以前ちまたの現場施工できるガラスコーティングは、非晶質(結晶ではない=アモルファス)なので、モース硬度は5程度であり、モース硬度7はあり得ない。と記事をアップしました。
(参考)ガラスコーティング【モース硬度7】の不思議
(参考)ガラスコーティングは結晶なの?
(参考)ガラスコーティングにおけるクリスタル/クォーツやダイヤモンドの意味
これに対して ブログ読者の方から、「SiO2ではなく、SiO4無機ガラスコーティングは非常に硬いのである」というようなご意見をいただきました。
すみません、この話を聞いて笑ってしまいました。
「SiO4」とは、ケイ素(silica:[Si])原子の原子価(つなぎ手)が「4」であるために、すべてのつなぎ手に、酸素(oxygen:[O])が繋がっている二酸化ケイ素の基本的な原子構造を「SiO4四面体」のように文字表現したものですね。
(SiO4四面体である)ケイ素と酸素が結合したシリカガラス構造をモデル化して化学式(組成式)で表すと、以下のようになります。
- ケイ素原子につながる酸素原子は最大4
- 酸素原子につながるケイ素原子は最大2
仮に、ケイ素と酸素以外の原子が存在しない分子の塊があり、そのすべてのつなぎ手が規則通りにまんべんなく配列したSiO2は、結晶ガラス(これに近いもの:水晶、クォーツ、クリスタル、石英)となります。
実際にはこのような不純物が全くなく、完全に規則的に結合したもの=結晶ガラスを人工的に作ることは非常に困難ですし、常温にて現場施工するガラスコーティングにおいては、ガラスを結晶化することはできず、規則性が少なくランダム性の高い結合の非晶質ガラスとなります。
結晶、非晶質と一言で言いますが、実際には非常に多くの結合形態があります。結合の仕方で「硬いとか柔軟性がある」などのガラスの様々な性質が決まります。仮に「硬いガラス」と言うのなら、「SiO4四面体同士の結晶性結合構造」を示す必要があるのです。
何れにしましても、非晶質ガラス(モース硬度5程度)、結晶ガラス(モース硬度7程度)のどちらも、基本構造は「SiO4」ですし、化学式(組成式)は「SiO2」ですね。
笑ったりしてすみませんでした。
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