●撥水性とは
- 撥水とは、文字通り水をはじくことを意味します。
- 撥水と疎水は、水をはじくという意味では同じことです。
- 撥水は水をはじく現象や様子を表し、疎水は水となじみにくい性質を表します。
- つまり、水になじみ難い表面は疎水性を持った表面であり、疎水性表面は同時に水をはじく撥水性の表面でもあります。
- 車のコーティングの場合は、撥水と疎水を若干異なったニュアンスであることがあります。例としては、水がコロコロと球状になり非常に良くはじく場合は「撥水性」と呼び、水が球状ではなく少し広がったようにはじく場合は「疎水性」や「滑水性」と呼ぶようです。
●撥水の定義
- 撥水状態であることの定義としては、水の接触角により、車のコーティング業界では概ね下記のように言われているようです。
【水の接触角】
- 180~120°程度:超撥水
- 120~90°程度 :高撥水
- 90~40°程度 :低撥水、疎水、滑水など
- 40~1°程度 :親水
●撥水の仕組み
- 撥水の仕組みを大別するとふたつに分類されます。ひとつ目は水よりも表面の表面張力(表面自由エネルギー)のが小さいほどよく撥水します。
- フッ素は地球上の物質で最も電気陰性度が高いため、その化合物であるフッ素樹脂は表面張力が小さくなり、水はもちろんのこと、油をもはじくものもあります。
- 水の接触角150°以上の超撥水性や、120°を超える撥水性表面 は、植物のハスやイモの葉の表面にように、規則的に配列された細かな凹凸表面でないと実現できません。
- 水の接触角120°を超える撥水表面は、細かな凹凸が必要であるため、透明性の高い光沢のある表面では実現できていません。また、布などで凹凸表面を拭きますと、細かな凹凸が壊れて撥水性が落ちてしまいます。
表面張力(表面自由エネルギー)単位 [mN/m]
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水:73
油:25~30程度(石油・鉱油)
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S1.シリコーン樹脂:16~30程度
F1.フッ素樹脂1:18程度(PTFE、フライパンなど)
F2.フッ素樹脂2:10~25程度(フッ素樹脂+シリコーンコーティング)
F3.フッ素樹脂3:6(CF3、実験室レベルでの最小値)
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(参考)水の接触角はおよそ下記のようになります。
S1.シリコーン樹脂:110~90°
F1.フッ素樹脂1(PTFE):114°程度
F2.フッ素樹脂2(フッ素樹脂+シリコーンコーティング):>115°~100°
F3.フッ素樹脂3(CF3):120°
●撥水性コーティングの特徴と機能性
- 水に含まれた水溶性の汚れ物質は、撥水性をもつ表面でははじかれます。さらに、撥油性まで持つ表面は、油性の汚れ物質もはじく能力をもっています。
- 撥水性コーティングは、汚れにくく汚れが固着しにくい表面となります。
- 撥水性と撥油性を両立しているコーティングの表面は、更に汚れ難くいです。
- 撥水表面はコーティングの持続を確認することが容易です。
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