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2016-11-30

シロキサンやアルコキシシロキサンは無機ではない

アルコキシシロキサンとアルコキシシランの違い


「アルコキシシロキサンとアルコキシシランは何が違いますか?それとも同じですか?」と、聞かれることがあります。

コーティング液剤の性状(コーティング剤の機能や性能)という意味では、あまり気にされなくてよいのではないでしょうか。

コーティング剤の場合、原材料~製品であるコーティング剤までの、どの断面をとって表現しているかに過ぎないように思われます。

アルコキシシロキサンと一言で言っても、その中身は非常に多くの種類があり、それぞれの性質も多様です。それはアルコキシシランでも同じです。

ですから、このような方式を表す単語を気にし過ぎる必要はありません。

このような単語だけで、コーティング剤の品質や特性を表現できるほど単純ではないのです。

自動車のエンジンに例えるならば、「ガソリンエンジン車です」と言っても、軽トラもあれば、12気筒のスーパーカーもありますね。これに似ていると思います。


アルコキシシロキサンやアルコキシシランは無機質ではない


しかし、いくら多様な性質を持つといっても、「アルコキシシロキサンやアルコキシシランは有機物を含みますよ」という名前なのに、私は無機質ですと表示をしたコーティング剤に関するご質問をいただきました。

ご質問いただいた一般のユーザーさまは、「無機質」と表示されている他社コーティング剤を購入されたそうです。

無機質のコーティングは、有機物である塗装への密着が悪く、温度変化に対応する収縮性がなく、結果としてすぐに剥がれ落ちるコーティング剤です。

いまだに「無機質」ですと宣伝していることに驚かされます。

この他社コーティング剤の成分表示は、「アルコキシシロキサン」となっているそうです。ご自身で調べてみると、有機物が含まれているのではないか?とのことです。

ご質問者のおっしゃる通り、成分表示にある「アルコキシ」とは有機官能基(アルコキシ基)のことであり、有機物である原子団を表しています。

用語としては、下記のように「アルコキシ」と「シロキサン」からなる複合的な構造を持ちます。

アルコキシシロキサンは、「シロキサン」という背骨を含む胴体にあたる部分を中心にして、手足にあたる部分である「アルコキシ」からなる物質であるととらえることができます。

アルコキシシロキサンとは、ごく簡単に言いますと、無機物の基本構造をもちながら、有機物との複合体であるシロキサンを中心にして、さらにコーティングと塗装など有機物との密着性を高めたり、撥水性を与えるために、多様な機能を持つ様々なアルコキシ基をくっつけた化合物のことです。

ですから、シロキサンやアルコキシシロキサンは無機ではありません。

シロキサン(siloxane)


シロキサンとは、ケイ素(Si)と酸素(O)を骨格とし、アルカン(R)を複合化した化合物の総称です。

ケイ素と酸素だけで構成される物質の身近なものは、二酸化ケイ素(SiO2)である無機ガラスですが、シロキサンは、ケイ素と酸素に加えて、置換基にあたるアルカン(炭化水素)から構成されていることを表しますから、無機ガラスではないわけです。

シロキサン:siloxaneの語源は、silicon:ケイ素、oxygen:酸素、alkane:アルカン(炭化水素)を合成したものです。 つまり、シロキサンとは炭化水素をを含む有機化合物であることを示しています。

シロキサンにおけるアルカンは、ケイ素と酸素によるガラスの無機物と、置換基としてのアルキル基(炭素と水素が結合)による有機物からなる複合体(無機有機ハイブリッド)の基礎的構造となります。

アルコキシ(alkoxy group)


アルコキシは置換基あるいは、官能基として、シロキサンの無機と有機からなる構造を応用して、例えば、塗装との密着性や表面の撥水性を持たせるなど、様々な機能性を付加させる多様な有機物の原子団を表します。

(参考)
無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
http://coating.th-angel.com/2015/02/blog-post_22.html

ガラスコーティング比較
http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html

VOCフリーガラスコーティング?
http://coating.th-angel.com/2015/11/vocvoc.html

ガラスコーティング【モース硬度7】の不思議

http://coating.th-angel.com/2014/02/blog-post_17.html

ガラスコーティングとポリマーコーティングの違い
http://coating.th-angel.com/2014/02/blog-post_13.html


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2015-08-05

フッ素コーティングの弱い耐久性と危険な無機フッ素コーティング

前回記事では、フッ素コーティングの撥水性低下の問題についてご紹介しました。

フッ素コーティングについてご質問いただくことが多いので、フッ素樹脂を車ボディ向けのコーティングとして応用した場合の課題についてまとめてみます。

課題をひとことで表しますとこのようになります。

「フッ素樹脂コーティングはボディ塗装に密着しにくく、コーティングとしての耐久性に難がある」

それでも、従来よりフッ素樹脂がコーティング剤として使われている理由は何でしょうか?フッ素樹脂単体において、非常に優れた性質があるからだと考えられます。

以下でも述べますが、フッ素は全ての元素の中で最大の電気陰性度を持つため、炭素と強く結合したフッ素樹脂は下記のような特徴があります。


1.非粘着性・撥水性・撥油性が高く汚れにくい2.潤滑性が高く良く滑る

このように「粘着しなくて、水や油を良く弾き、良く滑る」ので、一見すると非常に理想的なコーティングとなるように見えます。

ところが、フッ素樹脂単体としては他のものとくっつきにくく滑りやすいため、コーティング剤とした場合もそのまま定着しにくいという特性が出てしまいます。

フッ素樹脂コーティングが「良いかもしれない」と思われつつ、現在も主流になれない理由がそこにあります。

くわしくその理由を見ていきましょう。



フッ素(単体)の強さ

フッ素(F)と他の原子が結合したものの中で、コーティング剤の元となるものとして「有機フッ素樹脂」(以下、フッ素樹脂)があります。

コーティング剤に使用されるフッ素樹脂は、主に炭素とフッ素(C-F)が結合したものがあります。

コーティング業界には、フッ素とケイ素が直接結合(Si-F)したように宣伝されているものがありますが、それは何かの間違いでしょう。

Si-F結合が間違いだという理由は最後に述べます。

炭素とフッ素(C-F)が結合したフッ素樹脂単体としては独特の強さがあります。

その強さとは、フッ素原子はフッ素原子がもつ電気陰性度の高さに由来します。

電気陰性度が高いということは、フッ素と結合した他の原子との間で電子を共有する力が強くなり、強い共有結合となります。

典型的なフッ素樹脂は、炭素とフッ素が結合した化合物(C-F)です。炭素が結びつきますから有機フッ素化合物に分類されます。

炭素とフッ素が結合した場合の結合エネルギーが、どれほどのものなのか数字で見てみましょう。

結合エネルギーの数字が大きいほど、紫外線や熱と酸素などよる分解に対して強い(分解されにくい)という特徴を持ちます。

結合エネルギーの例を見てみましょう。


原子間結合エネルギー 単位[kcal/mol]
  • 炭素とフッ素 C-F : 115
  • 炭素と炭素 C-C : 83
  • ケイ素とフッ素 Si-F : 135
  • 炭素とケイ素 C-Si : 76
  • ケイ素と酸素 Si-O : 108

ガラスコーティングの基本骨格であるケイ素と酸素(Si-O)108よりも、有機フッ素樹脂の基本骨格である炭素とフッ素(C-F)115や、無機フッ素化合物であるケイ素とフッ素(Si-F)135の方が結合が強いです。

一見すると、フッ素樹脂が非常に強いわけです。
ただし、これはフッ素樹脂のカタマリとしてみた場合の強さなのです。

C-F結合したフッ素樹脂は他のものとくっつきにくい性質を持っています。このような性質であるため、水や油を弾く高い撥水性と撥油性と非粘着性を持ちます。

簡単にはくっつかないため、密着を促進するために一般的には素地との密着を高める働きをするバインダー、つまり接着剤のようなものにフッ素樹脂を混ぜたものと、フッ素樹脂のトップコートを塗ってから、フッ素樹脂が液体になるまで高温(300℃~400℃)に熱して溶融・溶着させます。



フッ素樹脂溶着コーティングの仕組み

溶着の仕組みは、素地と接着しやすい材料にフッ素樹脂を混ぜ込めみ「溶かす」ことによって、接着剤成分は素地に密着し、溶けた接着剤のなかにはフッ素樹脂が混ざり込みます。

これが冷めるとベースコートになります。

さらにもう一度、フッ素樹脂濃度の高いトップコートを塗り、フッ素樹脂も溶ける高温で焼くことによってベースコート表面のフッ素樹脂と、トップコートのフッ素樹脂が溶け合うことで強い密着が得られるわけです。

身近な例として、フライパンのフッ素樹脂コーティングがあります。具体的な工程は下記のようになります。

  1. バインダー※を、フライパン素地(アルミや鉄)に塗布する。
  2. 150℃程度でバインダーを乾燥させる。
  3. バインダーの上に、トップコートとなるフッ素樹脂を塗布する。
  4. 150℃程度でトップコートを乾燥させる。
  5. 300℃~400℃程度でトップコートを焼成する。
※.フッ素樹脂と接着剤のようなものを混合したもの。




フッ素+ガラスコーティングの仕組み


フライパンのように素地が熱に強い金属の場合には、このような高温での溶着が可能ですが、現場施工における自動車のボディコーティングでは、300℃以上という高温にすることはできません。

このため、ボディコーティングの場合は、常温での化学反応によるフッ素樹脂コーティングをおこなう必要があります。

それでは、フッ素樹脂コーティングの中でも、よく使われているガラスコーティングをベースにしたものの仕組みを見てみましょう。

フッ素樹脂それだけでは、上記のようにボディ塗装に密着することができません。

このため、ボディ塗装と密着するケイ素と酸素(Si-O)を無機有機ハイブリッドのガラスコーティングベースとして、フッ素樹脂の基本骨格である炭素と結合した有機官能基を媒介として、ガラスコーティングと結合するという仕組みとなります。

詳しく見てみましょう。下の図をご覧ください。


フッ素ガラスコーティングの例
↑クリック拡大

フッ素ガラスコーティングの例

F:フッ素
C:炭素
CH2: メチレン基などの置換基
Si:ケイ素
O:酸素
Y:有機官能基
有:有機物(塗装面)
ボディ塗装表面は有機物で覆われています。

コーティングのバインダーとなるケイ素原子(Si)と強固に結合する酸素(O)を含む有機官能基Y(有機物と結合しやすい原子団)が、塗装面の有機物(有)と強い力によって原子間結合(化学結合)します。

この部分がガラスコーティングの基本(土台)となります。

フッ素樹脂は、炭素(C)が主骨格となっています。メチレン基(CH2)のような置換基を介することによって、フッ素樹脂-ケイ素樹脂間を結合することができます。






フッ素樹脂ガラスコーティングの弱さ


一応形の上では上図のようにコーティングができます。

しかし、上図のようにフッ素樹脂とガラスコーティング間の結合点に課題があることが数字でわかります。

上図の赤枠で示した部分の原子間結合エネルギー
  • C(CH2)-C結合:83 
  • C(CH2)-Si結合:76

要するにベースのガラスコーティング部の基本骨格は、ケイ素と酸素(Si-O)結合なので強く、その上のフッ素樹脂部の基本骨格は炭素とフッ素(C-F)結合なので強いが、ガラスコーティングとフッ素樹脂の接合部は、ケイ素と炭素(C-Si)結合および、炭素と炭素(C-C)結合部があり、ここが弱いということなのです。

これは言い換えると、ガラスコーティングの上に乗っかっているフッ素樹脂がすぐに剥がれ落ちるということになります。

おそらくこのC-SiやC-C結合部は、カルナバロウワックスと同程度の耐久性になるのではないでしょうか。



無機(Si-F)フッ素コーティング???

車用フッ素コーティングの中には、ケイ素とフッ素Si-Fが直接結合したような宣伝PRをしているものが見受けられます。

確かにSi-F結合エネルギー:135は非常に大きく、ガラスの基本骨格Si-O結合:108の1.25倍になり、最強の組み合わせとなります。
無機フッ素の例
Si:ケイ素
F:フッ素



しかし、Si-F結合(フッ化ケイ素)は「絵に描いた餅」でしかありません。

仮にフッ素とケイ素が結合したものを、湿気を含む空気中にさらしたとしましょう。湿気すなわち水分(水素)と反応して、非常に危険な酸化剤が生成されます。


ケイ素フッ素化合物?
Si:ケイ素
F:フッ素
O:酸素

このような酸化剤が気体となれば、呼吸器や眼や皮膚や金属を侵しますし、水に溶け込めば強力な無機酸となって、人体や車の塗装や金属だけでなくガラスをも腐食(溶かす)させます。

少しでも湿気のある空気中では、Si-Fのかたちでいることはできないのですから、ケイ素とフッ素が直接結合した自動車ボディ用Si-Fフッ素コーティング剤はありえないのです。

危険すぎます。


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2015-03-07

ガラスコーティングで一番大事なこと

弊社は「コーティング剤のメーカー」ですので、『ガラスコーティングで一番大事なことは?』と問われましたら、即座に「ガラスコーティング剤の品質です」で答えたいところです。

しか~し、実はこういう風に言わざるを得ないのが悔しい!のですが、コーティングの仕上がり品質や、その後の耐久性に大きく影響するのは、皆さんお気づきの通り「正しい施工」であることは間違いありません。


ガラスコーティングって何だっけ

弊社では「ガラスコーティングとは、硬化しながらガラス状被膜を形成し密着するもの」と考えて開発・製造しております。

この定義からすると、ガラス状に硬化しないようなものは「ガラスコーティングではない」ということになるわけです。

もう少し詳しく言いますと、ガラスコーティングは、重合反応によって徐々に高分子化することで、ガラス状に固まっていくと同時に、塗装表面と結合して強く密着するものです。

ですからガラスコーティングは、一旦固まり始めると取り返しがつかなくなるわけです。

これは塗料に似ています。


ペンキ塗りを思い出してみてください。

ペンキ(塗料)塗りをしたときも、塗ってからすぐに塗料が固まり始めますので、塗膜が仕上がるまでは触ることができません。

塗り込みだけでなく、ペンキ塗りの下地づくりが不十分ですと、塗りムラになったり、しばらく月日が経つと、部分的に剥がれたりして見っともないことになってしまいます。


ひどい場合には、素地に対して定着しないようなペンキを選択したりすると、どうにもならないわけです。

改めてガラスコーティングを見てみますと、ペンキ塗り(高分子塗料)や、従来の高分子ガラスコーティング剤の難しいところを克服するため、弊社のガラスコーティング剤は、最新の低分子化技術によって塗り込みの簡便さや、硬化時間の最適化をチューニングしております。

その結果、手前味噌になりますが、現在考え得る高度な次元で、施工の失敗が少なく、作業がしやすいように調整できていると自負しております。


ガラスコーティング剤だけではどうにもならないこと

そのような最新技術による、施工性の高いガラスコーティング剤を使っても、より良い美観や耐久性を追求するためには、施工に関する乗り越えるべき、数多くのハードルがあります。

詳しいことは、施工事業者さまのウェブサイトに書かれていますし、事前に施工者の方との面談で話題になると思いますが、そのポイントとなることについて、ほんのごく一部をみてみましょう。


1.塗装状態の確認・診断

施工対象の車一台一台に塗装の状態が異なります。

同じ一台の車であっても、部位によって塗装の劣化状態や傷つき・汚れの度合や性質が異なります。


中には劣化が進み過ぎて、ガラスコーティングをするべきでなく、再塗装をすべき車だってあります。

ガラスコーティングを活かした効果が出せるかどうかを判断する。

この判断を間違えると、まるで医師が誤診をして、間違った投薬や治療をするのと同じように、車にとってもユーザーにとっても大きな影響を与えてしまうことになります。

劣化した塗装にガラスコーティングをしても、効果が出ないばかりではなく、かえって美観を損ねたり、触れば触るほど劣化した塗装に悪影響を与えてしまうかもしれません。

無理矢理に例えますと、家を建築する際の地盤調査の結果が悪すぎて、基礎工事に多くのコストと時間をかけても、「どうにもならない」というような感じに似ているのではないでしょうか。

そのような判断は、単なる施工技術だけではなく、豊富な施工経験や普段からの研究がものを言うのではないかと思います。


2.下地づくり

ガラスコーティングを実施することになり、最初の工程である下地づくりは特に重要です。

コーティング剤の性能を引き出して、被膜の良い状態を適切に維持するために、「下地づくり」が最も重要な工程であることはどなたも異論はないでしょう。

ガラスコーティング剤を提供している立場から言えば、理想的な下地づくりとは下記の2項目に集約されます。
 

  • 平滑性が高く鏡面であること
  • 残留物がないこと

言葉にすると簡単ですが、「言うは易く行うは難し」のごとく、完成度を求めることは非常に大変な作業となるわけです。

洗車などによって濃色車が白っぽく見えたり、虹色に見えたりするような微細な傷があるボディに、ガラスコーティングを施すことによって、しっとりと濡れたようになりました。というようなことがあります。

確かにガラスコーティング剤の良し悪しの目安として、コーティングの成果として認識できた。というような感じでしょうか。

平滑性の高い鏡面にすることができた塗装表面と、微細傷があるままの塗装表面の両方を施工した結果は、同じガラスコーティング剤を使用した場合、鏡面磨きができている方が、より美しい仕上がりとなるのは言うまでもありませんね。

また、鏡面磨きが完璧に仕上がった場合でも、表面にコンパウンド(研磨剤)に含まれる残留物や、微量の油分などが残っていたらどうでしょう。このような場合は、コーティングしてからしばらくの間は、何ともない美しいような感じに見えます。

しかし、そうした残留物がありますと、密着が弱くなることにより、熱ストレス(熱膨張)や振動、太陽光(紫外線)などの外部刺激を受けやすくなり、時間経過とともに微細なクラックや剥がれが発生して、ガラスコーティング本来の耐久性や美観が維持できないことになります。


3.その後の工程

下地づくりができますと、その後にはガラスコーティング剤の塗布→養生→仕上げ→確認などと、それぞれに経験と試行錯誤に裏付けられた、専門性の高い工程へと進んでいきコーティング施工が完成するわけです。


ガラスコーティングは間違いを許さない

いかに、極限まで作業性を向上させた高品質なガラスコーティング剤であっても、求められる結果は、強固に固着した美しい被膜を形成することにあるのです。

つまり、適正な施工は最高のコーティング品質を提供するが、失敗をすると液剤などでは失敗した被膜の剥離ができませんので、研磨からやり直しをしなければならないという、シビアな施工を求めるものなのです。

仮に、魔法のようなガラスコーティング剤が、超イージーな作業性を提供し、誰がやっても簡便な作業で、100%の美しさと耐久性が出せるようにすることが、コーティング剤メーカーとしては大いなる夢ではあることは認めます。

しかし、現在のところそのようなものは、世界中どこの誰にも作り出せてはいないはずです。



どんなに優れたガラスコーティング剤であっても、車一台一台のコンディションに応じて、最適な施工をおこなう「職人的な経験・技」と「適切な設備と環境」の存在は、絶対に欠かせないわけです。

施工者の技量・設備とガラスコーティング剤の品質は、車の両輪のように両方がそろってはじめて、「真のガラスコーティング」と呼べるのではないでしょうか。




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2015-02-22

無機ガラスコーティングは温度変化に弱い

わたしはメガネが必需品です。メガネがないと生活そのものに支障があるのです。
そんなわけで、メガネが良く見えて傷つきにくいことは非常に重要です。

先日、メガネなどのレンズメーカーさんとお話をする機会がありました。そこでとても興味深い話題になりました。

メガネレンズコーティングの話です。
近年、メガネレンズの基材そのものが、プラスチックでできているものが主流となっていることは、みなさんよくご存じのとおりです。

メガネのプラスチックレンズはそれほど硬くないので、傷つきに対する保護を強化するため、プラスチックレンズの表面に、ごく薄いハードコート(コーティング)を施しています。

このメガネレンズのハードコートには、「無機有機ハイブリッドタイプ」のコーティングを採用しているそうです。

プラスチックレンズには、無機コーティングは使い物にならないという話を聞いて、車ボディ用と全く同じですねー!という話になり盛り上がったわけです。

 

レンズが無機コーティングを採用していない理由

プラスチックレンズの基材は、言うまでもなく合成樹脂ですから有機物です。同じく車のボディ塗装も合成樹脂なので有機物です。

かつてレンズメーカーさんでも、プラスチックレンズへのハードコートとして、無機コーティングを試験したことがあるそうですが、結論としては温度変化の影響を受けてクラックが発生し、それがハードコートの剥がれとなり、レンズの濁りや視界不良となってしまうことと、有機樹脂への密着が不充分であることもあり、無機コーティングは採用していないということです。

無機コーティングが熱ストレスに弱いその原因は、無機コーティングの熱膨張率と、プラスチックの熱膨張率の差が大きすぎることなのだそうです。

無機コーティングのような単純な無機ガラス(SiO2)の場合の熱膨張率と、プラスチック:有機樹脂の熱膨張率は、一桁から二桁もの大きな差があります。

●熱膨張係数 [単位:10-6/℃]
プラスチック=有機樹脂 : 70~150程度
無機ガラス : 9

このように熱膨張率が異なるため、寒い冬の屋外から暖房の効いた室内に入ったときや、冷房の効いた室内から、炎天下に駐車した車室内に入ると、メガネのプラスチックレンズは、無機ハードコートともに大きな熱ストレスにさらされて、単純に硬く脆い無機コーティングした被膜に、細かなひび割れが発生してしまうのです。

このことは車のボディも全く同じ事が言えるのではないでしょうか。

夏の炎天下に駐車した車の表面温度と、突然の夕立による雨降りによって急激に冷えたボディのことを思い浮かべてください。このような温度変動によって、有機樹脂で構成されるボディ塗装と無機コーティングは大きなストレスにさらされて、無機コーティングにクラックが発生することが、容易に想像されます。

熱ストレスを受けやすい無機ガラスコーティングが、耐久性・寿命が短いことの一つの要因と考えられる訳です。

余談ですが、ボディの無機金属と塗装の有機樹脂の熱膨張率差については、塗装が柔軟性をもつことにより、熱ストレスを吸収するようにしているので、塗装が剥離することはないのです。

 

レンズは無機有機ハイブリッドコーティングを採用している

そこで、レンズメーカーさんでは硬いだけではない、適度な柔軟性をもち、熱膨張率差を考慮した「無機有機ハイブリッドタイプコーティング」を採用することにより、熱ストレスに影響されずに、耐久性・寿命に満足のいく、プラスチックレンズのハードコートができているのだそうです。

レンズのハードコートは車のコーティングと同じく、透明度や耐久性や寿命を維持するためには、硬さだけではなく柔軟性の両立と、塗装(有機樹脂)との密着性が重要であるとということで、合点がいったというお話でした。

(参考)




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2014-12-05

新しい無機有機ハイブリッドコーティング

ガラスコーティングの基本的な成り立ちとして、大きく分類しますと下記の2種類があります。
 

  1. 無機コーティング
    代表例として、高分子タイプのポリシラザン:Perhydropolysilazaneを原料としたものがある。
  2. 無機有機ハイブリッドコーティング
    代表例として、オルガノポリシロキサン/ポリオルガノシロキサン:Polyorganosiloxanを原料としたものがある。
    古くは高分子タイプがあったが、現在は溶剤を必要としない低分子タイプの2種類がある。


 お客さまとさまざまな会話をする中で、無機や有機の構造的な話のほかに、特徴や機能性や用途の違いはどのようになっているのか?ということを問われることがあります。

以前、構造的なことについてまとめましたので、下記記事を合わせてご覧ください。

ガラスコーティングの比較http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html


無機ガラスコーティングとは

<無機ガラスは、単純な二酸化ケイ素(SiO2)化合物を意味することが多い>
  • 高分子化合物である
    クロロシランを出発原料とし、脱アンモニア架橋により非晶質(アモルファス=結晶構造を持たない)ガラス被膜を形成する高分子化合物である。

    無機ガラス被膜を形成するガラスコーティングの例としてポリシラザン:Perhydropolysilazane)を原料としたものがある。

    無機ポリシラザンを改良した無機・有機ハイブリッド化は、技術的には可能であるが、反応性が急激であるなどの理由から、実用的な意味で無機・有機ハイブリッド化を目指すものは事実上見当たらない。

    (無機有機ポリシラザン/オルガノポリシラザン:Organopolysilazanes)
  • 有機物(塗装など)への密着性が劣る
    単純な無機ガラス被膜を形成するこのタイプは、元来おもに半導体製造においてシリコンウェハ(無機物)への一時的な表面改質剤として使用されているものを、車塗装用コーティング剤として二十年以上前に流用したものである。

    無機ガラス被膜は本来の用途である無機物への密着性は高いが、塗装などの有機物への密着性が不十分であることから耐久性(密着性)に劣る欠点がある。
  • 有害な有機溶剤が不可欠である
    高分子化合物であるため、ガラスコーティング剤として使用するには、大量のキシレン・トルエン・ターベンなどの芳香族有機溶剤(通称シンナー)に溶かし込んで使用する必要がある。

    このためガラス化成分量がごくわずかであり膜厚が極端に薄くなる。

    使用する芳香族有機溶剤:シンナーは、塗装を溶解し塗装に悪影響を及ぼす恐れや、人体および地球環境に対しても毒性・有害性がある。
  • 施工性や機能性に劣る
    → 品質の維持・コストダウンが困難である。
  1. 硬化時の脱アンモニア反応が急激に進行し、硬化反応を制御できないため施工性が悪い。
  2. 被膜硬度や柔軟性を制御できないため、膜厚が極端に薄くなり耐久性・耐傷性が劣る。
  3. 被膜が単純な分子構造であるため、撥水や防汚など機能性を付与することができない。
  4. 単純な無機物被膜であるため、シリカスケール(無機物汚れ)などのウォータースポットが固着しやすく除去が困難になりやすい。
  5. 塗装など有機物への密着性を高めるためには、下地処理としてシリコーンカップリング剤によってコーティングを行う必要がある。
  6. 撥水性を付与したり、無機汚れ(ウォータースポット)固着を抑制する機能を付与するためには、無機・有機ハイブリッドによるトップコートを行う必要がある。
  7. 上記のように反応が急激で作業難易度が高いこと、下地処理→無機ガラスコーティング→トップコートと、多層化による作業が複雑であることから、作業失敗リスクが高く、高品質を維持することが難しく、作業コストアップにつながる。
(参考)
無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
http://coating.th-angel.com/2015/02/blog-post_22.html


 

無機有機ハイブリッドコーティングとは

<無機有機ハイブリッドガラスは、二酸化ケイ素(SiO2)と有機官能基を結合(クロスカップリング)した化合物の総称>
  • 高分子タイプと低分子タイプがある
    クロロシランを出発原料とし、脱アルコール架橋により非晶質(アモルファス=結晶構造を持たない)ガラス被膜を形成する高分子化合物がある。

    最近になって保存性や安定性を高め、多官能性(多機能性)を付与することができる低分子タイプ(低分子シラン)が実用化されている。低分子タイプはガラスコーティング剤として、溶剤を一切添加しない高濃度ガラス化成分を含有する無溶剤化ができる。

    特に低分子シラン原料は、日本独自※の研究開発などにより、日本の世界的なシェアが高い。

    ※.低分子シランの基本技術であるクロスカップリング分野では、根岸英一(米パデュー大 特別教授)、鈴木章 (北海道大学 名誉教授)による2010年ノーベル化学賞のように、日本が伝統的に強い分野となっている。
  • 有機物(塗装)への密着性が高い
    無機ガラス(SiO2)基本骨格と、有機官能基による無機・有機ハイブリッド構造であるため、一液のみで塗装への密着性を高め、結合密度の高いガラス被膜を形成できる。
  • 機能性・耐久性・作業性を高めることができる
    無機・有機ハイブリッド構造であり、有機官能基の配向を制御することができるため、上記のような有機物(塗装)への密着性を高めたり、ガラスコーティング表面の撥水性や防汚性などを付与することができる。

    同時に反応性・硬度や柔軟性を制御することができるため、硬化時間・作業時間の最適化、膜厚や被膜硬度や柔軟性の最適化ができるため、作業性や被膜耐久性を向上させることができる。
  • 溶剤を一切使用しない無溶剤化ができる
    旧来からある高分子タイプの無機有機ハイブリッドガラスコーティングは、ガラスコーティング剤として芳香族の有機溶剤に溶解して使用する必要があった。

    これに対して新しい低分子タイプは、溶剤を一切使用せずに高品質のガラスコーティング剤を提供することができる。

    溶剤化によって、リッチ(厚膜化・高光沢・高耐久)なガラスコーティングができるだけでなく、塗装や人体・地球環境に対して安全でかつ、容易な作業にて行うことができるようになり、施工コストダウンと機能や性能向上ができるようになる。

    低分子タイプは、無溶剤だけでなく、アルコール系溶剤を使用することができるため、安全性や環境性を保ったままで液剤コストダウンやレベリング性向上が可能である。
  • 施工性や機能性が高まる
    → 高品質・低コスト化ができる。
  1. 脱アルコール・脱水反応による硬化であるため、硬化速度がマイルドであり添加剤によって硬化時間を制御できるため施工性が高い。
  2. ・被膜の硬度や柔軟性を制御でき、膜厚が最適化できるため耐傷性を向上することができる。このため硬いだけではなく、粘り気も兼ね備えた強靭な被膜を形成できる。
  3. 表面に有機官能基を配向することにより、シリカスケール(無機物汚れ)などのウォータースポットが固着を遅らせることができ、早めの除去により無機汚れの定着を防ぐことができる。
  4. 塗装など有機物との密着を高める有機官能基と、強くて劣化しにくい無機ガラス骨格によって、撥水性や防汚性を高める有機官能基のハイブリッド構造であるため、一液で万能性の高い高品質な被膜が簡単にできる。
  5. 液剤価格の適正化や施工性を高めることにより、総合的なコストダウンと作業の高品質化が両立可能となる。

 

弊社では、無機有機ハイブリッドコーティングの中でも、新しい低分子タイプを中心に開発製造をおこなっております。カーディテイリング事業者さまや、コーティング剤の卸売・小売事業者さまはお気軽にご相談ください。

ガラスコーティング剤は、下記の理由により一般のお客さまには販売しておりません。大変申し訳ありませんがご理解いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

ガラスコーティング剤の一般販売についてhttp://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_27.html


(参考)
コーティング剤の選び方 ~トップコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/03/blog-post_31.html

ハイブリッドコーティング ~トップコートとして~http://coating.th-angel.com/2015/06/blog-post.html

ハイブリッドコーティング ~ベースコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/05/blog-post_12.html

新しい無機有機ハイブリッドコーティング
http://coating.th-angel.com/2014/12/blog-post.html

新しいガラスコーティング剤について
http://coating.th-angel.com/2014/05/blog-post.html

ガラスコーティングの比較
http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html




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2014-04-29

SiO4だから

またまた、興味深い話が舞い込んできました。

以前ちまたの現場施工できるガラスコーティングは、非晶質(結晶ではない=アモルファス)なので、モース硬度は5程度であり、モース硬度7はあり得ない。と記事をアップしました。

(参考)ガラスコーティング【モース硬度7】の不思議
(参考)ガラスコーティングは結晶なの?
(参考)ガラスコーティングにおけるクリスタル/クォーツやダイヤモンドの意味

これに対して ブログ読者の方から、SiO2ではなく、SiO4無機ガラスコーティングは非常に硬いのである」というようなご意見をいただきました。

すみません、この話を聞いて笑ってしまいました。 

「SiO4」とは、ケイ素(silica:[Si])原子の原子価(つなぎ手)が「4」であるために、すべてのつなぎ手に、酸素(oxygen:[O])が繋がっている二酸化ケイ素の基本的な原子構造を「SiO4四面体」のように文字表現したものですね。


(SiO4四面体である)ケイ素と酸素が結合したシリカガラス構造をモデル化して化学式(組成式)で表すと、以下のようになります。
  1. ケイ素原子につながる酸素原子は最大4
  2. 酸素原子につながるケイ素原子は最大2
四方八方に拡がる立体的に上記1.と2.のつながりが連続すると、その集合体はケイ素(Si):1に対して酸素(O):2になるから化学式(組成式):SiO2となります

仮に、ケイ素と酸素以外の原子が存在しない分子の塊があり、そのすべてのつなぎ手が規則通りにまんべんなく配列したSiO2は、結晶ガラス(これに近いもの:水晶、クォーツ、クリスタル、石英)となります。

実際にはこのような不純物が全くなく、完全に規則的に結合したもの=結晶ガラスを人工的に作ることは非常に困難ですし、常温にて現場施工するガラスコーティングにおいては、ガラスを結晶化することはできず、規則性が少なくランダム性の高い結合の非晶質ガラスとなります。

結晶、非晶質と一言で言いますが、実際には非常に多くの結合形態があります。結合の仕方で「硬いとか柔軟性がある」などのガラスの様々な性質が決まります。仮に「硬いガラス」と言うのなら、「SiO4四面体同士の結晶性結合構造」を示す必要があるのです。

何れにしましても、非晶質ガラス(モース硬度5程度)、結晶ガラス(モース硬度7程度)のどちらも、基本構造は「SiO4」ですし、化学式(組成式)は「SiO2」ですね。

笑ったりしてすみませんでした。





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2014-04-22

無機コーティングが密着する理由 ~アクアミカ・ポリシラザンの場合~

先日アップしました記事「無機ガラスコーティングの耐久性 ~表面改質~」において、無機ガラスコーティング密着性の問題をご紹介しました。

これに対して、お客さまから下記のようなご指摘をいただきました。

無機コーティングの代表格であるポリシラザン(パーヒドロポリシラザン・ペルヒドロポリシラザン)は、水酸基(-OH)や、カルボキシル基(-COOH)との結合だけでなく「アクリルやウレタンなどの樹脂と相溶するから、高い密着性が得られるのではないか」というご指摘です。


(参考)ご指摘いただいたお客さまからは、このような他社様の資料をお示しいただきました。→「アクアミカとは」http://www.tokai.or.jp/kyowa/aquamika.pdf

このPDF資料の4ページ上部に「①密着性」という項目があります。

アクアミカ(パーヒドロポリシラザン:PHPS)に関する上記資料から引用:
「PHPSは非常に活性で、塗装成分のOH、COOHなどの官能基と化学結合すると同時に、アクリルやウレタンなどの樹脂と相溶するため、高い密着性が得られます。金属やセラミックスなどの最表面も同様に、OHの存在により密着性が高く、樹脂に対しても極性基の存在によりよく密着していると考えられます。」

ここでは「極性基とケイ素(Si)が結合するから密着する」という書き方がなされています。

これに対して、以前アップした弊社ブログ記事
「無機ガラスコーティングの耐久性 ~表面改質~」では、そもそも有機物である塗装や樹脂(プラスチック)表面において、-OHや-COOHなどの極性基の密度が低いので、極性基が高密度に存在しやすい「ガラス・セラミック・半導体シリコンウェハや、各種金属のような無機酸化物表面」との密着とは異なり、「塗装など有機物表面と無機コーティングとの密着力は比較にならないほど弱い」という説明をいたしました。

今回ご指摘いただきましたことは、この極性基密度の問題ではなく、さりげなく書かれている太字部分の「アクリルやウレタンなどの樹脂と相溶するため、高い密着性が得られます」という部分です。

これはどういうことなのでしょうか?

確かに自動車などの塗装には「アクリル樹脂やウレタン樹脂」が含有されていると考えられます。このような樹脂とポリシラザン無機コーティングが「相溶」するから密着する、というように解釈されますね。

「相溶」とはどういった状態なのでしょうか?

あまり聞かない言葉なので、岩波・広辞苑1996年電子版には掲載されていませんでした。もうひとつ平凡社・世界大百科事典にも掲載されていません。

Google先生に尋ねてみますと下記のような解説があるよ。と教えてくれました。
「相溶性」セメダイン株式会社ウェブサイトhttps://www.cemedine.co.jp/basic/dictionary/006.html

その他のサイトでも似たような説明がなされています。


要するに2種類以上の物質が相互に親和性を示し「溶けあう」ことを意味しているようです。文字通りですね。

塗装と無機コーティングが溶けあって密着するという風に理解すると驚くべきことです。無機コーティング剤を塗布することにより、塗装表面が溶けて結合するということですよね。

この場合の塗装を溶かすとは、どういうことでしょうか。

高温で塗装を溶かしながら無機コーティングすることは考えられないので、常温での「相溶の可能性」としては下記のような方法が考えられるのではないでしょうか。

1.無機溶剤を使用する
ポリシラザンなど無機コーティング剤のPRには、「無機溶剤を使用する」という説明がありますが、これは凄いですね。たぶん無機溶剤なるものを使うと塗装だけではなく、鉄やアルミニウムのボディも溶かしてしまいませんか。
(参考)無機溶剤ガラスコーティングとは?

2.有機溶剤を使用する
ポリシラザンのような高分子ポリマーを、ガラスコーティングとしてスプレーガン吹き塗布をするには、塗料と同様にシンナーなどの石油系有機溶剤を使用して希釈することになります。上記のアクアミカ(パーヒドロポリシラザン:PHPS)資料の10ページには「溶媒の選択」として、キシレン・ターベン・ソルベッソ(別名:ソルベント・ナフサ)・ジブチルエーテル(別名:n-ブチルエーテル)の有機溶剤が指定されています。

つまり、無機溶剤は危険すぎて使用できませんが、石油系有機溶剤=シンナー類を使って塗装表面を溶かすことによって結合させ密着させます、という意味になるのでしょうか? 


何れにしても塗装をやり直すのなら解りますが、ガラスコーティングをするために、塗装表面を「相溶」させるとはどういうことなのでしょうか?
 

どのように考えても、塗装(有機物)の上にポリシラザンのような無機コーティングの密着させるためには、「無機ガラスコーティングの耐久性 ~表面改質~」でも述べましたように、塗装のような有機物表面に「有機-無機改質処理剤」をコーティングした上でないと、ガラスコーティングとして充分な耐久性を得ることはできないと考えます。

いかがでしょうか「相溶による密着」というのは、とても理解しにくいことですね。どなたか解る方がいらっしゃいましたら、ご教示いただけないでしょうか。

(参考)ポリシラザンについて ~ガラスコーティング剤として~

(参考)ガラスコーティング種類と特質 ~特性・機能比較~
(参考)ガラスコーティング剤の密着について(参考)無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
http://kirasaku-coating.blogspot.jp/2015/02/blog-post_22.html


 

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2014-04-13

ポリシラザンの耐久性 ~表面改質~

ちょっとショッキングな話です。

コーティング業界の一部では「無機質の最強バリア」みたいな文句が、何とかの一つ覚えのように宣伝されています。
 

いつものように結論から言います。

ポリシラザンなど無機ガラスコーティングは、塗装のような有機物に直接コーティング施工をした場合、密着力(耐久性)が弱いためコーティング被膜として残存できる時間が短いのです。

 

その弱さは、無機ガラスコーティングが塗装表面に密着するメカニズムによるものです。


無機ガラスコーティングの密着メカニズム

ポリシラザンなどの無機ガラスコーティングは、ガラスコーティングの主成分であるケイ素(Si)が、塗装表面の水酸基(-OH)やカルボキシル基(-COOH)の酸素(O)とSi-O結合することで、塗装に密着するという説明がなされています。

この説明は、金属やシリコンウェハ表面などの無機基材表面の場合に無機ガラスコーティングをおこなう説明としては納得できます。

なぜならば、新鮮で汚染されていない無機物である金属や半導体原料のシリコンウェハような表面には、水酸基(-OH)やカルボキシル基(-COOH)が高密度に表出しているからです。


このような無機表面に対して、ペルヒドロポリシラザン(パーヒドロポリシラザン)のような単純な無機分子構造のケイ素(Si)は、水酸基(-OH)の酸素(O)と結合する密度が高くなり、この結果、ガラスコーティングとしての密着力が高まります。

(参考)ポリシラザンについて ~ガラスコーティング剤として~


塗装は有機物です

ところが自動車塗装、プラスチック部品やホイールの表面は有機物です。自動車塗装は、アクリルやウレタン、メラミン・エナメルなどの有機樹脂が主な成分です。

このような塗装の有機物表面に存在する水酸基(-OH)やカルボキシル基(-COOH)は、低い密度でしか存在できません。


プラスチックはもちろんのこと、ホイール※1も表面は有機物に覆われていますので、無機ガラスコーティングが高密度に結合し密着する部分は、自動車の場合、窓ガラスとドアミラーくらいしかないのです。

※1.アルミやマグネシウムや鉄などのホイールの表面は、錆(腐食)の発生を抑えるために無色透明塗装や色付き塗装が施されています。

無機の窓ガラスに無機ガラスコーティングをしても意味がありませんね。ですから、無機ガラスコーティングは、自動車に対しては直接施工しても残存性の低い弱いコーティングとなるのです。




塗装(有機物)に対する無機ガラスコーティングの密着性

それでは、塗装のような有機物に対する無機ガラスコーティングの密着性は、どのようになるのでしょうか?

大手化成品製造会社による、無機基材と有機基材に対するペルヒドロポリシラザンの密着力データ(耐水性・耐久性)が手元にあります。

ポリシラザンにより無機ガラスコーティング(ペルヒドロポリシラザン
・パーヒドロポリシラザン)を施した有機プラスチックへの密着度を測定するため、お湯(80℃の水※2)を連続的に流しかけ無機ガラスコーティングが消滅するまでの時間を測定した試験結果です。

※2.水は温度上昇にともない強い溶解力・洗浄力を示すことから、熱水を使用することで、耐水性試験時間を短縮(加速試験)させることができます。

A.有機プラスチックに、直接無機コーティングした場合
80℃耐水性:4時間

B.有機プラスチックに、有機-無機改質処理※4を行ったうえで、無機コーティングした場合
80℃耐水性:400時間

C.無機シリコンウェハに、直接無機コーティングした場合
80℃耐水性:1000時間

 

※4.有機-無機改質処理とは、有機表面と無機表面の接着性を高めるために、ケイ素(Si)を主剤とした、有機物と無機物の接着性を高める「無機有機ハイブリッド化合物」を下地処理コーティングすることです。


無機コーティングの有機物への密着・耐水・耐久性は100分の1以下

いかがでしょうか、上記A.のように有機物であるプラスチックに直接ポリシラザンによる無機コーティングを行った場合に比較して、B.有機物と無機物の接着性を高める有機-無機改質処理を施すことによって100倍の耐水性を実現することができます。

C.のシリコンウェハのような無機基材に対する無機コーティングは、A.に対して250倍の耐水性があるということになります。

このことは、逆に言いますと無機コーティングであるペルヒドロポリシラザンは、プラスチックや塗装などの有機物に対しての密着性が、無機物基材へのコーティングと比較して桁違いに不十分であることが言えるわけです。
 

つまり、従来自動車ボディ塗装ガラスコーティングとして普及し、無機コーティングが最高と言われていたのは、実用化当初の半導体シリコンウェハ(無機物)に対する、コーティング性能がそのままに流用されたものと考えられるのです。

有機物である塗装に対して無機ガラスコーティングを行うには、有機物と無機物の密着性を高めるために、有機-無機改質処理剤による下地処理コーティングをしなければ、本来の性能や機能を発揮することができないのです。


くわしくは「ガラスコーティング剤の密着について」をご覧ください。


(参考)無機コーティングが密着する理由 ~アクアミカの場合~

(参考)
無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
http://coating.th-angel.com/2015/02/blog-post_22.html



無機有機ハイブリッドガラスコーティング

このようなことから化学分野全般において、塗装やプラスチックなどの有機物の表面を改質して機能性を高めるガラスコーティングは、自動車に限らずこの十年余り「無機有機ハイブリッド化」がどんどん進められてきたわけです。

別の機会に、ガラスコーティングの無機有機ハイブリッド化について説明させていただきます。


(参考)ガラスコーティング種類と特質 ~特性・機能比較~
(参考)ガラスコーティングにおける無機溶剤って何ですか?






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2014-03-29

クリスタル/クォーツやダイヤモンドの意味

興味深いご質問をいただきました。
以前アップした「ガラスコーティングは結晶なの?」という記事に対して、


【コーティング剤の商品名に「クリスタル」「クォーツ」や「ダイヤモンド」といった言葉が散見されます。名前からすると結晶化したものをイメージしますが、本当に結晶のガラスコーティングはないのですか?】



というご質問です。

結論から言いますと、

現場施工する車や建築のガラスコーティングは、すべて非晶質ガラス(アモルファス-ガラス:amorphous-silica glass)です。

結晶化したガラスコーティングが常温で現場施工できるようになったら、それこそノーベル賞か、少なくともイグノーベル賞ものではないでしょうか。

もしも、現場施工で結晶化(crystallization)するガラスコーティングがありましたら、ご指摘をお願いいたします。



クリスタル/クォーツやダイヤモンドは結晶である

さて、クリスタルやダイヤモンドですがこのふたつは結晶です。


  • クリスタル/クォーツ(水晶/石英※)
    シリコン:ケイ素(Si)を由来とする結晶体
    ※クォーツ=石英とは二酸化ケイ素SiO2が結晶化したもの
     
  • ダイヤモンド
    カーボン:炭素(C)を由来とする結晶体


英語では「結晶ガラス」のことをずばり「クリスタル:crystal」または、「クォーツ:quartz」と呼びます。文字通りクリスタルは天然水晶のことでもあります。

水晶(別名:石英/クリスタル/クォーツ)と、非晶質ガラス:アモルファス-ガラスの組成は同じ「SiO2」なので、コーティング業界での混乱を招いている一因と考えられます。

別の視点でハッキリと区別できる判りやすい例として、炭素(C)の場合を見てみましょう。身の回りにある非晶質炭素としては「木炭」(モース硬度2程度)や「コークス」(純度の高い石炭)があげられます。結晶化炭素としては、結晶構造の違いにより「ダイヤモンド」や「黒鉛」があります。

ご存知のようにダイヤモンドは、自然界に存在するものの中で地球上最も硬い物質(モース硬度10)であり、非晶質の木炭(モース硬度1程度)やコークスの見た目の違いもさることながら、硬さの違いは歴然としております。このように同じ炭素(C)で構成されるものでも、その成り立ちの違いにより結晶化したり非晶質になったりするわけです。

ちなみに関連するモース硬度は下記のとおりです。

  • 結晶化ガラス(水晶):モース硬度7
  • 非晶質ガラス(窓ガラス):モース硬度5
    現場施工ガラスコーティングは非晶質ガラスです。
     

  • 結晶化炭素(ダイヤモンド):モース硬度10
  • 非晶質炭素(木炭):モース硬度1程度

(参考)ガラスコーティング【モース硬度7】の不思議

結晶化した人工ダイヤモンドを合成するには、地球上にありふれた物質である炭素(C)と水素(H)を原料にして、途方もない高い圧力と数千℃におよぶ高い温度を同時にかける方法が一般的です。一方の非晶質である木炭は木材を数百℃で炭化させたものです。


SiO2といってもいろいろある

ケイ素(Si)をもとに結晶化した水晶および人工結晶ガラスおよび、現場施工ができるガラスコーティングは非晶質であることは、以前もこちらで触れておりますのでご覧ください。→「ガラスコーティングは結晶なの?」

このように、ガラスコーティングなどのコーティング剤で「クリスタル/クォーツ(SiO2)」や「ダイヤモンド」はいかにも【結晶】をイメージさせます。

しかし、繰り返しになり恐縮ですが、窓ガラス(SiO2)をはじめ、現場施工できるガラスコーティング(SiO2)で、結晶化(モース硬度7)したものはあり得ません。

もしも、そのようなものがあるのなら、是非とも教えてください。 

(参考) SiO4だから硬い無機ガラスコーティングとは


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2014-03-25

オルガノポリシロキサンを原料とするガラスコーティング剤

お客さまより下記のようなご質問をいただきました。


「オルガノポリシロキサン: polyorganosiloxane によるガラスコーティング剤でも無溶剤のものがある。このブログ記事によると、オルガノポリシロキサンを原料としたガラスコーティング剤は、有機溶剤など石油系溶剤に溶かし込む必要があると書かれているが、どういうことなのか?」

このご質問にお答えいたします。

オルガノポリシロキサンや弊社の低分子シランとは、厳密に定義されているわけではありませんので無溶剤化したものとは、以下のようなふたつの可能性が考えられます。


1.(高分子)オルガノポリシロキサンにパウダー微粒子を添加

(高分子)オルガノポリシロキサンは、塗料のように粘度が高く、そのままでは濡れ性やレベリング性が悪いため、ガラスコーティング剤としての塗り込み作業がしにくくなります。このためトルエン・キシレンなどの有機溶剤(石油系溶剤)に溶解して使用することが一般的です。

しかし、車の塗装へのダメージや人体・地球環境への悪影響を避けるために有機溶剤の使用を避け、上記のような濡れ性やレベリング性の問題を改善して、少しでも塗り込みやすくし作業の失敗を避ける目的で、セラミックなどのパウダー微粒子を湿潤分散剤として添加する方法が考えられます。


このように、セラミックなどのパウダー(微粒子)を湿潤分散剤として添加しますと、本来オルガノポリシロキサンが持つガラス化する分子間ネットワークの結合強度が低下することが考えられ、ガラス硬化被膜の密着性や各種強度や耐力(紫外線、熱、酸やアルカリ、硬度・粘りなど)に悪影響を及ぼす可能性が高まります。



2.(低分子)オルガノポリシロキサン

弊社で採用している「低分子シラン」同様方式を、「(低分子)オルガノポリシロキサン」と呼んでいるものがあると考えられます。

「ガラスコーティング比較 ~低分子シランの特性と機能~」←こちらの記事では、時系列的に古くからある高分子タイプのペルヒドロポリシラザンと、オルガノポリシロキサンに対して→低分子シランの比較について述べています。

(参考)ガラスコーティング剤の密着について

(参考) 低分子シラン無溶剤ガラスコーティング剤の特徴である引火性と臭う理由と、従来のガラスコーティング剤が使用する有機溶剤との違いについてはこちらをご覧ください。→無溶剤ガラスコーティング剤だから



オルガノポリシロキサン・ガラスコーティングとは

オルガノポリシロキサンは、クロロシランを出発原料とし、脱アルコール架橋により非晶質(アモルファス)ガラス被膜を形成するポリマー(高分子シラン)です。

オルガノポリシロキサン:Polyorganosiloxaneの名前は、ケイ素:siliconの"sil"と、酸素:oxygenの"ox"と、炭化水素alkaneの"ane"の3次元基本骨格と有機官能基:organoを形成する高分子(ポリ:poly)であることに由来します。

オルガノポリシロキサンは、脱アルコールの反応がポリシラザンの脱アンモニア反応よりもマイルドであることから、比較的取扱がしやすく、無機ガラス主骨格と伴に有機官能基を配向する無機有機ハイブリッド化が容易であるため、機能性を付与しやすいことなどから、ポリシラザンで実現が難しかった課題のいくつかが解決できるようになりました。



 

オルガノポリシロキサン・ガラスコーティングの特質


    無機骨格と伴に有機表面が表出する。
    • 無機汚れ(ウォータースポット、別名イオンデポジット)が固着しにくくなった。
    • 撥水性=疎水性を高めたり低くしたりすることができるため、高撥水化や親水傾向(低撥水化)にするなど目的に応じたコーティング表面が形成できる。反応性(硬化)がマイルドで硬化特性の制御が可能である。
    • 硬度を高めつつも柔軟性を付与することができ、目的に応じた膜厚を形成できる。
    • 手塗が可能であり、特別な設備を必要とせずに塗布作業ができる。高分子であるため有害な有機溶剤(キシレンやトルエンなど)に溶解する必要がある。
    • ガラス化成分含有量が少なく膜厚が薄くなる傾向にある。
    • 塗装だけでなく人体・地球環境に有害である。
    • 有機溶剤を排気する設備が必要であるため設備コストに影響する。

    オルガノポリシロキサンはポリシラザンの課題を克服できたのか?
    高分子シランのなかでもオルガノポリシロキサンは、有機無機ハイブリッド化により、ポリシラザン(ペルヒドロポリシラザン)の下記の課題に対して改善ができていることと、できていないことがあります。

    課題改善点
    ポリシラザンは親水性表面しかできず親水性維持ができない。
    • 無機有機ハイブリッド被膜により被膜性状を変化(低撥水~高撥水)させることができるようになった。
    • 硬化特性が制御できないため施工が難しく高コストである。
    • 硬化速度を制御でき、スプレーガンだけではなく手塗が可能となった。
    • 硬度を制御できないため、膜厚を極端に薄くする必要があり擦過傷の保護性能が劣る。
    • 被膜の硬度と柔軟性をバランス制御できるため厚膜化が可能となった。
    • 硬化過程において有害なアンモニアガスを発し安全性環境性保全のためのコストがかかる。
    • 硬化架橋において発生するガスはアルコールであるため副生物の安全性が高まった。

    課題として残った点
    オルガノポリシロキサンもポリシラザンと同じく高分子であるため、ガラスコーティング剤として製品化するには有害な有機溶剤に溶解して使用する必要があり、溶剤添加によりガラス化成分含有量が少なくなることのほか、塗装への悪影響や安全性・環境性を保全する設備コストがかかる影響が残っております。

    (参考) ガラスコーティングの比較
    http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html




    新しいガラスコーティング剤:低分子シラン・ガラスコーティングとは

    低分子シランはクロロシランを出発原料とし、ひとつの分子内に複数の有機官能基と加水分解性のアルコキシ基を同時に含有し、脱水架橋により非晶質(アモルファス)ガラス被膜を形成するものです。

    従来のシラノール基を有する高分子オルガノポリシロキサンとの違いは下記のとおりです。 


      • 塗装面や樹脂などの多種類の有機物と強力に化学結合する多官能基と、ガラスや金属など無機物と強力に化学結合する加水分解性アルコキシ基を併せ持つ。
      • 100%機能部化による低分子量液体が構成可能である(高濃度ガラス化成分含有、無溶剤化が可能)。
      • 揮発性のシラノール基を含有しないため保存性・安定性が高い。

      (参考)ハイブリッドコーティング ~新しい無機有機タイプ~







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