2014-04-18

無溶剤ガラスコーティング剤の引火性と臭い

弊社の低分子シランによる無溶剤ガラスコーティング剤をお試しいただいたお客さまのうち、十件のうち一件程度、下記のようなご質問をいただくことがあります。

「溶剤を使用していないコーティング剤
(無溶剤コーティング剤)なのに、引火性だし揮発性のニオイがあるのはナゼですか?」

結論から申し上げますと、低分子シランのガラス化する成分そのものから揮発した気体にニオイがあり、その気体は燃えるからです。溶剤は一切添加しておりません。

その理由は下記の通りです。



無溶剤ガラスコーティング剤が燃える理由

低分子シランを主原料とする「無溶剤ガラスコーティング剤」は、ガラスの原料物質ケイ素(Si)が主成分となります。

ケイ素はご存知のように原子価は「4」です。
つまりケイ素原子は、他の元素が手をつなぐことができる本数が4本あるものです。

ガラスコーティング剤である液体の低分子シランは、4つある手のつなぎ先が「ケイ素(Si)と官能基(R:機能性をもつ原子団)あるいは水素(H)や酸素(O)」となっています。

液体の低分子シランが空気に触れますと、液体としてつなぎ止めることができないケイ素の手のつなぎ先が、空気中の酸素(O)や水素(H)などと結合して、ケイ素を含んだ水素ガスを発生(揮発)させます。

このようにして、ガス化した低分子シランは、ケイ素を中心に水素や酸素と結合しておりますので、炎に近づけますと気化したケイ素水素ガスが引火します。


このガスはケイ素を含んでいますので、燃焼後は空気中の酸素と結合して白いガラス質成分の燃えカスが残存します。※危険なので燃焼実験はしないでください。

このように、液体の低分子シランが空気に触れますと、空気中の酸素や水素と結合しながら引火性のガス(アルコール)が発生し、炎を近づけると燃えるのです。



無溶剤ガラスコーティング剤が臭う理由

低分子シランが気化したガスは確かにニオイがあります。

低分子シランは上記のとおり、「ケイ素(Si)と官能基(R:機能性をもつ原子団)」の構造により、水素や酸素と結合しつつ気化したガスは、うっすらと日本酒のような、エステル臭やアルコール臭などと呼ばれるような臭いがあります。

このニオイは、炭素(C)を中心とする物質である石油系有機溶剤(シンナー:キシレンやトルエン、ターベンなどのミネラルスピリット、有害物質)とは異なる種類の臭いです。



無溶剤化できる理由

ズバリ、低分子化合物だから無溶剤化ができます。


従来の高分子ポリマー化合物を原料とする以下のようなガラスコーティング剤は、石油系有機溶剤と混合する必要があります。

石油系有機溶剤と混合する代表的なガラスコーティング剤原料

  1. ポリシラザン
    パーヒドロポリシラザン・ペルヒドロポリシラザンについてはこちらをご覧ください。→ポリシラザンについて ~ガラスコーティング剤として~
  2. オルガノポリシロキサン
    無溶剤化した高分子オルガノポリシロキサンについてはこちらをご覧ください。→オルガノポリシロキサンとは ~ガラスコーティング剤として~



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      2014-04-14

      無溶剤ガラスコーティングとは?

      弊社の低分子シランによる無溶剤ガラスコーティング剤をお試しいただいたお客さまのうち、十件のうち一件程度、下記のようなご質問をいただくことがあります。

      「溶剤を使用していないコーティング剤
      (無溶剤コーティング剤)なのに、引火性だし揮発性のニオイがあるのはナゼですか?」

      結論から申し上げますと、低分子シランのガラス化する成分そのものから揮発した気体にニオイがあり、その気体は燃えるからです。溶剤は一切添加しておりません。

      その理由は下記の通りです。



      無溶剤ガラスコーティング剤が燃える理由

      低分子シランを主原料とする「無溶剤ガラスコーティング剤」は、ガラスの原料物質ケイ素(Si)が主成分となります。

      ケイ素はご存知のように原子価は「4」です。
      つまりケイ素原子は、他の元素が手をつなぐことができる本数が4本あるものです。

      ガラスコーティング剤である液体の低分子シランは、4つある手のつなぎ先が「ケイ素(Si)と官能基(R:機能性をもつ原子団)あるいは水素(H)や酸素(O)」となっています。

      液体の低分子シランが空気に触れますと、液体としてつなぎ止めることができないケイ素の手のつなぎ先が、空気中の酸素(O)や水素(H)などと結合して、ケイ素を含んだ水素ガスを発生(揮発)させます。

      このようにして、ガス化した低分子シランは、ケイ素を中心に水素や酸素と結合しておりますので、炎に近づけますと気化したケイ素水素ガスが引火します。


      このガスはケイ素を含んでいますので、燃焼後は空気中の酸素と結合して白いガラス質成分の燃えカスが残存します。※危険なので燃焼実験はしないでください。

      このように、液体の低分子シランが空気に触れますと、空気中の酸素や水素と結合しながら引火性のガスが発生し、炎を近づけると燃えるのです。



      無溶剤ガラスコーティング剤が臭う理由

      低分子シランが気化したガスは確かにニオイがあります。

      低分子シランは上記のとおり、「ケイ素(Si)と官能基(R:機能性をもつ原子団)」の構造により、水素や酸素と結合しつつ気化したガスは、うっすらと日本酒のような、エステル臭やアルコール臭などと呼ばれるような臭いがあります。

      このニオイは、炭素(C)を中心とする物質である石油系有機溶剤(シンナー:キシレンやトルエン、ターベンなどのミネラルスピリット、有害物質)とは異なる種類の臭いです。



      無溶剤化できる理由

      ズバリ、低分子化合物だから無溶剤化ができます。


      従来の高分子ポリマー化合物を原料とする以下のようなガラスコーティング剤は、石油系有機溶剤と混合する必要があります。

      石油系有機溶剤と混合する代表的なガラスコーティング剤原料

      1. ポリシラザン
        パーヒドロポリシラザン・ペルヒドロポリシラザンについてはこちらをご覧ください。→ポリシラザンについて ~ガラスコーティング剤として~
      2. オルガノポリシロキサン
        無溶剤化した高分子オルガノポリシロキサンについてはこちらをご覧ください。→オルガノポリシロキサンとは ~ガラスコーティング剤として~



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          2014-04-13

          ポリシラザンの耐久性 ~表面改質~

          ちょっとショッキングな話です。

          コーティング業界の一部では「無機質の最強バリア」みたいな文句が、何とかの一つ覚えのように宣伝されています。
           

          いつものように結論から言います。

          ポリシラザンなど無機ガラスコーティングは、塗装のような有機物に直接コーティング施工をした場合、密着力(耐久性)が弱いためコーティング被膜として残存できる時間が短いのです。

           

          その弱さは、無機ガラスコーティングが塗装表面に密着するメカニズムによるものです。


          無機ガラスコーティングの密着メカニズム

          ポリシラザンなどの無機ガラスコーティングは、ガラスコーティングの主成分であるケイ素(Si)が、塗装表面の水酸基(-OH)やカルボキシル基(-COOH)の酸素(O)とSi-O結合することで、塗装に密着するという説明がなされています。

          この説明は、金属やシリコンウェハ表面などの無機基材表面の場合に無機ガラスコーティングをおこなう説明としては納得できます。

          なぜならば、新鮮で汚染されていない無機物である金属や半導体原料のシリコンウェハような表面には、水酸基(-OH)やカルボキシル基(-COOH)が高密度に表出しているからです。


          このような無機表面に対して、ペルヒドロポリシラザン(パーヒドロポリシラザン)のような単純な無機分子構造のケイ素(Si)は、水酸基(-OH)の酸素(O)と結合する密度が高くなり、この結果、ガラスコーティングとしての密着力が高まります。

          (参考)ポリシラザンについて ~ガラスコーティング剤として~


          塗装は有機物です

          ところが自動車塗装、プラスチック部品やホイールの表面は有機物です。自動車塗装は、アクリルやウレタン、メラミン・エナメルなどの有機樹脂が主な成分です。

          このような塗装の有機物表面に存在する水酸基(-OH)やカルボキシル基(-COOH)は、低い密度でしか存在できません。


          プラスチックはもちろんのこと、ホイール※1も表面は有機物に覆われていますので、無機ガラスコーティングが高密度に結合し密着する部分は、自動車の場合、窓ガラスとドアミラーくらいしかないのです。

          ※1.アルミやマグネシウムや鉄などのホイールの表面は、錆(腐食)の発生を抑えるために無色透明塗装や色付き塗装が施されています。

          無機の窓ガラスに無機ガラスコーティングをしても意味がありませんね。ですから、無機ガラスコーティングは、自動車に対しては直接施工しても残存性の低い弱いコーティングとなるのです。




          塗装(有機物)に対する無機ガラスコーティングの密着性

          それでは、塗装のような有機物に対する無機ガラスコーティングの密着性は、どのようになるのでしょうか?

          大手化成品製造会社による、無機基材と有機基材に対するペルヒドロポリシラザンの密着力データ(耐水性・耐久性)が手元にあります。

          ポリシラザンにより無機ガラスコーティング(ペルヒドロポリシラザン
          ・パーヒドロポリシラザン)を施した有機プラスチックへの密着度を測定するため、お湯(80℃の水※2)を連続的に流しかけ無機ガラスコーティングが消滅するまでの時間を測定した試験結果です。

          ※2.水は温度上昇にともない強い溶解力・洗浄力を示すことから、熱水を使用することで、耐水性試験時間を短縮(加速試験)させることができます。

          A.有機プラスチックに、直接無機コーティングした場合
          80℃耐水性:4時間

          B.有機プラスチックに、有機-無機改質処理※4を行ったうえで、無機コーティングした場合
          80℃耐水性:400時間

          C.無機シリコンウェハに、直接無機コーティングした場合
          80℃耐水性:1000時間

           

          ※4.有機-無機改質処理とは、有機表面と無機表面の接着性を高めるために、ケイ素(Si)を主剤とした、有機物と無機物の接着性を高める「無機有機ハイブリッド化合物」を下地処理コーティングすることです。


          無機コーティングの有機物への密着・耐水・耐久性は100分の1以下

          いかがでしょうか、上記A.のように有機物であるプラスチックに直接ポリシラザンによる無機コーティングを行った場合に比較して、B.有機物と無機物の接着性を高める有機-無機改質処理を施すことによって100倍の耐水性を実現することができます。

          C.のシリコンウェハのような無機基材に対する無機コーティングは、A.に対して250倍の耐水性があるということになります。

          このことは、逆に言いますと無機コーティングであるペルヒドロポリシラザンは、プラスチックや塗装などの有機物に対しての密着性が、無機物基材へのコーティングと比較して桁違いに不十分であることが言えるわけです。
           

          つまり、従来自動車ボディ塗装ガラスコーティングとして普及し、無機コーティングが最高と言われていたのは、実用化当初の半導体シリコンウェハ(無機物)に対する、コーティング性能がそのままに流用されたものと考えられるのです。

          有機物である塗装に対して無機ガラスコーティングを行うには、有機物と無機物の密着性を高めるために、有機-無機改質処理剤による下地処理コーティングをしなければ、本来の性能や機能を発揮することができないのです。


          くわしくは「ガラスコーティング剤の密着について」をご覧ください。


          (参考)無機コーティングが密着する理由 ~アクアミカの場合~

          (参考)
          無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
          http://coating.th-angel.com/2015/02/blog-post_22.html



          無機有機ハイブリッドガラスコーティング

          このようなことから化学分野全般において、塗装やプラスチックなどの有機物の表面を改質して機能性を高めるガラスコーティングは、自動車に限らずこの十年余り「無機有機ハイブリッド化」がどんどん進められてきたわけです。

          別の機会に、ガラスコーティングの無機有機ハイブリッド化について説明させていただきます。


          (参考)ガラスコーティング種類と特質 ~特性・機能比較~
          (参考)ガラスコーティングにおける無機溶剤って何ですか?






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