2015-06-21

カルナバワックスと鉱物油 (その2)

前回記事に続いて、自動車レシプロエンジンの潤滑油(エンジンオイル)と、車ボディコーティングの役割と特質を対比してみたいと思います。

なぜエンジンの潤滑油とワックスを含むコーティングを対比させるのでしょうか?

エンジンの高性能化や高効率化にともなって、エンジンオイルも進化しており、オイルの技術的な変化の様子と、ボディコーティングの技術的な変化が似ていると感じたからです。

 

鉱物油エンジンオイルとカルナバワックスを対比

鉱物油エンジンオイルとカルナバロウワックスは天然物由来であり、下記のような点で似たような傾向があります。
・古くからあり製造しやすい。
・手軽に使いやすい。
・品質にバラツキが大きい。
・熱や紫外線に弱く、酸化・劣化しやすい。
・保護性能は新しい化学合成方式と比べて低い。
裏話的になりますが、天然由来原料であるため、希少価値のある原料を使っているので価格が高いのであるとか、希少原料を高濃度配合しているので、他のものより高性能かつ高機能で優れた商品であるかのように宣伝している商品があるようですね。

面白いことに、鉱物油エンジンオイルや、カルナバロウワックスのどちらにもそのような希少価値を全面に出した商品があるようです。

確かに希少価値はあるかもしれませんが、基本的な性質はなんら変わりがないことに注意が必要だと思います。

そのようなことを含めて、鉱物油エンジンオイルとカルナバロウワックスの基本的な特質を下記のようにまとめてみました。

 

鉱物油エンジンオイル

鉱物油オイルは最も古くからあり、埋蔵原油から比較的簡単な方法で精製される油が原料となっています。原油は地下に溜まっている昔の動物(恐竜?)の死骸が基になっているとか、地球深部から染み出してくる炭化水素物質が基になっているとか諸説あるようです。

鉱物油をベースとしたオイルの分子サイズはバラツキがあるため流動性が低くく、原子間および分子間結合力も比較的弱いため酸化や劣化しやすく、高温度になるほど粘度変化が大きくなりやすいため、高負荷の高出力エンジンへの使用には向きません。

不純物が多く残存しており、潤滑性能の品質にばらつきが大きい傾向があります。

 

カルナバロウワックス

ワックスの原料は、植物由来のロウや、蜜蜂が住む巣から採れるミツロウを原料としています。カーワックスはカルナバ(カルナウバ)と呼ばれるヤシの葉っぱから採取されるロウ(カルナバロウまたはカルナウバロウ)をベースにしたものが多いようです。

比較的高級とされるカルナバロウワックスといっても、カルナバロウは高分子なので純度が高い場合は樹脂状に固まってしまって、そのまま純度が高い状態では塗り込み作業などに使うことができません。

このため、常温での塗り込み作業ができるように、カルナバロウに石油系溶剤・植物油やシリコーンオイルを加えることで、製品によって半固形~液体といったさまざな性状に調整してあります。

天然由来のロウ原料は産地や製造方法によって、品質のバラツキが大きく価格が異なります。

いずれにしても、ロウは原子間および分子間結合力も比較的弱いため、お湯に触れただけでも溶けたりするように、熱によって分解されやすく、紫外線や酸性雨への耐力はもちろんですが、空気中の酸素と反応して簡単に酸化劣化してしまいます。

カルナバロウやミツロウなどの古来からある原料を基にして、簡単に作れるワックスであるため、ロウ独特の艶だし剤としては現在でも残っていますが、保護剤としては酸化や劣化が早いためあまり効果が望めない傾向があります。



今回は、古くからある天然由来の鉱物油やカルナバロウを主原料とした、エンジンオイルとワックスを対比させました。

次回は、エンジンとともに最新技術を応用し今も進化を続けている、化学合成油やシリコーンレジンを主原料としたオイルとコーティングを対比させたいと思います。



(参考)

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