2013-09-23

6.シリコーンの仕組み

ケイ素を中心とした骨格構造となる主鎖と側鎖の組み方により、シリコーンの多様性や高機能性が実現できるわけですが、それはいったいどのような仕組みによるものなのでしょうか?

そのわけは、お気づきの通りシリコーンの主骨格であるシロキサン結合の組み方によるものであり、具体的には、ケイ素原子(Si)が持つ「手」が4本あることにあります。

ケイ素などにある「原子の手」というのは、原子が他の原子と連結する際に「手を結び合う」イメージに似ていることから使われている通称です。この原子の手とは、正式には高校化学で教わった「原子価」のことです。

ケイ素原子(Si)は、酸素原子(O)を介して、繰り返しどんどん連結していきます。これがシロキサン結合の基本なのです。ケイ素原子は、下記のイメージのように4本の連結先(R1R4※)を持ちます。

※.R1R4は、炭素や水素・その他の元素が結合した原子団を表します。 

ケイ素原子の手



R4






R1
Si
R2






R3



ケイ素(Si)に対する酸素(O)および、有機官能基の組み合わせ(R1,R2,R3,R4)は、ユニット(分子単位)により下記の4つのタイプ(M,T,D,Q)があります。

  • Mユニット:酸素(O)×1、有機官能基(R*)×3(1官能性)
  • Dユニット:酸素(O)×2、有機官能基(R*)×2(2官能性)
  • Tユニット:酸素(O)×3、有機官能基(R*)×1(3官能性)
  • Qユニット:酸素(O)×4、有機官能基(R*)×0(4官能性)

シリコーンは、これらユニットの組み合わせ方により、オイルやゴム、レジンというようにさまざまな性状や物性ものを作ることができます。

(1)2次元的シロキサン骨格構造
酸素を介したケイ素同士が「直鎖状2次元的シロキサン骨格構造」の場合は、Mユニット・Dユニットから構成されているもので、性状は一般的に「オイル状」や、「ゴム状」となります。

(2)3次元的シロキサン骨格構造
酸素を介したケイ素同士が「網目状3次元的シロキサン結合」の場合は、Mユニット・Dユニット・Tユニットの3種類または、Mユニット・Dユニット・Tユニット・Qユニットの4種類で構成されているもので、性状は一般的に「レジン状」となります。

このように、シリコーンは骨格構造によってさまざまなタイプがあり、コーティングとして応用をする場合は、目標とする機能性・性能・コストや製造技術を考慮して開発し商品化をおこなう必要があります。
シリコーンレジンコーティングについて
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