先日、疎水性の表面改質剤ついて、同業者さんと会話いたしました。
話題になったのは、「疎水」および、「疎水性」についてです。
その中で、いまだに「疎水性」とは「親水性」のような水をはじかない状態という、説明や宣伝をしている業者さんがおられるということです。
結論から言いますと、疎水性物質の表面は、水をはじく「撥水性」となります。
疎水性とは、親水性(水をはじかない)の逆の状態です。
ご存じのとおり、日本語として「疎」は、「うとい、親しくない」という意味です。
つまり「疎水」とは、「水をうとい、水と親しくない」ことです。
「疎水」とは、水を相いれないこと、水をはじくことを表します。
「疎水性」とは、水に対する親和性が低い、すなわち水に溶解しにくい、あるいは水と混ざりにくい物質の性質のことです。
ですから、疎水性物質の表面は、水が付着した際の現象として撥水性となります。
英語でも同じです。
疎水性は、英語でhydrophobicです。
hydrophobic(疎水性)の反対語(対義語)は、hydrophilic(親水性)です。
hydrophobic:
水になじみにくいこと。すなわち疎水性のことであり、現象として水をはじくwater repellent:撥水性となります。
hydrophilic:
水になじみやすいこと。すなわち親水性のことです。水をはじきません。
参考:両親媒性:amphiphilic
物質の中には親水性と疎水性の両方の性質を持つものがあります。
このような物質は、「両親媒性物質」呼ばれます。両親媒性物質の表面に水が付着した際は、弱い撥水(低撥水)になることが多いです。
このような「弱い撥水性」のことを、狭い意味として「疎水性」と言っている向きがあるようです。
これはあくまでも,水をはじく性質であり、状態として撥水のします。疎水性は親水性ではありません。
余談:農業用水路としての疎水
昔から、農業用水路のことを「疎水(そすい)・疏水(そすい)」と呼ぶことがあります。
このような、用水路(疎水)の流れから連想して、何かしら混乱していることがあるのかもしれません。
もしかすると、「親水公園」みたいな、水と親しむ公園のように、用水路に対しても水への親近感みたいなイメージを持つのかもしれません。
この場合も、言うまでもなく「疎水」と「親水」は、別のことですが。
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