洗車して気持ちの良いピカピカの愛車に、にっくき鳥の糞害バクダン...
どちらも、見た目を損なうこと満点なイヤーな汚れですね。
それもそのはず、実は「虫の死骸」や「鳥の糞」は、生体由来のタンパク質接着性物質と汚れ物質が合体した頑固にこびりつくかなりの厄介者なのです。
虫の死骸の汚れ成分
虫は生き物ですので生物細胞の集合体です。その細胞はアミノ酸=タンパク質やリン酸などから構成されています。
生物は多種類のアミノ酸から構成されています。アミノ酸はその種類によって、アルカリ性のもの、中性のもの、酸性のものがあります。このアミノ酸由来の物質の、塗装や窓ガラスに対しての作用は、それほど強いものではないと思われます。
しかし、リン酸は太陽熱で加熱されることで脱水濃縮化され、強い酸となって塗装を腐食することも考えられます。リン酸は腐食性を持つ酸で、濃度が高まるにつれ強い腐食性を持ちます。
鳥の糞の汚れ成分
鳥の糞は、文字通り鳥が排泄する分泌物なわけですが、なにしろ生体から発するもので様々な化学物質から構成されています。特に注目すべきは尿酸です。尿酸は、タンパク質代謝における最終産物である窒素化合物で、排泄物として体外に出されます。尿酸は非水溶性であるため白く結晶化します。鳥類の糞の白い部分は、糞ではなく尿であり、尿酸が結晶化したものです。
尿酸の結晶は、水には溶けにくいもので、アルコールやエーテルにも溶けません。水の場合は温度が高い方がよく溶けます。
虫の死骸と鳥の糞がこびりつくワケ
虫の死骸、鳥の糞と生体由来であるため、どちらにも共通していえることですが、タンパク質が豊富に含まれています。タンパク質はアミノ酸がペプチド結合でつながる高分子であるため、水素結合などの2次結合力が働きやすく、にかわのような接着(粘着)性を持ちます。
このように、虫の死骸と鳥の糞自体が接着性を持つために、クルマの塗装にベッタリとこびりついて落とし難くなるものと考えられます。
虫の死骸と鳥の糞の落とし方(洗車)
虫の死骸と鳥の糞とも固着してしまった場合は、上記のようにタンパク質が「にかわ状」の接着剤となっています。このため、このにかわ状接着剤を溶かす必要がありますので、ゆっくりと焦らずに水分を含ませることで溶解する必要があります。暑い日は水をかけてもすぐに乾燥してしまいますので、濡れタオルで汚れ部分を覆うようにして、ふやかすように柔らかくしてから、水をかけながら優しく洗い流す必要があります。
特に鳥の糞は、焦ってこすったりしないでください。
尿酸が白い結晶になっています。この結晶は水にも溶けにくいので、尿酸結晶と塗装をくっつけるバインダとなっている接着性タンパク質をふやかしてから、優しく洗い流すようにしてください。
強くこすると硬い結晶がクルマの塗装とこすれて傷つきの原因となることがあります。
汚れの固着・酸化や傷つきの予防対策、コーティング
汚れの固着予防には、表面自由エネルギーが小さいため、他の物質と接する表面積がミクロな分子レベルで小さくなるシリコーンコーティングやフッ素コーティングを施してください。(参考)「表面自由エネルギー」関連記事
また、硬い被膜を形成するガラスコーティングは細かい傷つきからガードします。
(参考)「硬い被膜」関連記事
虫の死骸に含まれるリン酸による酸化からは、シリコーンコーティングやガラスコーティングで効果的にバリアしてください。
(参考) 「シリコーンコーティング」「ガラスコーティング」関連記事
車の汚れの中でも最も厄介な「ウォータースポット(イオンデポジット)」に関する原因と除去方法や、コーティングによるウォータースポット(イオンデポジット)予防とバリアについてくわしく説明しています。
(参考)ウォータースポット(イオンデポジット)とは
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