーティング剤です。

いまだに「無機質」ですと宣伝していることに驚かされます。

この他社コーティング剤の成分表示は、「アルコキシシロキサン」となっているそうです。ご自身で調べてみると、有機物が含まれているのではないか?とのことです。

ご質問者のおっしゃる通り、成分表示にある「アルコキシ」とは有機官能基(アルコキシ基)のことであり、有機物である原子団を表しています。

用語としては、下記のように「アルコキシ」と「シロキサン」からなる複合的な構造を持ちます。

アルコキシシロキサンは、「シロキサン」という背骨を含む胴体にあたる部分を中心にして、手足にあたる部分である「アルコキシ」からなる物質であるととらえることができます。

アルコキシシロキサンとは、ごく簡単に言いますと、無機物の基本構造をもちながら、有機物との複合体であるシロキサンを中心にして、さらにコーティングと塗装など有機物との密着性を高めたり、撥水性を与えるために、多様な機能を持つ様々なアルコキシ基をくっつけた化合物のことです。

ですから、アルコキシシロキサンは無機物ではありません。

シロキサン(siloxane)


シロキサンとは、ケイ素(Si)と酸素(O)を骨格とし、アルカン(R)を複合化した化合物の総称です。

ケイ素と酸素だけで構成される物質の身近なものは、二酸化ケイ素(SiO2)である無機ガラスですが、シロキサンは、ケイ素と酸素に加えて、置換基にあたるアルカン(炭化水素)から構成されていることを表しますから、無機ガラスではないわけです。

シロキサン:siloxaneの語源は、silicon:ケイ素、oxygen:酸素、alkane:アルカン(炭化水素)を合成したものです。 つまり、シロキサンとは炭化水素をを含む有機化合物であることを示しています。

シロキサンにおけるアルカンは、ケイ素と酸素によるガラスの無機物と、置換基としてのアルキル基(炭素と水素が結合)による有機物からなる複合体(無機有機ハイブリッド)の基礎的構造となります。

アルコキシ(alkoxy group)


アルコキシは置換基あるいは、官能基として、シロキサンの無機と有機からなる構造を応用して、例えば、塗装との密着性や表面の撥水性を持たせるなど、様々な機能性を付加させる多様な有機物の原子団を表します。

(参考)
無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
http://kirasaku-coating.blogspot.com/2015/02/blog-post_22.html

ガラスコーティング比較
http://kirasaku-coating.blogspot.com/2014/03/blog-post_12.html

VOCフリーガラスコーティング?
http://kirasaku-coating.blogspot.com/2015/11/vocvoc.html

ガラスコーティング【モース硬度7】の不思議

http://kirasaku-coating.blogspot.com/2014/02/blog-post_17.html

ガラスコーティングとポリマーコーティングの違い
http://kirasaku-coating.blogspot.com/2014/02/blog-post_13.html

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