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2017-09-18

ウォータースポットに有効なのは酸性かアルカリ性か

以前にも増して、ウォータースポット除去に関するお問い合わせをたくさんいただいております。


●最近のご質問

  • ガラスコーティングに影響を与えずにウォータースポット除去ができないのか?
  • 酸性の除去剤を使用したいが問題はないのか?
  • アルカリ性の除去剤を使用したいが問題はないのか?

このような質問にお答えする前に、ウォータースポットを除去することは、人体にできたがん細胞を取り除くことに似て、「発見が早く軽度の場合は、比較的影響の小さい除去方法」があります。

「発見が遅く重度になるほど、健全な部分にも影響を与えてしまう除去方法」と考えていただきたいと思います。

このあたりの理由も含め、改めてウォータースポット除去について考えてみましょう。

●ウォータースポットの原因

ウォータースポットは、主に無機の汚れ物質固着が原因となって発生します。
今回は、皆様の関心が高く最も落としにくい、この無機物汚れの除去について触れてみます。

ウォータースポットが発生するメカニズムを簡単に言いますと下記のようになります。
「表面に着いた水道水、雨水や雪等に含まれる無機物質※が、水の蒸発とともに汚れとして堆積したり固着することによる」
※.カルシウム、マグネシウム、シリカ、塩素、ナトリウム、鉄など


●ウォータースポットはなぜ落としにくいのか

ガラスコーティングをした車の塗装部や、窓ガラスに固着するウォータースポットは、特に落としにくい汚れであり、経験のある方も多いことでしょう。

物質同士がくっつく一般的な話として、以下のようなことが言えます。


  1. 無機物同士はくっつきやすい。
  2. 有機物同士はくっつきやすい。
  3. 同じ物質同士は非常に強くくっつく。
  4. 無機物と有機物はくっつきにくい。

つまり無機物的なガラスコーティングには、油分や虫・花粉などの有機物汚れが固着しにくい利点を持っているのと同時に、水に含まれているカルシウム、マグネシウム、シリカ、塩素、鉄などといった無機物が固着しやすいといった欠点を合わせ持っています。

特にガラスコーティングや窓ガラスは、言うまでもなくケイ素(Si)と酸素(O)すなわち二酸化ケイ素:SiO2からできています。と言うことは、汚れである水に含まれるシリカ(二酸化ケイ素:SiO2)と非常に強く結合し、ガラスのひとかたまりとなるわけです。

これが最も厄介な汚れである「シリカ(ガラス)由来のウォータースポット」です。

これは、シリカ等の無機イオンを含む水が蒸発することによって発生するため、イオンデポジット(和製英語?)とも呼ばれています。

ウォータースポットが落としにくい理由は、ガラス(基材)とガラス(汚れ)が一体化してできた汚れなので、汚れ部分のガラスを落とそう(削る・溶かす・剥がす)としても、ガラスコーティングや窓ガラスにも影響を与えてしまうということなのです。

まさに、がん細胞(汚れ)と正常細胞(基材)の関係のようではないでしょうか。



●ウォータースポットを除去する方法とは

ウォータースポットのように、強く固着した汚れを落とす方法として大きく分類しますと、以下のふたつの方法があります。
  1. 削って落とす。
  2. 溶かして落とす。

「上記の両方(削る・溶かす)を使って落とす」方法もありますが、原理的にはこのようになります。


●削って落とす
今回本記事でお話している、無機物汚れによるウォータースポットを除去する場合、すべての汚れに対して有効なのは、ラビングコンパウンド(研磨剤、以下コンパウンド)を使用した方法です。

お気づきのように「削って落とす」場合は、汚れ落としとともに、非常に薄い被膜であるガラスコーティングにも何等かの影響を与えてしまうことがあります。窓ガラスの場合は汚れの厚さに対して、窓ガラスが厚いため神経質に考える必要はないでしょう。

コンパウンドを使用した方法は、医療に例えますと外科手術のように、余計な患部を切除することに似ています。

軽度のウォータースポットの場合は、市販の微粒子のコンパウンドを使用して除去することができるかもしれません。

しかし、シリカ汚れによるガラスとの強力な固着が原因の場合は、最適な研磨剤と設備や道具を選択しながら、細心の注意と熟練した技術による除去作業が必要です。この場合は、専門の磨き事業者さんにお願いすることになると思います。


●溶かして落とす
溶かして落とす市販の除去剤には様々なものがあります。
その中でも「何でも良く落ちるものほど危険性が高く、ガラスコーティングはひとたまりもないもの」と考えてください。

最も頑固なシリカ(すなわちガラス)汚れを落とすものは、ガラスを溶かすものです。
ガラスを溶かすものは、世界中どこを探してもフッ化物系の無機酸しかないのです。

ですから、シリカ=ガラスを溶かすものはすべて危険です。

私は健康に生きながらえたいので、そのようなウォータースポット除去剤は絶対に使いません。


軽度の汚れを溶かして落とす

基本的に、軽度(汚れの発見が早い)のウォータースポットに有効なものは、人体や車、環境にも優しいタイプと言えます。このような除去剤は、有機酸を中心に構成されたものです。

有機酸※は、カルシウム・マグネシウム、塩素や鉄など原因物質とする汚れです。汚れがついてから短期間の場合には、ある程度の効果が期待できます。

一方、有機酸は、シリカを原因物質とする汚れに対しては、効果が望めません。


※.有機酸の例:クエン酸、乳酸、グリコール酸など


中程度以上の汚れを溶かして落とす

安全性の高い有機酸による除去剤で落ちないウォータースポットを「中程度以上の汚れ」とします。
このような中程度以上の汚れを溶かす場合には、無機酸を使用することになります。

しかし、無機酸を使用するような汚れ落としは、まったくおすすめしません。
有機酸による除去剤で歯が立たない場合は、前述の研磨剤(ラビングコンパウンド)を使用した、ウォータースポット除去剤の使用をおすすめします。

無機酸を使用しない理由は、車が金属でできているためです。無機酸の多くは金属を強く腐食させます。それと、無機酸には、急性の(健康)傷害を起こすものと、時間を経てから重篤な傷害や病気の原因となるものがあり、健康に有害だからです。

無機酸として身近なものとして、塩酸、硫酸、硝酸、スルファミン酸、フッ化物系の酸などがあります。
  • 塩酸:カルシウムや鉄を溶解する。シリカは溶けない。揮発性が高くガス化することで、直接液体が触れていなくても金属を腐食させる。皮膚を腐食させる。
  • 硫酸:鉄を溶解する。カルシウムやシリカは溶けない。金属や皮膚を腐食させる。
  • 硝酸:カルシウムや鉄を溶解する。シリカは溶けない。金属や皮膚を激しく腐食させる。金属と反応して有毒ガス(窒素酸化物)を発生させる。
  • スルファミン酸:カルシウムを溶解する。鉄やシリカは溶けない。金属や皮膚の腐食性は小さい。(参考:クエン酸など有機酸と組み合わせて、除去剤として使用される場合がある)
  • フッ化物系の酸※ガラス=シリカを溶解する唯一の酸であり、カルシウムや鉄等を含めた無機物全般の溶解力が非常に高い。金属や皮膚・骨などを非常に激しく腐食させ、危険性や毒性が非常に高い。
    ※.
    フッ化物系の酸の例としては、フッ化水素酸(フッ酸)、フッ化アンモニウム(フッ化水素アンモニウム)、フッ化ナトリウムなどがあります。

もしも、現在お使いのウォータースポット除去剤(研磨剤ではないもの)が良く落ちる場合は、一度中身を調べてみてください。心配な時は、除去剤の購入先や製造元に「安全データシート(別名:MSDS、SDS)」の提示を求めてください。

特にフッ化物系の酸は、濃度が薄くても使い続けることで、慢性の中毒症(目、呼吸器、神経、皮膚、骨や歯の病気)が懸念されます。

上記のような無機酸を使用しているようでしたら、使い続けるリスクをしっかりと認識する必要があります。

車の塗装やウインドウガラスをキレイにしたつもりが、車本体やあなた自身の寿命に影響しているかもしれないのです。


●最近とても気になること

上述のように、ガラスコーティングやウインドウガラスに固着するシリカ=ガラスを溶解(腐食)させることができる物質は、フッ化物系の酸のみです。
ガラスを腐食させる能力は、人体にとっても非常に有害であることを忘れてはなりません。

フッ化水素酸(フッ酸)の危険性や毒性については、知られてきているようですが、下記のような誤った情報がネットなどを通じて広められているようです。


  • 誤情報の例-1
    フッ化アンモニウム(フッ化水素アンモニウム)、フッ化ナトリウムの腐食性や危険性が小さい?

    この話は、どうもフッ化アンモニウム、フッ化ナトリウムの安全データシート(別名:MSDS、SDS)の読み方を誤っているものと考えられます。

    フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム自体は、固体(粉末)で流通していることが多いのです。「これらが固体の状態では危険性や毒性があるものの、フッ化水素酸ほどの強さではない」ということは間違いありません。

    しかし、ウォータースポット除去剤として製品化した場合は「水」と混合されます。
    フッ化アンモニウムやフッ化ナトリウムは水と反応して、フッ化水素酸を発生させます。

    実はこれらの粉末が、人体の汗(汗の主成分は水です)に触れただけでも、フッ化水素酸が発生し強毒化するのです。


    (参考)米国海洋大気庁(NOAA) 化学物質データベースにおけるフッ化ナトリウム (AMMONIUM FLUORIDE)情報https://cameochemicals.noaa.gov/chemical/2427


  • 誤情報の例-2
    弱酸性だから、腐食性や危険性が小さい?
    アルカリ性だから、腐食性や危険性が小さい?


    フッ化水素酸は弱酸性です!
    フッ化水素酸は、強酸性の塩酸よりも危険性や毒性が高いのです。

    硫酸は、濃度が薄い場合は強酸性ですが、濃度が濃い場合は弱酸性です。

    フッ化アンモニウムやフッ化ナトリウムの水溶液は、中性または弱アルカリ性を示します!

    ペーハー(pH)値だけで、腐食性や危険性を判断することはできません。
    「アルカリ性なので安全です」アピールは要注意です。


予防が一番

上述の通り、ウォータースポットが発生したら非常に厄介です。人の病気対策に例えて恐縮ですが、とにかく予防が一番大切です。


  • ウォータースポットを発生させない。
  • ウォータースポットの固着を遅らせる。

予防には、事前の予防処置と監視が重要ということで、無機物汚れと有機物汚れが着きにくい、無機有機ハイブリッド構造のシリコーンレジンコーティングで、愛車とあなたの健康をお守りいただければ幸いです(笑)。


(参考)ウォータースポットに有効なのは酸性かアルカリ性か
http://coating.th-angel.com/2017/09/blog-post.html

(参考)フッ化水素酸にも負けないコーティング?【絶対に真似しないでください】
http://coating.th-angel.com/2017/10/blog-post_26.html

(参考)ウォータースポットの除去と対策
http://coating.th-angel.com/2016/10/waterspot.html

(参考)ウォータースポットの原因
http://coating.th-angel.com/2016/11/water-spot-cause.html

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2016-11-30

シロキサンやアルコキシシロキサンは無機ではない

アルコキシシロキサンとアルコキシシランの違い


「アルコキシシロキサンとアルコキシシランは何が違いますか?それとも同じですか?」と、聞かれることがあります。

コーティング液剤の性状(コーティング剤の機能や性能)という意味では、あまり気にされなくてよいのではないでしょうか。

コーティング剤の場合、原材料~製品であるコーティング剤までの、どの断面をとって表現しているかに過ぎないように思われます。

アルコキシシロキサンと一言で言っても、その中身は非常に多くの種類があり、それぞれの性質も多様です。それはアルコキシシランでも同じです。

ですから、このような方式を表す単語を気にし過ぎる必要はありません。

このような単語だけで、コーティング剤の品質や特性を表現できるほど単純ではないのです。

自動車のエンジンに例えるならば、「ガソリンエンジン車です」と言っても、軽トラもあれば、12気筒のスーパーカーもありますね。これに似ていると思います。


アルコキシシロキサンやアルコキシシランは無機質ではない


しかし、いくら多様な性質を持つといっても、「アルコキシシロキサンやアルコキシシランは有機物を含みますよ」という名前なのに、私は無機質ですと表示をしたコーティング剤に関するご質問をいただきました。

ご質問いただいた一般のユーザーさまは、「無機質」と表示されている他社コーティング剤を購入されたそうです。

無機質のコーティングは、有機物である塗装への密着が悪く、温度変化に対応する収縮性がなく、結果としてすぐに剥がれ落ちるコーティング剤です。

いまだに「無機質」ですと宣伝していることに驚かされます。

この他社コーティング剤の成分表示は、「アルコキシシロキサン」となっているそうです。ご自身で調べてみると、有機物が含まれているのではないか?とのことです。

ご質問者のおっしゃる通り、成分表示にある「アルコキシ」とは有機官能基(アルコキシ基)のことであり、有機物である原子団を表しています。

用語としては、下記のように「アルコキシ」と「シロキサン」からなる複合的な構造を持ちます。

アルコキシシロキサンは、「シロキサン」という背骨を含む胴体にあたる部分を中心にして、手足にあたる部分である「アルコキシ」からなる物質であるととらえることができます。

アルコキシシロキサンとは、ごく簡単に言いますと、無機物の基本構造をもちながら、有機物との複合体であるシロキサンを中心にして、さらにコーティングと塗装など有機物との密着性を高めたり、撥水性を与えるために、多様な機能を持つ様々なアルコキシ基をくっつけた化合物のことです。

ですから、シロキサンやアルコキシシロキサンは無機ではありません。

シロキサン(siloxane)


シロキサンとは、ケイ素(Si)と酸素(O)を骨格とし、アルカン(R)を複合化した化合物の総称です。

ケイ素と酸素だけで構成される物質の身近なものは、二酸化ケイ素(SiO2)である無機ガラスですが、シロキサンは、ケイ素と酸素に加えて、置換基にあたるアルカン(炭化水素)から構成されていることを表しますから、無機ガラスではないわけです。

シロキサン:siloxaneの語源は、silicon:ケイ素、oxygen:酸素、alkane:アルカン(炭化水素)を合成したものです。 つまり、シロキサンとは炭化水素をを含む有機化合物であることを示しています。

シロキサンにおけるアルカンは、ケイ素と酸素によるガラスの無機物と、置換基としてのアルキル基(炭素と水素が結合)による有機物からなる複合体(無機有機ハイブリッド)の基礎的構造となります。

アルコキシ(alkoxy group)


アルコキシは置換基あるいは、官能基として、シロキサンの無機と有機からなる構造を応用して、例えば、塗装との密着性や表面の撥水性を持たせるなど、様々な機能性を付加させる多様な有機物の原子団を表します。

(参考)
無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
http://coating.th-angel.com/2015/02/blog-post_22.html

ガラスコーティング比較
http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html

VOCフリーガラスコーティング?
http://coating.th-angel.com/2015/11/vocvoc.html

ガラスコーティング【モース硬度7】の不思議

http://coating.th-angel.com/2014/02/blog-post_17.html

ガラスコーティングとポリマーコーティングの違い
http://coating.th-angel.com/2014/02/blog-post_13.html


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2015-06-06

ハイブリッドコーティング ~トップコートとして~


前回のブログ記事では「ハイブリッドコーティング」をキーワードとして、ベースコートにおけるハイブリッドコートについて考えてみました。
(前回記事)ハイブリッドコーティング ~ベースコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/05/blog-post_12.html

前回生地の中では、無機ガラスコーティングに関する課題を提示させていただきました。


旧来からの無機ガラスコーティングは、「ウォータースポット(水シミ、イオンデポジット)」が固着しやすいという弱点を持っている。


ウォータースポットは、水道水や雨に含まれる無機物(シリカやカルシウム・塩素など)が、無機コーティングの表面と結合しやすいことにより、被膜であるガラスと、汚れであるガラスが強く結びつくわけです。

 

トップコートの現状と役割


このような「無機ガラスコーティングが持つ無機汚れの着きやすさ」を対策するために、有機物によって構成されるコーティング剤をトップコートとして上塗りし、そのことを「ハイブリッドコーティング」と呼ぶものがあるようです。

さて、無機ガラスコーティングをされているユーザーさまには、もう少しスマートな解決方法として、ベースコートである無機有機ガラスコーティングと同じ技術を採用したトップコートをご提案いたします。

ベースコートとして、次回は無機有機ガラスコーティングをおこなうとしても、次のベースコートをおこなうまでの間、トップコートを無機有機ハイブリッド化をおこなうことで対策をされてみてはいかがでしょうか。

なーんだ、無機コーティングのベースコートの上に、トップコートとして有機コーティングを施すのであれば、これまでと同じじゃないの!何が違うの?

そうですね「トップコートとして単なる有機物コーティング
をおこなう」ということであれば、違いがわかりにくいかもしれません。

.有機物コーティングの例として、古くからあるカルナバロウを原料としたワックスがあります。カルナバロウワックスは、ウォータースポットなどの、無機系の汚れには強いのですが、カルナバロウ自体が酸化・劣化しやすく、紫外線や熱による分解されやすい欠点がありますので、有機物汚れに弱い特徴があります。

もうひとつ、有機物コーティングの例として、シリコーンなどを含有した合成オイルを主成分としたものがあります。これらは「ガラス系」「ガラス繊維系」などと言い換えられているようです。カルナバロウなどに比べると酸化しにくく、紫外線や熱にも分解されにくくなっています。

合成オイルを主成分としているタイプの中には、若干のシリコーンレジンを添加しているものがありますが、シリコーンレジン原料は高価なため配合量は限られているようです。

弊社のシリコーンレジンコーティングであるキラサクGPコーティングは、シリコーンオイルなどの合成オイルは一切含まれておりません。GPコーティングがリーズナブルな価格でご提供できる理由は、源流に近いシリコーンレジン原料を基にして、弊社工場内で独自にコーティング剤として一貫製造していることによります。


トップコートにおけるハイブリッドコーティングとは


しかし、弊社がご提案するトップコートは、無機有機ハイブリッドによるトップコートです。この有機無機ハイブリッドによるトップコートとはどのようなものでしょうか?

実は、有機無機ハイブリッドによるトップコートと、前回記事でご紹介したベースコートである無機有機ハイブリッドガラスコーティングとは基本的な組成が似たものとなっております。

ハイブリッドコーティングの基本的な組成は、Si-Oによる無機骨格構造の周囲に有機官能基が配置(配向)されています。組成は同じですが無機骨格の密度が異なります。

単純化して申し上げますと、同じ組成でも無機骨格の密度が高い場合は硬いガラスになり、密度が低くなるとゴム状になったり、もっと密度が低くなると液体になるわけです。

特に弊社のトップコートの主成分は、液体のなかでも粘弾性の高いシリコーンレジンを高純度かつ高濃度に配合しています。概念的には液体~ゴム状の中間的なものとイメージされるものです。

弊社のシリコーンレジンによるトップコートにおける「ハイブリッドコーティング」は、以下のふたつの意味を持っています。

 

ふたつのハイブリッドコーティング


1.無機と有機のハイブリッドコーティング


●無機的な性質:
Si-O無機骨格がメッシュ状(網状)に構成されているため、紫外線や熱に分解されにくく、酸化しにくい。化学物質(有機化合物)にも侵されにくい。

●有機的な性質:
強靭な無機骨格を中心とし、首位に機能性をもつ有機官能基が配向されているため、塗装やベースコートとの密着性が高く、有機汚れをはじく撥水性・撥油性や、ウォータースポットといった無機汚れの固着を遅らせることができる。




2.液体と固体のハイブリッドコーティング


液体的な粘性と、固体的な弾性の両方を合わせもつ「粘弾性」により、液体でありながらしなやかに密着し続け、従来の液体コーティングでは実現できなかった持続性を高めることができます。
(参考)シリコーンレジンコーティングの粘弾性と滑り止め
http://coating.th-angel.com/2014/02/blog-post_23.html

液体~ゴム状の中間的な粘弾性を持たせることにより、液体のまま表面に留まる力が強くなります。

しかし、あくまでも液体ですから、硬化型コーティングのように、固着することはありませんので、仮に拭きムラがあってそのままになっていても、一週間後でも一か月後であっても、洗車して汚れを落としてから、拭き上げていただければキレイにムラを修正可能です。

つまり、液体であるが故の取扱のしやすさと、固体的性質を持つが故の耐久性・持続性・保護性の高さを両立することを、ハイブリッドにバランスさせることができるのです。





違いのわかる最高のトップコート


このような「ふたつのハイブリッド」を実現し無機物汚れと有機物汚れの両方に強く、高耐久で持続性のあるハイブリッドコーティングを手軽におこなうことができるのです。

ベースコートであるガラスコーティングの特徴を損なうことがないため、トップコートとして最適なわけです。
「ふたつのハイブリッド」による違いを一番に感じていただけるものに、キラサクGPコーティング Kirasaku GrandPrix coating http://shop-th-angel.com/shopdetail/002000000002/ があります。

一度お試しいただければ、これまでのモノとの違いを実感していただけるものとなっております。



事業者さま専用の業務用タイプもご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。



(参考)
コーティング剤の選び方 ~トップコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/03/blog-post_31.html

ハイブリッドコーティング ~トップコートとして~http://coating.th-angel.com/2015/06/blog-post.html

ハイブリッドコーティング ~ベースコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/05/blog-post_12.html

新しい無機有機ハイブリッドコーティング
http://coating.th-angel.com/2014/12/blog-post.html

新しいガラスコーティング剤について
http://coating.th-angel.com/2014/05/blog-post.html

ガラスコーティングの比較
http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html


 

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2015-05-12

ハイブリッドコーティング ~ベースコートとして~

最近、ハイブリッドコーティングに関するお問い合わせが多くなっております。
お問い合わせの内容は下記のようなものです。

「THエンゼルさんのハイブリッドコーティングと、他社さんのハイブリッドコーティングの違いは何ですか?」



これはハイブリッドコーティング?


他社さまのコーティング剤は多種多様ですので、一概には申し上げられませんが、お問い合わせいただいたお客さまの話を聞きますと、どうやらベースコート=ガラスコーティングとして無機コーティングをしたあとに、トップコートとして有機物を含むシリコーンなどのコーティングをおこなう。

というような、2階建て施工をおこなうことを「ハイブリッドコーティング」呼んでいることがあるようです。

このようなものは、無機系ベースコートの上に、有機系トップコートを施すというような、古くからある方法であり、わざわざ「ハイブリッド」と呼ぶ必要もなく、異なった性質・物性のコーティングを2回に分けて塗り重ねているものののようです。

これはハイブリッドコーティングでしょうか?
記号説明
Si:ケイ素、O:酸素
COOH:カルボキシル基、OH:水酸基、有:各種有機物
↑上図をクリックすると拡大表示されます。


 

これがハイブリッドコーティングです!


他社さんのことはさておきまして、THエンゼルの「ハイブリッドコーティング」は、このようなものとは、まったく違うものです。

簡単に申し上げますと、硬化するガラスコーティングでありながら、単体(1液)で、無機と有機の両方の性質を持たせたものとなっております。

一回のコーティング施工による、一層での無機と有機の性質を兼ね備えるコーティングを、弊社では「ハイブリッドコーティング」と呼んでおります。

単体(1液)の中で、無機有機ハイブリッド化ができると何が良いのでしょうか?

第一には「施工が一回で済む」ということでしょう。簡単に、美しく施工できることは大事なことです。もちろんそういう特徴があります。

しかし、簡単に施工できても、耐久性が劣ったり汚れが着きやすかったりしては、特に硬化型のアンダーコートとしての役割としては、・・・なわけです。

弊社の無機有機ハイブリッドコーティング(ガラスコーティング)は、施工のしやすさだけではなく、耐久力や防汚力を両立させることを追求したものとなっております。

その仕組みをご案内いたします。

これが無機有機ハイブリッドコーティングです!
記号説明
Si:ケイ素、O:酸素、Y:各種官能基、RO:各種官能基
COOH:カルボキシル基、OH:水酸基、有:各種有機物
↑上図をクリックすると拡大表示されます。

いかがでしょうか。

無機有機ハイブリッド構造のガラスコーティングは、ひとつのコーティング層の中に、強いガラス硬化被膜の中に、防汚力と密着力を内在することができます。

これによって、Si-Oガラス無機骨格を基本構造とし、厄介なウォータースポットが固着しにくい有機官能基による防汚力の高い表面と、塗装と密着する有機官能基による長期間にわたる耐久力を合わせ持つことができるのです。


(参考)
コーティング剤の選び方 ~トップコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/03/blog-post_31.html

ハイブリッドコーティング ~トップコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/06/blog-post.html

ハイブリッドコーティング ~ベースコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/05/blog-post_12.html

新しい無機有機ハイブリッドコーティング
http://coating.th-angel.com/2014/12/blog-post.html

新しいガラスコーティング剤について
http://coating.th-angel.com/2014/05/blog-post.html

ガラスコーティングの比較
http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html



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2014-12-05

新しい無機有機ハイブリッドコーティング

ガラスコーティングの基本的な成り立ちとして、大きく分類しますと下記の2種類があります。
 

  1. 無機コーティング
    代表例として、高分子タイプのポリシラザン:Perhydropolysilazaneを原料としたものがある。
  2. 無機有機ハイブリッドコーティング
    代表例として、オルガノポリシロキサン/ポリオルガノシロキサン:Polyorganosiloxanを原料としたものがある。
    古くは高分子タイプがあったが、現在は溶剤を必要としない低分子タイプの2種類がある。


 お客さまとさまざまな会話をする中で、無機や有機の構造的な話のほかに、特徴や機能性や用途の違いはどのようになっているのか?ということを問われることがあります。

以前、構造的なことについてまとめましたので、下記記事を合わせてご覧ください。

ガラスコーティングの比較http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html


無機ガラスコーティングとは

<無機ガラスは、単純な二酸化ケイ素(SiO2)化合物を意味することが多い>
  • 高分子化合物である
    クロロシランを出発原料とし、脱アンモニア架橋により非晶質(アモルファス=結晶構造を持たない)ガラス被膜を形成する高分子化合物である。

    無機ガラス被膜を形成するガラスコーティングの例としてポリシラザン:Perhydropolysilazane)を原料としたものがある。

    無機ポリシラザンを改良した無機・有機ハイブリッド化は、技術的には可能であるが、反応性が急激であるなどの理由から、実用的な意味で無機・有機ハイブリッド化を目指すものは事実上見当たらない。

    (無機有機ポリシラザン/オルガノポリシラザン:Organopolysilazanes)
  • 有機物(塗装など)への密着性が劣る
    単純な無機ガラス被膜を形成するこのタイプは、元来おもに半導体製造においてシリコンウェハ(無機物)への一時的な表面改質剤として使用されているものを、車塗装用コーティング剤として二十年以上前に流用したものである。

    無機ガラス被膜は本来の用途である無機物への密着性は高いが、塗装などの有機物への密着性が不十分であることから耐久性(密着性)に劣る欠点がある。
  • 有害な有機溶剤が不可欠である
    高分子化合物であるため、ガラスコーティング剤として使用するには、大量のキシレン・トルエン・ターベンなどの芳香族有機溶剤(通称シンナー)に溶かし込んで使用する必要がある。

    このためガラス化成分量がごくわずかであり膜厚が極端に薄くなる。

    使用する芳香族有機溶剤:シンナーは、塗装を溶解し塗装に悪影響を及ぼす恐れや、人体および地球環境に対しても毒性・有害性がある。
  • 施工性や機能性に劣る
    → 品質の維持・コストダウンが困難である。
  1. 硬化時の脱アンモニア反応が急激に進行し、硬化反応を制御できないため施工性が悪い。
  2. 被膜硬度や柔軟性を制御できないため、膜厚が極端に薄くなり耐久性・耐傷性が劣る。
  3. 被膜が単純な分子構造であるため、撥水や防汚など機能性を付与することができない。
  4. 単純な無機物被膜であるため、シリカスケール(無機物汚れ)などのウォータースポットが固着しやすく除去が困難になりやすい。
  5. 塗装など有機物への密着性を高めるためには、下地処理としてシリコーンカップリング剤によってコーティングを行う必要がある。
  6. 撥水性を付与したり、無機汚れ(ウォータースポット)固着を抑制する機能を付与するためには、無機・有機ハイブリッドによるトップコートを行う必要がある。
  7. 上記のように反応が急激で作業難易度が高いこと、下地処理→無機ガラスコーティング→トップコートと、多層化による作業が複雑であることから、作業失敗リスクが高く、高品質を維持することが難しく、作業コストアップにつながる。
(参考)
無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
http://coating.th-angel.com/2015/02/blog-post_22.html


 

無機有機ハイブリッドコーティングとは

<無機有機ハイブリッドガラスは、二酸化ケイ素(SiO2)と有機官能基を結合(クロスカップリング)した化合物の総称>
  • 高分子タイプと低分子タイプがある
    クロロシランを出発原料とし、脱アルコール架橋により非晶質(アモルファス=結晶構造を持たない)ガラス被膜を形成する高分子化合物がある。

    最近になって保存性や安定性を高め、多官能性(多機能性)を付与することができる低分子タイプ(低分子シラン)が実用化されている。低分子タイプはガラスコーティング剤として、溶剤を一切添加しない高濃度ガラス化成分を含有する無溶剤化ができる。

    特に低分子シラン原料は、日本独自※の研究開発などにより、日本の世界的なシェアが高い。

    ※.低分子シランの基本技術であるクロスカップリング分野では、根岸英一(米パデュー大 特別教授)、鈴木章 (北海道大学 名誉教授)による2010年ノーベル化学賞のように、日本が伝統的に強い分野となっている。
  • 有機物(塗装)への密着性が高い
    無機ガラス(SiO2)基本骨格と、有機官能基による無機・有機ハイブリッド構造であるため、一液のみで塗装への密着性を高め、結合密度の高いガラス被膜を形成できる。
  • 機能性・耐久性・作業性を高めることができる
    無機・有機ハイブリッド構造であり、有機官能基の配向を制御することができるため、上記のような有機物(塗装)への密着性を高めたり、ガラスコーティング表面の撥水性や防汚性などを付与することができる。

    同時に反応性・硬度や柔軟性を制御することができるため、硬化時間・作業時間の最適化、膜厚や被膜硬度や柔軟性の最適化ができるため、作業性や被膜耐久性を向上させることができる。
  • 溶剤を一切使用しない無溶剤化ができる
    旧来からある高分子タイプの無機有機ハイブリッドガラスコーティングは、ガラスコーティング剤として芳香族の有機溶剤に溶解して使用する必要があった。

    これに対して新しい低分子タイプは、溶剤を一切使用せずに高品質のガラスコーティング剤を提供することができる。

    溶剤化によって、リッチ(厚膜化・高光沢・高耐久)なガラスコーティングができるだけでなく、塗装や人体・地球環境に対して安全でかつ、容易な作業にて行うことができるようになり、施工コストダウンと機能や性能向上ができるようになる。

    低分子タイプは、無溶剤だけでなく、アルコール系溶剤を使用することができるため、安全性や環境性を保ったままで液剤コストダウンやレベリング性向上が可能である。
  • 施工性や機能性が高まる
    → 高品質・低コスト化ができる。
  1. 脱アルコール・脱水反応による硬化であるため、硬化速度がマイルドであり添加剤によって硬化時間を制御できるため施工性が高い。
  2. ・被膜の硬度や柔軟性を制御でき、膜厚が最適化できるため耐傷性を向上することができる。このため硬いだけではなく、粘り気も兼ね備えた強靭な被膜を形成できる。
  3. 表面に有機官能基を配向することにより、シリカスケール(無機物汚れ)などのウォータースポットが固着を遅らせることができ、早めの除去により無機汚れの定着を防ぐことができる。
  4. 塗装など有機物との密着を高める有機官能基と、強くて劣化しにくい無機ガラス骨格によって、撥水性や防汚性を高める有機官能基のハイブリッド構造であるため、一液で万能性の高い高品質な被膜が簡単にできる。
  5. 液剤価格の適正化や施工性を高めることにより、総合的なコストダウンと作業の高品質化が両立可能となる。

 

弊社では、無機有機ハイブリッドコーティングの中でも、新しい低分子タイプを中心に開発製造をおこなっております。カーディテイリング事業者さまや、コーティング剤の卸売・小売事業者さまはお気軽にご相談ください。

ガラスコーティング剤は、下記の理由により一般のお客さまには販売しておりません。大変申し訳ありませんがご理解いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

ガラスコーティング剤の一般販売についてhttp://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_27.html


(参考)
コーティング剤の選び方 ~トップコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/03/blog-post_31.html

ハイブリッドコーティング ~トップコートとして~http://coating.th-angel.com/2015/06/blog-post.html

ハイブリッドコーティング ~ベースコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/05/blog-post_12.html

新しい無機有機ハイブリッドコーティング
http://coating.th-angel.com/2014/12/blog-post.html

新しいガラスコーティング剤について
http://coating.th-angel.com/2014/05/blog-post.html

ガラスコーティングの比較
http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html




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2014-05-01

新しいガラスコーティング剤について

このところ、無機ガラスコーティングと塗装の密着について記事をアップしているためか、 

THエンゼルさんの「新しい低分子シランガラスコーティング剤の密着性はどうなの?」

というお問い合わせをいただいております。

(参考)
無機ガラスコーティングの耐久性 ~表面改質~
無機コーティングが密着する理由 ~アクアミカの場合~

コーティング剤は、常に自然の物理的化学的現象にしたがって被膜をつくり、被コーティング物=塗装に対して密着します。

各種ガラスコーティング剤が塗装表面に密着する仕組みをおさらいしながら、各種コーティング剤を検証してみます。

結論から申し上げますと、塗装表面(有機物)と、コーティング剤(弊社低分子シラン、パーヒドロポリシラザン、オルガノポリシロキサン)の密着性は下記のような整理となります。 

今回記事は、気合を入れて図も作成しましたので最後までおつきあいください(笑)。

いつものように結論から書きます。


機械的結合
低分子コーティングのほうが、高分子コーティングよりも投錨効果が高いと考えられます。
  • 低分子コーティング<強結合>
  • 高分子コーティング<弱結合>
    ※.ポリシラザン、オルガノポリシロキサンなど
化学的結合 
無機有機ハイブリッドコーティング剤のほうが、無機コーティング剤よりも、塗装表面との化学結合の密度が高いと考えられます。
  • 無機有機ハイブリッドコーティング剤<強結合>
  • 無機コーティング剤<弱結合>
このように、低分子でありかつ、無機有機ハイブリッドであるガラスコーティング剤の密着性が高い理由をくわしく見ていきたいと思います。
(参考)
ガラスコーティング種類と特質 ~特性・機能比較~ポリシラザンについて ~ガラスコーティング剤として~



コーティング剤が密着する仕組み


物質同士が密着(接着)する仕組みの代表的なものとして、「機械的結合」「化学的結合」「物理的結合」の三つの項目が挙げられます。
各項目ごとの塗装表面とコーティング剤が結合する仕組みは、下記のように考えられます。

1.機械的結合

塗装表面の微細な凹凸に液状コーティング剤が入り込み、コーティング剤が固まることによって結合=密着することです。

●低分子コーティング剤の機械的結合
~新しい低分子シラン~
低分子イメージ
図1.低分子イメージ

【図1.低分子イメージ 参照】 

弊社の低分子シランは、ガラス(Si-O結合)化成分の基本単位が低分子=分子量が小さいため、溶剤を全く添加しない状態でもさらさらとした粘度の低い液体です。



図2.低分子コーティングの機械的結合 参照】 

このため、固体化する前のガラス(Si-O結合)化成分の基本単位サイズが小さく、塗装表面の微細な凹凸にも入り込み、錨(いかり)を打ち込んだような「投錨効果=アンカー効果」結合を得ることで、塗装と低分子ガラスコーティングが強固に結合=密着します。


低分子コーティングの機械的結合
図2.低分子コーティングの機械的結合図


●高分子コーティング剤の機械的結合
~従来のポリシラザン、オルガノポリシロキサン~
高分子イメージ
図3.高分子イメージ

図3.高分子イメージ 参照
 
従来型の無機コーティングであるパーヒドロポリシラザンや、従来型の無機有機ハイブッリッドコーティングであるオルガノポリシロキサンは、ガラス(Si-O結合)化成分の基本単位が高分子=分子量が大きいため、高粘度でべたべたの液体です。 

【図4.高分子コーティングの機械的結合 参照

べたべたのままではガラスコーティング剤としては使用できないため、有機溶剤で希釈し「一見さらさらに近い液体」にします。

有機溶剤で希釈してもガラス化する基本単位は大きいままですから、高分子であるガラス(Si-O結合)化成分は、塗装表面の微細な凹凸には入り込めない場合があります。

このため、錨(いかり)を打ち込んだような「投錨効果=アンカー効果」が得られにくくなり、塗装と高分子ガラスコーティングの結合=密着が弱くなります。


高分子コーティングの機械的結合
図4.高分子コーティングの機械的結合




2.化学的結合(一次結合・原子間力)
塗装表面とコーティング剤との間で、原子間の化学結合(共有結合、イオン結合、金属結合など)することです。
有機無機ハイブリッドコーティングである弊社の低分子シランおよび、オルガノポリシロキサンと、無機コーティングであるポリシラザンとでは、有機物である塗装表面との結合=密着の仕組みが異なります。

●有機無機ハイブリッドコーティング剤の化学的結合
~低分子シランやオルガノポリシロキサン~

図5.無機有機ハイブリッドコーティングと塗装の結合 参照】 

有機無機ハイブリッドコーティングは、無機(ガラス状:Si-O構造)基本骨格に強固に連結した官能基※を、骨格の外側に配向している化合物です。

※.無機物や有機物と反応性をもつ原子団:アルコキシ基、メチル基、エポキシ基、フェニル基など

この各種官能基は、塗装や樹脂などの有機物と反応し、化学結合(赤〇部分)することにより、強い密着を得ることができます
図5.無機有機ハイブリッドコーティングと塗装の結合
記号説明
Si:ケイ素、O:酸素、Y:各種官能基、RO:各種官能基
COOH:カルボキシル基、OH:水酸基、有:各種有機物

●無機コーティング剤の化学的結合
~パーヒドロポリシラザンなど~

図6.無機コーティングと塗装の結合 参照

無機コーティングとは、基本的に無機(ガラス状:Si-O構造)の基本骨格のみをもち単純な化合物であるため、塗装や樹脂(プラスチック)などの有機物と反応することができません。

酸素(O)と有機物(有)は結合せず(青×部分)に、有機物表面にわずかにある水酸基(OH)やカルボキシル基(COOH)などと化学結合しますが、低密度であるため弱い結合となり、弱い密着しか得られません
無機コーティングと塗装の結合
図6.無機コーティングと塗装の結合
記号説明
Si:ケイ素、O:酸素
COOH:カルボキシル基、OH:水酸基、有:各種有機物

 3.物理的結合(二次結合・分子間力)
塗装表面とコーティング剤との間で、分子間の引き合う力(水素結合、ファン・デル・ワールス力)が働くことです。物理的結合力(分子間力)は、上記の化学的結合力(原子間力)に比較して非常に小さい(弱い)ので今回は割愛します。



無機コーティング剤と有機物(塗装)の密着性を高めるには

本来、無機物と有機物は反応しないため、そのままでは化学結合が弱く、密着力向上に寄与することはほとんどありません。

図7.無機-有機表面改質コーティング+無機コーティング 参照

無機コーティング剤と、塗装やプラスチック樹脂のような有機物をくっつけるには、「有機物表面を無機物に変化させる無機-有機表面改質剤」を先にコーティングする必要があります。

その上から、無機コーティング剤を(2階建て)施工することにより密着させることが可能になります。その仕組みは下図のようになります。この2階建て施工は、上記「図5.無機有機ハイブリッドコーティングと塗装の結合」とよく似ていることがわかります。
無機-有機表面改質コーティングと無機コーティング
図7.無機-有機表面改質コーティング+無機コーティング
記号説明
Si:ケイ素、O:酸素
COOH:カルボキシル基、OH:水酸基、有:各種有機物

【図8.無機物と無機コーティングの結合 参照】

参考として、無機物(半導体シリコンや金属など)に対して行われる無機コーティングの例として、半導体シリコン=純度の高い単結晶シリカ(Si)との反応(強結合する)を下図に示します。

このように、ポリシラザンなどの無機コーティング剤と無機物との密着性は、当たり前のことですが、強い密着を得ることができます。
図8.無機物と無機コーティングの結合
 記号説明
Si:ケイ素、O:酸素、OH:水酸基

そうですね。お気づきのように無機コーティング剤を塗装などの有機物と密着させる表面改質コーティング剤により2度にわたりコーティングするということは、無機有機ハイブリッドコーティングと似たようなことをしていることになります。


(まとめ)新しい無機有機ハイブリッドコーティング剤とは

無機有機ハイブリッド化とは、無機コーティング剤と表面改質コーティング剤を組み合わせた機能を包含する進化形なのです

従来の無機コーティング剤および、無機有機コーティング剤は高分子タイプでしたが、低分子化することで機械的結合を強化させることができ、更なるガラスコーティング剤として進化を遂げることができました。

(参考)
ハイブリッドコーティング ~新しい無機有機タイプ~


無機有機ハイブリッドガラスコーティングは、無機ガラスコーティングと比較して「無機物汚れ(ウォータースポット・イオンデポジット)の固着しにくい特徴があります」。
この理由については別の機会にお話させていただきます。


(参考)
コーティング剤の選び方 ~トップコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/03/blog-post_31.html

ハイブリッドコーティング ~トップコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/06/blog-post.html

ハイブリッドコーティング ~ベースコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/05/blog-post_12.html

新しい無機有機ハイブリッドコーティング
http://coating.th-angel.com/2014/12/blog-post.html

新しいガラスコーティング剤について
http://coating.th-angel.com/2014/05/blog-post.html

ガラスコーティングの比較
http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html


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2013-09-23

5.シリコーンっていったい何

これまでくだくだしく、珪石→金属ケイ素(金属シリコン)→シリコーンといった成り立ちについて述べてきました。
要するにシリコーンは、「ケイ素(Si)と酸素(O)がシロキサン結合した重合体」であると言うことです。

まずは「シロキサン(Siloxane)」についてお話しいたします。「シロキ酸」ではありませんのでご注意ください(笑)。

シロキサンは、ケイ素原子と酸素原子が交互に連結した分子の集合:重合体(-Si-O-Si-)のことです。実はこのシロキサン結合は、身近にあるガラス(SiO2)と同様構造の化合物なのです。

なーんだ、ガラスと同じものなの?それじゃ無機物じゃん!
でもでも、シリコーンは最初にゴム状・オイル状や樹脂状のもの、ってことだったけどガラスとはだいぶ違う
んじゃないの?それとも、元の珪石(SiO2+不純物)に戻っちゃったの!って、思われたんじゃないでしょうか?

それじゃ意味がないですよね。
結論はそうじゃなくて、珪石から金属ケイ素(金属シリコン)を取り出して、人工的にケイ素を中心とした化合物を再構築することで、自然界には存在しない新しい物質を作り出したものなのです。

それは、シリコーンのシロキサン結合が(-Si-O-Si-、無機物)だけではない。すなわちケイ素は酸素とつながっている「主鎖:主骨格」だけではなく、ケイ素が酸素とは別の「有機官能基(有機性の置換基)」がつながった「側鎖」を持った構造をしている。
という「ハイブリッド的な物質」、それがシリコーンなのです。

つまりシリコーンとは、「主鎖が無機物」であり「側鎖が有機物」という複合的な構造を持っていて、この構造をどのように組み立てるのかによってできあがる物の性質が決まるという訳です。
いかがですか面白いハイブリットでしょ。


そのようにしてできた無機と有機ハイブリッドな合成物は、どのような物性上の特徴を有するのでしょうか?

●主鎖が無機物である特徴
主鎖がSiO2:ガラスに似通ったものであることを思い出してください。ガラスって高熱・低温に強く、酸やアルカリ、さまざな薬物に強く、紫外線や電磁波による劣化や酸化、分解も少なく、電気的に絶縁性があるでしょう。シリコーンの主鎖もこのガラスの特徴を持っているのです。
無機物であるガラス(ケイ素-酸素-ケイ素結合)は、有機物(炭素-炭素間結合)よりも結合力が強く(結合が切れにくい)ため、化学的に安定で、酸化・分解されにくいという特徴があります。

●側鎖が有機物である特徴

側鎖である有機官能基の種類変えたり、複数種類の有機基を組み合わせたりすることで、さまざまな性質を持たせることができます。
例えばメチル基による撥水性・離型性(水をはじめとした他の物質がくっつきにくい)を待たせたり、フェニル基による低温で固まりにくくしたり、その他の有機官能基を組み合わせることで接着性や粘着性を持たせたり・・・、さまざまな用途に向けての機能性を実現できる特徴があります。

●組み合わせによる特徴

主鎖と側鎖それぞれの特徴に加えて、主鎖のつながり具合や主鎖と側鎖のつながり具合、側鎖上の有機官能基の種類を選ぶことによって、液状にしたり・ゴム状にしたり・硬い固形にしたり・くっつきやすくしたり・くっつきにくくしたりなど、変幻自在というのは大げさかもしれませんが、大変多くの用途に適合させることができます。

シリコーンは、これまでにない(自然界には存在しない)新たな機能性と性能を備えた、化合物を合成することができるます。
【シリコーンの用途例】(シリコーン工業会のホームページ参照)
http://www.siaj.jp/ja/application/index.html

このように非常に多くの用途への応用が可能です。その理由はこれまで述べてきたように主鎖と側鎖それぞれの構造に加えて、主鎖と側鎖の組み合わせ方によるものなのですが、もう少し具体的な仕組みについて見ていきたいと思います。

シリコーンレジンコーティングについて
1.シリコーンレジンって何ですか?
2.シリコーン?シリコンではないの
3.シリコンは石ころから、そして・・・
4.シリコンからシリコーンへ
5.シリコーンっていったい何
6.シリコーンの仕組み
7.シリコーンをコーティングに
8.コーティングはみな同じ?
9.シリコーンレジンコーティングとは
(参考) ガラスコーティングを補うコーティング剤 ~メンテナンス剤として~



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