2013-09-23

7.シリコーンをコーティングに

ここで改めて自動車コーティングに求められる機能性を整理してみたいと思います。

防汚:汚れがつきにくい、汚れを落としやすい
保護:酸やアルカリ・油などをバリアする
耐久:被膜の寿命が長い、被膜の劣化が少ない
美観:表面を平滑化し、光の乱反射を防ぐ
施工:誰でも簡単にコーティングでき失敗がない
安全:人体はもちろん、塗装やクルマ、環境への影響が小さく安全性が高い
長い歴史を持つ天然素材ワックスから現在のコーティングに至るまで、上記のような機能性の向上が連綿と求められています。

数あるコーティング剤開発は、このような機能性を少しでも向上させるべく
開発されたものであるわけです。
そのようなコーティング剤として、シリコーンはどのような意味をもつのでしょうか?
ひとつひとつ検証してみたいと思います。


シリコーンの特徴 (コーティング原料として)

防汚
  • 表面自由エネルギー(表面張力)が小さいため、汚れが接する表面積が分子レベルで小さくなる。
  • 塗装表面の細かなキズなどの凸凹の合間に入り込み、表面を滑らかにすることによって汚れの機械的接合を防ぐ。
保護
  • ガラスに近似した分子構造であるシロキサン結合した無機骨格(主鎖)により、酸やアルカリのみならず、各種化学物質による影響を受けにくい耐力を持つ被膜を形成する。
  • 有機官能基が、シリカやシリケートなどの無機物汚れ(スケールまたはウォータースポット無機汚れ)の固着を阻害する。
耐久
  • シロキサン結合による被膜は、炭素を主体とした有機物ポリマーよりも結合エネルギーが大きいため、被膜寿命の長期間持続性があり、熱や紫外線や酸化による劣化が少ない。
  • 塗装など(有機物)表面とは、複数種類の有機官能基による化学結合力や機械結合力により密着性が高まる。
  • 窓ガラス(無機物)表面とは、二酸化ケイ素主骨格(ガラス質)と窓ガラスがシロキサン結合(化学結合)により密着性が高まる。
美観
  • シロキサン結合したシリカ(ガラス)被膜と、塗装や窓ガラスとの化学結合や機械結合により、微細な凸凹を平滑化することで光の乱反射を和らげ、ソリッド(硬質)な光沢を与える。
施工
  • ガラス被膜として高硬度に硬化するものから、固形化しない粘着質(ベタベタしない)の被膜形成するものまで用途に応じた被膜をつくることができる。
  • 後者の固形化しないタイプは、塗布後のタイミングによらず、拭き上げによって美観を得ることができる。
安全
  • 化学的に安定かつ生理的にも不活性なので、人体はもちろん塗装を含めたクルマや地球環境に対して安全性が高い(調理器具や化粧品にも豊富に使用されている)。
  • 引火性(非危険物)がなく、イヤな臭いもない水性エマルジョンとして製品化が可能である。

いかがですか。

無機物と有機物の両方の性格を持ち、多様な構造からさまざまな機能性を発揮できるシリコーンは、コーティング剤としてとても魅力的ですね。


こんなにクルマのコーティング剤として「良いことずくめ」なのですから、シリコーンを使わない手は無い!ってことで、現在ではシリコーンを原料としたコーティングが市場に多く出回っています。

ところでシリコーンは、無機物と有機物のユニットの構成により、変幻自在ともいえるような性状や特質のものができるわけですが、コーティング剤としてはこれらをどのように活かしているのでしょうか?
シリコーンレジンコーティングについて
1.シリコーンレジンって何ですか?
2.シリコーン?シリコンではないの
3.シリコンは石ころから、そして・・・
4.シリコンからシリコーンへ
5.シリコーンっていったい何
6.シリコーンの仕組み
7.シリコーンをコーティングに
8.コーティングはみな同じ?
9.シリコーンレジンコーティングとは

(参考)ガラスコーティングを補うコーティング剤 ~メンテナンス剤として~

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