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2014-02-18

コーティング硬度について

ガラスコーティングなどコーティングの硬度に意味があるのか?というご質問をいただくことがあります。


その際にお客さまから、下記の「例1.豆腐に貼った金箔VS箸」のようなたとえ話をお聞きしました。


例1.豆腐に貼った金箔 VS お箸

比較的柔らかい塗装の上に、比較的硬いコーティングをしても柔らかい塗装の硬度が支配的になるのではないのか?
「例えば、柔らかい豆腐に貼り付けた硬い金箔は簡単にお箸で窪みや傷が付けられるではないのか」

一見すると確かにこの例では、そういうこともあるなー?!と考えさせられます。しかし、
人間が操作するお箸のパワーに対する豆腐や金箔の例が適正なのでしょうか?



スケールが滅茶苦茶にかけ離れているような気がします。その他の例でその考え方の極端さを考えてみましょう。


例2.土壌に舗装したアスファルト VS スコップまたはパワーショベル

例えば、舗装道路を見てください。柔らかい土の上に舗装した硬いアスファルト舗装に対してスコップを使って人力で掘り返す場合、アスファルト表面に多少の傷は付けられるでしょうが、掘り返すのはものすごい労力が必要ですね。
スコップの代わりに、強力なパワーショベルを使うとどうでしょうか?
土に対するアスファルトによるコーティング(舗装)は、スコップにはすごい強さを発揮しますし、大型のパワーショベルにはひとたまりもありません。

このように、スケール感が違い過ぎて果たして、豆腐と金箔のたとえ話が適当なのかさっぱりわかりません。
というのが正直な感想です。

そこで、ボディコーティングに対してもう少しスケール感が近くて、身近な例題を考えてみたいと思います。


アルミ鍋のアルマイト処理

アルミニウムは手に入りやすく安価な材料で加工がしやすいので、台所にある鍋ややかんの材料として一般的ですね。

このアルミはそのままの状態で鍋として使用しますと、アルミは柔らかいので傷つきやすく、細かい傷がつくとその隙間に入った食材が洗い流しにくくなり、雑菌が発生しやすくなるとか、アルカリや塩による腐食の進行が早いなど、鍋の機能性として不都合な場合があります。

そのようなアルミ鍋の機能性を改善する表面処理方法として、アルマイト処理があります。アルミの表面に数μm程度以上の酸化被膜をコーティング状に処理するわけですが、この薄い被膜により地金のアルミ鍋よりも格段に使いやすくなるのです。

その理由は、
柔らかいアルミの表面に硬く滑らかなアルマイト表面処理をすることで傷がつきにくくなります。同時に食品に含まれるアルカリや塩、酸による腐食から守ります。


このような効果により、アルミ鍋は美しく、洗浄が楽で清潔な状態を保ち続けることができるのです。


自動車ボディの場合

自動車ボディは金属を使用するのが一般的ですので、地金のままですと腐食(錆)が発生し、見た目も金属色のままでいぶした感じになり、それがが良いと言う方は限られるでしょう。

自動車ボディは、一部の競技自動車などにはアルミボディもあるようですが、ほとんどの場合は「鉄」でできていますね。ですから上記のようなアルマイト処理は自動車ボディにはできません。

鉄の場合は金属メッキ処理も可能性としては考えられますが、美しく滑らかに仕上げるにはコストがとても高くなりますし、ピッカピカ金属色になるのでこれも好みが別れるところです。金属メッキだけでは結局腐食の問題があるので、透明のクリア塗装などの上塗りが必要になると思われます。


塗装による保護

そこでコストパフォーマンスが良くて、色合いなどさまざまな趣味嗜好に対応できる塗装が施されているわけです。塗装はそのままでも美しさを保持しながら、擦過や摩耗による傷つきや、金属(鉄)の腐食を防いでくれます。

自動車は新車であれば、言うまでもなく百万円以上もする高価な買いものですし、そのユーザーのライフスタイルを強く反映したデザイン性や趣味性をもち、しっかりとした中古車市場もあるため、再販価値も重要なものであります。

そのため、屋外で使用することによる日光・風雨や大気汚染、泥はね海水被りなどに加えて洗車などの、様々な外的な傷つきや腐食・劣化から守ることが重要なわけです。自動車の使用形態やライフサイクルと製造コストや商品価値などを考慮して、各自動車メーカーはそれぞれの考え方を反映した塗装を施しています。

そういった意味では塗装が防護の役割を担っているわけですが、一旦腐食劣化したり細かい傷がつきますと、塗装を部分的に補修することは色合わせなど大変厄介です。


全体的な劣化に至っては、全塗装という大がかりで高コストな改修が必要になりますし、全塗装の場合は、自動車工場から出荷されたような塗装品質に仕上げることは大変に困難です。



高硬度ガラスコーティングの意味

このように、塗装の状態は使用中の自動車の価値を左右するものであるため、美観を維持しながら保護をすることを、維持コストを抑えつつ守って行く必要性が高いわけです。

塗装の部分補修や全塗装をできるだけ回避しつつ、比較的柔らかい塗装(鉛筆硬度2H~4H程度)をガラスコーティングなどの比較的硬い被膜(5H~9H程度)で、摩耗や微細な傷から守ることは、メンテナンス性やコストパフォーマンスの点からバランスの良い選択であると言えるのではないでしょうか。

コーティング剤を開発製造する立場からは、高硬度コーティングを選択する際には、下記の点をご注意いただきたく存じます。


(参考)ガラスコーティング【モース硬度7】の不思議 http://coating.th-angel.com/2014/02/blog-post_17.html

(参考) ガラスコーティング剤におけるクリスタル/クオーツやダイヤモンドとは http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_29.html


硬度とクラック

硬度が硬いほど良いと言われるガラスコーティング商品やサービスがありますが、ガラスコーティングは化学合成品であるため、被膜の硬さが増すほどに脆く壊れやすくなり、「クラック」と呼ばれる微細なひび割れ損傷が発生しやすくなります。

クラックは硬化の過程や使用中の物理的化学的刺激などより発生し、見た目の「クスミ・濁り」になったり、「被膜が剥がれ落ちやすくなる」ことの弊害の原因になります。

施工店さんの現場で作ることができるガラスコーティング(非晶質ガラス)は、鉛筆硬度9H程度が最高硬度となりますが、コップや窓ガラスなどの厚みのあるものと比べて、ミクロン(μm)単位の被膜では硬さゆえの脆さの影響が大きくなります。


クラック発生を回避するためには、少し粘り気を持たせる必要があり、6H~8H程度の硬度が最適であると考えます。


膜厚と硬度

膜厚はある程度厚い方が良いと思います。しかし硬度が同じ場合被膜が厚くなるほどクラックが発生しやすくなりますので、上記のような若干の粘り気のある6H~8H程度のガラスコーティングでは2~4μm前後の膜厚が、微細な傷からの保護という意味でもバランスが良いのではないかと考えます。

硬度が同じ場合は、膜厚が厚くなるほどクラックが発生しやすくなるため、硬度9H程度のガラスコーティングでは0.5μm~1μm程度の薄い膜にしないと、クラックの発生が問題になります。


このように余りにも薄い被膜では、摩耗や微細傷も塗装まで達してしまう可能性が高まります。




(参考)ガラスコーティングの耐久性と光沢 ~膜厚と多層化リスク~http://coating.th-angel.com/2014/09/blog-post_14.html


(参考)自動車工業会ウェブ http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/jamagazine_pdf/201503.pdf によりますと、自動車ボディ塗装のもっとも外側の塗装被膜(上塗り)の膜厚はおおむね30μm~40μmとなっています。




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2014-02-17

ガラスコーティング【モース硬度7】の不思議

ご存知のように、特にガラスコーティングでは「被膜の硬度」にこだわった商品化がなされています。今回の降雪を機会に、コーティングにおける硬度について考えてみたいと思います。


ガリガリの雪って硬そう

弊社事業所は、工場・営業とも栃木県小山市にあります。ここは栃木県では最も南部地域であり、埼玉県や茨城県・群馬県境地域でもあります。観光地で有名な日光や那須は栃木県北部になります。

恐らく関東以外の方は、東京よりも栃木南部の方が降雪が多いと思われるかもしれませんが、住んでいる実感としては案外そうでもなくて、この辺りは晴れの日が多く、雪が降っても東京の方が雪になったり積雪量も多いような気がします(東京よりも圧倒的に寒いですが・・・)。



しかし、先週金曜から土曜にかけての雪の量はタマゲマシタ。それどころではない地域もたくさんあって、大変な目に合われている方々には早く日常に戻られるように願っております。

そんな中、降雪中の金曜日夕刻にクルマで出かける用事があり、クルマに降り積もった雪を掻いておりました。そのときにふと思ったのですが、氷って結構硬いですよね。ソチオリンピックでスキーやスノボ、アイススケート競技でゲレンデやリンクのコンディションの解説でも、雪や氷の硬さが話題になっています。



氷の硬度

雪って氷の結晶だと思うのですが、氷の硬さっていったいどのくらいなのでしょうか?硬くざらざらした車の雪を掻きながら、塗装表面をガサガサと擦っているように思ったのです。

そこで、ネットで調べてみたらこんなサイト
http://academic.emporia.edu/aberjame/ice/lec02/lec2.htm がありました。米国カンザス州のエンポリア州立大学の教授:ジェームス S.アベールさんによる地質学のページでは、氷のモース硬度は温度によって変化するようです。0℃ではモース硬度1.5、-70℃ではモース硬度6に達するそうです。




モース硬度とは

モース硬度2は、鉱物である「石膏」の硬さと同程度で「指の爪で何とか傷をつけることができる」とあり、モース硬度6は、鉱物「正長石」の硬さと同程度で「ナイフで傷をつけることができず、刃が傷む」とありますから、相当硬いわけです。ちなみに天然の結晶ガラスである水晶=「石英(SiO2)」は、モース硬度7で、「ダイヤモンド」はモース硬度10です。

Wikipediaによりますと、人の爪のモース硬度は約2.5、
ガラス(非晶質)は約5、ナイフの刃先は約5.5だそうです。


モース硬度は、代表的な鉱石を引っ掻いた時の傷つきにくさを表すための尺度ですから、モース硬度の数字と傷つきにくさは比例していないということです。

モース硬度は本来鉱石の種類を分類する尺度のため、段階と硬度に比例関係はなく、測定する方法も大変に曖昧な状況です。

このため、地質学や鉱物関係外の塗装やコーティングなどの表面硬度の尺度としては、JIS化されている下記の鉛筆硬度の方が適しています。


鉛筆硬度とは

コーティングや塗装業界で使用される尺度に、鉛筆硬度があります。

鉛筆硬度とは文字通り、鉛筆の芯の硬さを表す「B」や「H」といったあの表示に由来します。表面を3Hの鉛筆で引っ掻いて傷がつくかどうかを試験した結果で、鉛筆硬度3Hとか9Hなどと表現されます。

鉛筆硬度試験方法は日本工業規格(JIS K 5600)で規定されています。JISのおすすめは、三菱さんの高級鉛筆「ユニ」なのだそうです。


自動車塗装表面は、鉛筆硬度2H~4H程度と言われており、日本国内においては、上記のように鉛筆の芯を基準にした傷つき方を尺度にしています。




ガラスコーティング「モース硬度7」の不思議

コーティング業界においては、モース硬度7のガラスコーティングをうたっているものも見受けられますね。

ガラスよりも2段階も硬い、モース硬度7とはナイフの刃先でも傷つかないってことでしょうか。
それはどういうものなんでしょうか?

たぶん、「モース硬度7のガラスコーティング」は何かの間違いだと思われます。


何故そのようになったのかを推理してみますと、


  1. 天然石英(SiO2)=水晶(結晶ガラス)のモース硬度が7だからなのか。
  2. 半導体ウェハの高純度(イレブンナイン:99.999999999%結晶シリコンのモース硬度が7だからなのか。
  3. 鉛筆硬度7Hとするべきところを、モース硬度7と誤解したのか。

何れかではないかと思われます。

(参考)シリコーン?シリコンではないの 
http://coating.th-angel.com/2013/09/blog-post_5152.html


以前も触れましたが、
ガラスコーティングは、シリカ:SiO2による結晶ではない非晶質ガラス状被膜(モース硬度は5)です。


結晶のガラスコーティング(モース硬度7)はありません。

なぜならば人工的にガラスを結晶化(人工水晶化)させるには、塗装の表面で硬化したガラス被膜を、さらに数百℃~一千℃以上の高温過熱を連続的におこなう必要があるからです。車が燃えるか溶けてしまいます(笑)。

(参考)人工水晶:モース硬度7の人工水晶製造法を説明した東京電波株式会社さんのページ 
http://www.tew.co.jp/products/quartz/synthetic/index.html


(参考)ガラスコーティングは結晶なの? 
http://coating.th-angel.com/2014/01/blog-post_30.html


(参考)ガラスコーティング剤におけるクリスタル/クォーツやダイヤモンドとは http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_29.html

地中において高温度・高圧力の中で、ケイ素(Si)と酸素(O)から自然に生成された
「天然水晶すなわち石英(結晶化SiO2)」がモース硬度7ですから、「ガラス化したコーティング被膜も同程度の硬度ではないか?」という、誤った思い込みによるもののような気がします。


「常温硬化させることができるゾル・ゲル法によるガラス被膜の硬度」は、最高で鉛筆硬度7H~9Hが可能です。これは非晶質ガラス相当の硬度ですから、まったく理にかなっています。


鉛筆硬度とモース硬度は単純に比較することができず、また、換算した資料はありませんので比較するネタは見たことがありません。

10Hの三菱uni鉛筆の芯は、100円ショップのナイフ(モース硬度5.5)でも削れます(笑)。

モース硬度7と、鉛筆硬度7Hとはまったくちがいます。

「モース硬度7のガラスコーティング」って、いったいどんなものなのでしょうか???わかる方がいらっしゃいましたら、ご教示をお願いいたします。



雪(氷)と塗装の傷つき

上記「氷の硬度」のように、氷の硬度は温度によって変化します。つまり寒く冷たいほど氷は硬くなっていきます。ですから寒いほど塗装も傷つきやすくなると考えられますね。

しかし、ソチオリンピックでのスキー・スノボやスケート競技をみていますと、スキーの板やスケートの歯は、よーく滑っていますね。これは板や歯と雪や氷の接触面で瞬間的に溶けて、水の薄い膜ができるために抵抗が少なくなって滑っているわけです。


このような状態、すなわち軽く撫ぜただけでスーと雪が落ちるようでしたら、傷つきのリスクは少ないと考えられますが、付着した雪が一旦解けて再び凍ったように、バリバリに固着している場合は無理やり擦ったりすると、氷は硬いので傷が付きやすくなるのではないでしょうか?


言うまでもなく雪や氷が固着した場合は、決して無理して掻き落とすのではなく、エンジンをかけて暖房を最大にして、クルマ全体を暖めることによって、表面に水の膜を発生させて滑るように落とすのがいいですね。


それと、コーティングをしておくことによって、できるだけ表面を滑らかに(平滑化)しておくと、雪を滑らせること(滑雪)の助けになると考えられます。またガラスコーティングのように硬い被膜が表面を覆っていると、傷つきの耐力が向上すると考えられます。


もうひとつガラスコーティングは、塗装を微細な傷つきをガラスコーティングが引き受けてくれる効果も期待されます。
微細な傷つきに対しては、シリコーンレジンコーティングなどにより表面を平滑化するか、程度によってはガラスコーティング施工店で補修をしてもらってください。塗装を守ることがコーティングの大きな役割です。





(参考)ガラスコーティングの硬度について http://coating.th-angel.com/2014/02/blog-post_18.html
(参考) SiO4だから硬い無機ガラスコーティングとは http://coating.th-angel.com/2014/04/sio4.html
(参考)ガラスコーティングの耐久性と光沢 ~膜厚と多層化リスク~ http://coating.th-angel.com/2014/09/blog-post_14.html
(参考)アルコキシシロキサンとアルコキシシランhttp://coating.th-angel.com/2016/11/blog-post.html


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2013-10-10

虫の死骸と鳥の糞 洗車・コーティング

夏の夜、クルマのヘッドライトに吸い寄せられる虫。出合い頭にぶつかって、虫には気の毒な気もしますが、死骸がべったり付着し、その後はカペカペに乾燥して見た目も汚い。
洗車して気持ちの良いピカピカの愛車に、にっくき鳥の糞害バクダン...

どちらも、見た目を損なうこと満点なイヤーな汚れですね。

それもそのはず、実は「虫の死骸」や「鳥の糞」は、生体由来のタンパク質接着性物質と汚れ物質が合体した頑固にこびりつくかなりの厄介者なのです。

 

虫の死骸の汚れ成分

虫は生き物ですので生物細胞の集合体です。
その細胞はアミノ酸=タンパク質やリン酸などから構成
されています。

生物は多種類のアミノ酸から構成されています。アミノ酸はその種類によって、アルカリ性のもの、中性のもの、酸性のものがあります。このアミノ酸由来の物質の、塗装や窓ガラスに対しての作用は、それほど強いものではないと思われます。

しかし、リン酸は太陽熱で加熱されることで脱水濃縮化され、強い酸となって塗装を腐食することも考えられます。リン酸は腐食性を持つ酸で、濃度が高まるにつれ強い腐食性を持ちます。



鳥の糞の汚れ成分

鳥の糞は、文字通り鳥が排泄する分泌物なわけですが、なにしろ生体から発するもので様々な化学物質から構成されています。特に注目すべきは尿酸です。尿酸は、タンパク質代謝における最終産物である窒素化合物で、排泄物として体外に出されます。

尿酸は非水溶性であるため白く結晶化します。鳥類の糞の白い部分は、糞ではなく尿であり、尿酸が結晶化したものです。
尿酸の結晶は、水には溶けにくいもので、アルコールやエーテルにも溶けません。水の場合は温度が高い方がよく溶けます。



虫の死骸と鳥の糞がこびりつくワケ

虫の死骸、鳥の糞と生体由来であるため、どちらにも共通していえることですが、タンパク質が豊富に含まれています。

タンパク質はアミノ酸がペプチド結合でつながる高分子であるため、水素結合などの2次結合力が働きやすく、にかわのような接着(粘着)性を持ちます。

このように、虫の死骸と鳥の糞自体が接着性を持つために、クルマの塗装にベッタリとこびりついて落とし難くなるものと考えられます。



虫の死骸と鳥の糞の落とし方(洗車)

虫の死骸と鳥の糞とも固着してしまった場合は、上記のようにタンパク質が「にかわ状」の接着剤となっています。このため、このにかわ状接着剤を溶かす必要がありますので、ゆっくりと焦らずに水分を含ませることで溶解する必要があります。

暑い日は水をかけてもすぐに乾燥してしまいますので、濡れタオルで汚れ部分を覆うようにして、ふやかすように柔らかくしてから、水をかけながら優しく洗い流す必要があります。

特に鳥の糞は、焦ってこすったりしないでください。
尿酸が白い結晶になっています。この結晶は水にも溶けにくいので、尿酸結晶と塗装をくっつけるバインダとなっている接着性タンパク質をふやかしてから、優しく洗い流すようにしてください。
強くこすると硬い結晶がクルマの塗装とこすれて傷つきの原因となることがあります。



汚れの固着・酸化や傷つきの予防対策、コーティング

汚れの固着予防には、表面自由エネルギーが小さいため、他の物質と接する表面積がミクロな分子レベルで小さくなるシリコーンコーティングやフッ素コーティングを施してください。
(参考)「表面自由エネルギー」関連記事

また、硬い被膜を形成するガラスコーティングは細かい傷つきからガードします。

(参考)「硬い被膜」関連記事

虫の死骸に含まれるリン酸による酸化からは、シリコーンコーティングやガラスコーティングで効果的にバリアしてください。

(参考) 「シリコーンコーティング」「ガラスコーティング」関連記事

車の汚れの中でも最も厄介な「ウォータースポット(イオンデポジット)」に関する原因と除去方法や、コーティングによるウォータースポット(イオンデポジット)予防とバリアについてくわしく説明しています。
(参考)ウォータースポット(イオンデポジット)とは 

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2014-12-05

新しい無機有機ハイブリッドコーティング

ガラスコーティングの基本的な成り立ちとして、大きく分類しますと下記の2種類があります。
 

  1. 無機コーティング
    代表例として、高分子タイプのポリシラザン:Perhydropolysilazaneを原料としたものがある。
  2. 無機有機ハイブリッドコーティング
    代表例として、オルガノポリシロキサン/ポリオルガノシロキサン:Polyorganosiloxanを原料としたものがある。
    古くは高分子タイプがあったが、現在は溶剤を必要としない低分子タイプの2種類がある。


 お客さまとさまざまな会話をする中で、無機や有機の構造的な話のほかに、特徴や機能性や用途の違いはどのようになっているのか?ということを問われることがあります。

以前、構造的なことについてまとめましたので、下記記事を合わせてご覧ください。

ガラスコーティングの比較http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html


無機ガラスコーティングとは

<無機ガラスは、単純な二酸化ケイ素(SiO2)化合物を意味することが多い>
  • 高分子化合物である
    クロロシランを出発原料とし、脱アンモニア架橋により非晶質(アモルファス=結晶構造を持たない)ガラス被膜を形成する高分子化合物である。

    無機ガラス被膜を形成するガラスコーティングの例としてポリシラザン:Perhydropolysilazane)を原料としたものがある。

    無機ポリシラザンを改良した無機・有機ハイブリッド化は、技術的には可能であるが、反応性が急激であるなどの理由から、実用的な意味で無機・有機ハイブリッド化を目指すものは事実上見当たらない。

    (無機有機ポリシラザン/オルガノポリシラザン:Organopolysilazanes)
  • 有機物(塗装など)への密着性が劣る
    単純な無機ガラス被膜を形成するこのタイプは、元来おもに半導体製造においてシリコンウェハ(無機物)への一時的な表面改質剤として使用されているものを、車塗装用コーティング剤として二十年以上前に流用したものである。

    無機ガラス被膜は本来の用途である無機物への密着性は高いが、塗装などの有機物への密着性が不十分であることから耐久性(密着性)に劣る欠点がある。
  • 有害な有機溶剤が不可欠である
    高分子化合物であるため、ガラスコーティング剤として使用するには、大量のキシレン・トルエン・ターベンなどの芳香族有機溶剤(通称シンナー)に溶かし込んで使用する必要がある。

    このためガラス化成分量がごくわずかであり膜厚が極端に薄くなる。

    使用する芳香族有機溶剤:シンナーは、塗装を溶解し塗装に悪影響を及ぼす恐れや、人体および地球環境に対しても毒性・有害性がある。
  • 施工性や機能性に劣る
    → 品質の維持・コストダウンが困難である。
  1. 硬化時の脱アンモニア反応が急激に進行し、硬化反応を制御できないため施工性が悪い。
  2. 被膜硬度や柔軟性を制御できないため、膜厚が極端に薄くなり耐久性・耐傷性が劣る。
  3. 被膜が単純な分子構造であるため、撥水や防汚など機能性を付与することができない。
  4. 単純な無機物被膜であるため、シリカスケール(無機物汚れ)などのウォータースポットが固着しやすく除去が困難になりやすい。
  5. 塗装など有機物への密着性を高めるためには、下地処理としてシリコーンカップリング剤によってコーティングを行う必要がある。
  6. 撥水性を付与したり、無機汚れ(ウォータースポット)固着を抑制する機能を付与するためには、無機・有機ハイブリッドによるトップコートを行う必要がある。
  7. 上記のように反応が急激で作業難易度が高いこと、下地処理→無機ガラスコーティング→トップコートと、多層化による作業が複雑であることから、作業失敗リスクが高く、高品質を維持することが難しく、作業コストアップにつながる。
(参考)
無機ガラスコーティングは温度変化に弱い
http://coating.th-angel.com/2015/02/blog-post_22.html


 

無機有機ハイブリッドコーティングとは

<無機有機ハイブリッドガラスは、二酸化ケイ素(SiO2)と有機官能基を結合(クロスカップリング)した化合物の総称>
  • 高分子タイプと低分子タイプがある
    クロロシランを出発原料とし、脱アルコール架橋により非晶質(アモルファス=結晶構造を持たない)ガラス被膜を形成する高分子化合物がある。

    最近になって保存性や安定性を高め、多官能性(多機能性)を付与することができる低分子タイプ(低分子シラン)が実用化されている。低分子タイプはガラスコーティング剤として、溶剤を一切添加しない高濃度ガラス化成分を含有する無溶剤化ができる。

    特に低分子シラン原料は、日本独自※の研究開発などにより、日本の世界的なシェアが高い。

    ※.低分子シランの基本技術であるクロスカップリング分野では、根岸英一(米パデュー大 特別教授)、鈴木章 (北海道大学 名誉教授)による2010年ノーベル化学賞のように、日本が伝統的に強い分野となっている。
  • 有機物(塗装)への密着性が高い
    無機ガラス(SiO2)基本骨格と、有機官能基による無機・有機ハイブリッド構造であるため、一液のみで塗装への密着性を高め、結合密度の高いガラス被膜を形成できる。
  • 機能性・耐久性・作業性を高めることができる
    無機・有機ハイブリッド構造であり、有機官能基の配向を制御することができるため、上記のような有機物(塗装)への密着性を高めたり、ガラスコーティング表面の撥水性や防汚性などを付与することができる。

    同時に反応性・硬度や柔軟性を制御することができるため、硬化時間・作業時間の最適化、膜厚や被膜硬度や柔軟性の最適化ができるため、作業性や被膜耐久性を向上させることができる。
  • 溶剤を一切使用しない無溶剤化ができる
    旧来からある高分子タイプの無機有機ハイブリッドガラスコーティングは、ガラスコーティング剤として芳香族の有機溶剤に溶解して使用する必要があった。

    これに対して新しい低分子タイプは、溶剤を一切使用せずに高品質のガラスコーティング剤を提供することができる。

    無溶剤化によって、リッチ(厚膜化・高光沢・高耐久)なガラスコーティングができるだけでなく、塗装や人体・地球環境に対して安全でかつ、容易な作業にて行うことができるようになり、施工コストダウンと機能や性能向上ができるようになる。

    低分子タイプは、無溶剤だけでなく、アルコール系溶剤を使用することができるため、安全性や環境性を保ったままで液剤コストダウンやレベリング性向上が可能である。
  • 施工性や機能性が高まる
    → 高品質・低コスト化ができる。
  1. 脱アルコール・脱水反応による硬化であるため、硬化速度がマイルドであり添加剤によって硬化時間を制御できるため施工性が高い。
  2. ・被膜の硬度や柔軟性を制御でき、膜厚が最適化できるため耐傷性を向上することができる。このため硬いだけではなく、粘り気も兼ね備えた強靭な被膜を形成できる。
  3. 表面に有機官能基を配向することにより、シリカスケール(無機物汚れ)などのウォータースポットが固着を遅らせることができ、早めの除去により無機汚れの定着を防ぐことができる。
  4. 塗装など有機物との密着を高める有機官能基と、強くて劣化しにくい無機ガラス骨格によって、撥水性や防汚性を高める有機官能基のハイブリッド構造であるため、一液で万能性の高い高品質な被膜が簡単にできる。
  5. 液剤価格の適正化や施工性を高めることにより、総合的なコストダウンと作業の高品質化が両立可能となる。

 

弊社では、無機有機ハイブリッドコーティングの中でも、新しい低分子タイプを中心に開発製造をおこなっております。カーディテイリング事業者さまや、コーティング剤の卸売・小売事業者さまはお気軽にご相談ください。

ガラスコーティング剤は、下記の理由により一般のお客さまには販売しておりません。大変申し訳ありませんがご理解いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

ガラスコーティング剤の一般販売についてhttp://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_27.html


(参考)
コーティング剤の選び方 ~トップコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/03/blog-post_31.html

ハイブリッドコーティング ~トップコートとして~http://coating.th-angel.com/2015/06/blog-post.html

ハイブリッドコーティング ~ベースコートとして~
http://coating.th-angel.com/2015/05/blog-post_12.html

新しい無機有機ハイブリッドコーティング
http://coating.th-angel.com/2014/12/blog-post.html

新しいガラスコーティング剤について
http://coating.th-angel.com/2014/05/blog-post.html

ガラスコーティングの比較
http://coating.th-angel.com/2014/03/blog-post_12.html




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2016-10-28

ウォータースポットの除去と対策

車の汚れの中でも最も厄介な「ウォータースポット(イオンデポジット)」の除去方法や、コーティングによるウォータースポットの予防とバリアなどの対策についてくわしく説明します。

ウォータースポットに関し、下記のような項目ごとに記載しております。なお、本ブログではイオンデポジット(別名:イオンデポジット)に関して下記のように定義しております。

イオンデポジット Ion Deposit

ネット上などで見かける言葉ですが、英語では”Ion Deposit”とは言いませんので和製英語ではないかと思われます。

確かに、さまざまな無機物イオン(ion)が雨水や水道水などに溶け込み、ボディ塗装面や窓ガラスに付着した水が蒸発したのちに、残留した各種の無機物が堆積物(deposit)となるという意味だと思われます。

これはこれで言いえて妙ということでしょう。

このイオンデポジットについては、日本のコーティング業界独特の言葉と考えて、当ブログでは英語圏でも一般的な用語「ウォータースポット(Water Spot)」に統一しております。


●本記事の関連項目
ウォータースポットの原因に記載】
1.ウォータースポットってなんだろう
2.ウォータースポットの原因物質
3.ウォータースポットの発生

【ウォータースポットの除去と対策(本記事)に記載】
4.ウォータースポットの除去
5.ウォータースポットの予防対策
6.ウォータースポットをバリアする
7.塗装を腐食させるウオータースポット(酸)をバリア
8.塗装につくウオータースポット(シリケート)をバリア
9.窓ガラスにつくウオータースポット(シリカ)をバリア
10.ウオータースポットをがっちり!それともお手軽バリア?
11.ウオータースポットを100%バリアできるの?

ウォータースポットに有効なのは酸性かアルカリ性か

【フッ化水素酸にも負けないコーティング?(絶対に真似しないでください)】

4.ウォータースポットの除去

ウォータースポット除去方法を考えるために、汚れの原因と発生プロセスを整理してみましょう。

ボディ塗装 窓ガラス
有機物汚れ 原因物質
酸性雨や空気中に含まれる酸性物質(NOx, SOx, 有機酸, 炭酸ガスなど)
酸性雨など有機物や酸による腐食や固着はほとんどない
発生プロセス 太陽熱などで酸性雨が濃縮され、同じく太陽熱によって軟化した塗装が酸によって腐食する
無機物汚れ 原因物質
水道水や井戸水などに含まれ、シリケート化する物質(ケイ素イオン、金属イオン)

水道水や井戸水などに含まれ、シリケート化する物質(ケイ素イオン、金属イオン)
発生プロセス 水の蒸発に伴い発生したシリケートが堆積し、塗装との機械的結合により固着する 水の蒸発に伴い発生したシリカ(ガラス)が、窓ガラスと非常に強く化学結合する

ウォータースポットは、上記表のように塗装を腐食させたり、窓ガラスと化学結合したりする大変厄介な汚れです。

厄介であるその理由は、何れの場合も腐食や固着、あるいは化学的結合といった汚れが時間を経てしまうと、溶解や研磨による方法で汚れを除去する必要があるということなのです。

キレイな状態にする作業の手間と、高度な技術を要することを考えれば容易に想像できます。

それでは具体的に、部位・原因ごとのウォータースポット汚れ除去方法はどのようになるのでしょうか?

塗装の有機物(酸性雨)汚れの除去 

塗装が酸によって腐食し、クレーター状に荒らされたような状態ですので、洗浄してキレイになるものではありません。

お気づきの通り、荒れた塗装表面を削り取り、その後平滑にしながら研磨による除去が必要になります。

塗装の無機物汚れの除去 

塗装の上にシリケートが堆積して固着したスケールですので、スケールを溶かして除去しなければなりません。

酢酸、塩酸や硝酸を用いることで、カルシウムやマグネシウムのスケールを溶解し除去することができます。

しかしお気づきの通り、酸の使用は、塗装や金属などを腐食させる危険性をともないます。

酸を使用しない場合は、研磨による除去が必要になります。

窓ガラスの無機物汚れの除去 

シリカが窓ガラスと強く化学結合して、溶け合ったような区別のつかない状態です。

シリカとガラスは同質のものです。

ご存知のようにガラスは濃硫酸・濃塩酸でも溶解できません。

シリカやガラスを溶解する酸としてあまり馴染みがないのですが、フッ酸(フッ化水素酸、フッ化アンモニウム)があります。

フッ酸を使ってシリカと窓ガラスの結合を切り取ろうとすると、同時に窓ガラスも影響を受けてしまいます。

フッ酸は法律上「毒物」に指定されています。非常に強力な酸であり、危険過ぎて大切なクルマに使用することもさることながら、人体保安上からも一般使用を避けるべきものです。

酸を使用しない場合は、研磨による除去が必要になります。

5.ウォータースポットの予防対策

塗装や窓ガラスに付着したウォータースポットをキレイに除去するには、酸を使って汚れを溶解させるか、削り落として磨く必要があることがわかりました。

溶解や研磨は、失敗しますと取り戻すことはおろか、より状況を悪化させる可能性が高くなってしまいます。

このため、ウォータースポットは発生してから対処するよりも、できるだけ発生させないようにすることが一番の対策になります。

つまり予防対策することが一番大切というなのです。

ウォータースポットは、発生部位や原因物質によらず、雨水や水道水などの水滴が付着し、水分が蒸発する際に発生します。

そうです!理想的には水滴が付着したままにしないことが重要なのです。

「水滴がつかないようにする。ついたらすぐに拭き取る」 う~ん、言うことは簡単なのですが・・・。

実際にはほとんど不可能なことですね。

しかし、日頃の心がけとしては良いかもしれません。

雨水の拭き取りは、日常のクルマ使用においては実施困難ですが、「洗車の水滴はすぐに拭き取る」これなら実施可能ですよね。

クルマ好きの皆さんなら、当たり前のことでした。

せっかくキレイに洗車したのに水玉が残っていた。厄介なウォータースポットを発生させる原因を自らがつくっていた。

これだけは避けましょうね。

さて、モグラたたきのような普段のお手入れのお話でしたが、「ボディケアを少しでもラクに、状態の悪化をできるだけ避ける」こんな考え方で、事前防御するための予防手段を考えていきたいと思います。

もったいぶってしまいましたが考え方はこうです。

「塗装や窓ガラスにウォータースポットを固着させない、予防対策する」

この掛け声はなかなか良いと思われませんか?

そうなのです。

巷にあふれるボディコーティングやウインドウコーティングは、正しく使うことによってこのためにも役に立つのです。

次項では具体的にウォータースポットの発生部位と原因ごとに予防(バリア)する方法を考えていきましょう。

6.ウォータースポットをバリアする

ここでもう一度、ウォータースポットの原因と一緒に、汚れを防ぐバリア(コーティング)を考えてみましょう。

ボディ塗装 窓ガラス
有機物汚れ 原因 酸による塗装の腐食 ガラスは酸に強い
バリア 酸に強い被膜による保護
無機物汚れ 原因 シリケートと塗装の機械的結合 シリカとガラスの化学結合
バリア シリケートが結合しにくい海面に改質 シリカとの化学結合を阻害する海面に改質

ウォータースポットは、発生する部位と原因がそれぞれに異なります。

このため、残念ながらすべてに万能なコーティングはありません。

それぞれの目的に合うコーティングを選択するか、複合的に適用することで、効果的にさまざまな原因によるウォータースポットを予防=バリアすることが必要となります。

次項では、ウォータースポットの発生部位と原因ごとのバリアとして「塗装を腐食させる酸をバリア」について触れてみたいと思います。

7.塗装を腐食させるウオータースポット(酸)をバリア

(1)ガラスコーティングによるバリア

窓ガラス(SiO2、無機物)は酸性雨にもびくともしません。

もうお気づきですね。

塗装へのガラスコーティングは、硬くて微細なキズつきから塗装を守ってくれるだけではないのです。

ガラスコーティングは、ガラス(SiO2)状硬化被膜を形成し、塗装を酸による腐食から長期間にわたってガッチリと守ります。

しかし、ガラスコーティングは長寿命で高性能高機能なのですが、ガラス状硬化被膜となるため、失敗が許されない施工は、経験技術と設備が必要となります(施工失敗を取り戻すには研磨からやり直すことになります)。

このため、ガラスコーティングは専門の施工業者さんに委託する必要があり、手軽さや費用の面でやや敷居が高い面があるのはご存知のとおりです。

「ガラスコーティングまではちょっと」という場合は、被膜の寿命や性能の点ではやや劣るものの、誰が施工してもきれいに仕上がり、従来のワックスよりもカンタンで、洗車と一緒にラクな施工ができる、下記のシリコーンレジンコーティングをオススメいたします。

(2)シリコーンレジンコーティングによるバリア

シリコーンレジンは、オイルやワックスのような線状(直鎖状)の二次元的分子構造ではなく、ケイ素(Si)と酸素 (O)原子同士が、ガラス(SiO2)と同様にメッシュ状(網目状)の三次元的分子構造の主骨格(シロキサン結合)となるため、機械的・化学的に強いガラスとよく似 た物性を持っています。

これにより酸による腐食にも強く、柔軟性があり取扱いが容易な被膜を形成します。

シリコーンレジンは上記のとおり、ガラスと近似した無機物のような性質を持ち、酸に対しても強い耐力をもつため、塗装を酸による腐食から保護します。

「レジン=樹脂」という言葉からは、硬い固形の被膜を形成するようなイメージを抱かれるかもしれませんが、シリコーンレジンコーティングは、従来のワックスよりも簡単に施工することができ、ガラスコーティングのように被膜が固形化しないため、施工の失敗がない柔軟性のある被膜を形成します。

次項では、ウォータースポットの発生部位と原因ごとのバリアとして「塗装につくシリケートをバリア」について触れてみたいと思います。

(参考)洗車・コーティングと酸(参考)虫の死骸と鳥の糞 洗車・コーティング
(参考)ウォータースポット除去にサンポール(参考) ガラスコーティングを補うコーティング剤 ~メンテナンス剤として~

8.塗装につくウオータースポット(シリケート)をバリア 

塗装へのシリケート固着を防ぐために、表面自由エネルギーが小さいシリコーンレジンコーティングを施します。

表面自由エネルギーが小さいと、他の物質と接する表面積がミクロな分子レベルで小さくなり、シリケートなどの汚れが付着しにくくなるというわけです。


たとえとして、「表面張力が大きい水」と「表面張力が小さい油」の話があります(液体の場合、表面自由エネルギーのことを「表面張力」とも呼びます)。

油を塗った平滑な板の上に水滴を落とすと、水分子の表面張力の方が油分子の表面張力より大きいため、水はそのまま丸い固まりの状態を保ち、油と最小限の接点しかもたないような撥水性表面になり、お互いが混じり合う(汚れる)ことを防ぎます。

小難しい話ですが、塗装にシリコーンレジンコーティングを施すことによって、シリケートなどの汚れが接する表面積が分子レベルで小さくなります。

この結果、シリコーンレジンコーティングがシリケートなどの汚れをくっつきにくくし、時間経過とともに進行する固着を防ぐわけです。

このほかにも、シリコーンレジンコーティングは、塗装表面の細かなキズなどの凸凹の合間に入り込み、表面を滑らかにする(塗装の凹凸部にシリケートが食い込みにくくする)役割も果たしています。

このような複合的な要因により、塗装とシリケートの機械的接合を防ぎ、スケール汚れの固着を低減します。


補足:

「シリコーンレジンの表面自由エネルギーが小さい」というのは、被膜の強さとは別の話です。

シリコーンレジンは、原子間結合が「シロキサン結合」した主骨格を持ちます。

シロキサン結合はケイ素原子(Si)と酸素原子(O)が三次元的なメッシュネット ワークによって結合するガラス(SiO2、無機物)に近似した強い結合力により、機械的・化学的に強い被膜を形成します。

ケイ素上に多種類の有機置換基 (官能基)を備えているため、さまざまな機能性(界面特性)を発揮するものです。

くわしくは別の機会にご説明いたします。

次項では、ウォータースポットの発生部位と原因ごとのバリアとして「窓ガラスにつくシリカをバリア」について触れてみたいと思います。


9.窓ガラスにつくウオータースポット(シリカ)をバリア

窓ガラスとシリカの化学結合を阻害するためには、上記のようにシリケート付着を防止するシリコーンレジンコーティングの使用も、選択肢として考えられます。

しかし、ピュアなシリコーンレジンだけでは滑り性があまり良くないため、窓ガラスのワイパー動作がビビリやすくなることがあります。

このため、シリコーンレジンと同じく表面自由エネルギーが非常に小さいフッ素レジンコーティングを施します。

フッ素レジンがシリカを阻害する理由は、前記シリコーンレジンと同じく、他の物質を引き寄せる力が小さくなることと、フッ素レジンが、窓ガラスの細かな凹凸に入り込み表面を滑らかにすることによるものです。

フッ素レジンコーティングは、機械的・化学的に強いシロキサン結合した三次元のガラス状主骨格分子構造をベースに、水滴がつく表面側に炭素を結合させた有機フッ素を配向させることで、強い被膜を形成しながら無機物シリカが窓ガラスと化学結合しないように、有機フッ素がブロックする役割を担っています。

フッ素レジンコーティングは、優れた滑り性を持っているため、ワイパーのビビリが起きにくく、撥水性も優れているため、雨天走行時の視界確保にも有利です。

10.ウオータースポットをがっちり!それともお手軽バリア?


窓ガラスは、元来有機物汚れに強いので、無機物汚れに対するバリア:フッ素レジンコーティングを施すことで、ウォータースポットを予防できます。

一方、塗装については、有機物汚れと無機物汚れの両方に対する予防バリアが施すことが理想的です。

その際にはガラスの硬い被膜を長期間形成するガラスコーティングを施し、その上にシリコーンレジンをコーティングする案と、ガラスコーティングのみの案、シリコーンレジンコーティングのみの案の3パターンが考えられます。

さて、どれが一番皆さまのクルマ、カーライフに適しているのでしょうか?悩ましいですね。

キラサクが考える選択の目安をまとめてみます。

塗装のウォータースポット予防策 ガラスコーティングのみ シリコーンレジンコーティングのみ ガラスコーティング+ シリコーンレジンコーティング
有機物汚れ・酸性雨による腐食予防 ★★★ ★★☆ ★★★
無機物汚れ・シリケート固着予防 ★★☆ ★★★ ★★★
有効期間 ガラスコーティング 数年 数年
シリコーンレジンコーティング 3~6カ月程度 3~6カ月程度
施工性 ガラスコーティング プロの経験と技術が必要 プロの経験と技術が必要
シリコーンレジンコーティング 簡単施工 簡単施工、 ガラスコーティングのメンテナンスとしても最適

上記のようなバリアとして各種のコーティングが有効なのですが、それで万全なのでしょうか?


11.ウオータースポットを100%バリアできるの? 

すみません。

最初から謝ってしまうのはなんじゃー。

ですよね。

最強のガッチリコーティングをした。

それならばウォータースポットを100%防げるのか?ここまで能書きを垂れていながら、弊社がオススメするコーティング剤を使用していただいても、残念ながら100%バリアはできません。

いきなりのたとえ話で恐縮ですが、海水浴や女性が日常的使う「日焼け止め」を思い出してください。

海水浴に出かける際、必需品のひとつに日焼け止めがありますね。

オゾン層破壊が進行している現在は、なおさら強烈な紫外線から肌の露出を防御しなければなりません。

そうしないと、あとでとんでもないことになりますでしょう。

んーまぁ、仮にその時のヒリヒリは、なんとか我慢したとしましょう。

それよりも本当に恐ろしいのは、数年の期間を経ての、シミやソバカス、黒ズミといったトラブルの定着に加えて、最悪は皮膚ガンを誘発する可能性も大きくなります。

UVに対して100%の防御はできないけれども、皮膚が元来持っている紫外線に対する耐力を上手に補助してあげる。

そうすることで健康で美しい肌をできるだけ長く維持し続けることができる。

日焼け止めにも、UVカット能力の違いや、皮膚に留まる能力の違い、それぞれに使いやすさなどの使い心地が異なります。

さまざまな日焼け止めの中から、目的や条件に合ったものを上手に選択し使用することで、健康維持に役立てることが求められます。

このほかにも、アフターケアとして日焼け後に肌の様子をみながら、ローションを塗ったりして紫外線による炎症を早めに沈静化し手当てをしてあげる。

そういう日常的な意識をもって、肌のケアをしてあげることが、最も大切なことではないでしょうか。

おっと、どこかの美容部員みたいになってしましました。

塗装や窓ガラスのコーティングは、お肌の日焼け止めと似ているなぁ、と思うのですがいかがでしょうか? クルマの使い方や、ライフスタイルなど自分に合ったコーティングを上手に選んで上手に使う。

コーティングをしていて、もうひとつ良いことがあります。

ウォータースポットが固着する前ならラクにウロコが落せることです。

厄介なウォータースポットから100%防御はできないかもしれないけれど、ときどきは気にして、ウロコ状の模様がついたら早めに洗車をしてあげて、クルマのアンチエイジングにどうぞお役立てください。

ここまで長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。


(参考)
親水性コーティング ~親水のメリットとデメリット~ http://coating.th-angel.com/2013/11/blog-post_13.html

ウォータースポット(イオンデポジット)除去にサンポール(塩酸)? http://coating.th-angel.com/2014/05/blog-post_2.html


●本記事の関連項目
ウォータースポットの原因に記載】

1.ウォータースポットってなんだろう
2.ウォータースポットの原因物質
3.ウォータースポットの発生

【ウォータースポットの除去と対策(本記事)に記載】
4.ウォータースポットの除去
5.ウォータースポットの予防対策
6.ウォータースポットをバリアする
7.塗装を腐食させるウオータースポット(酸)をバリア
8.塗装につくウオータースポット(シリケート)をバリア
9.窓ガラスにつくウオータースポット(シリカ)をバリア
10.ウオータースポットをがっちり!それともお手軽バリア?
11.ウオータースポットを100%バリアできるの?

ウォータースポットに有効なのは酸性かアルカリ性か

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2014-02-13

ガラスコーティングとポリマーコーティングの違い

業務用・一般ユーザー用の自動車ボディ塗装・建築塗装や、窓ガラス用コーティングは、すべてポリマーでできています。


「ポリマーコーティングとガラスコーティングの違いは?」


と問われることがありますが、ものづくりの観点からは、ポリシラザンだろうが、アルコキシシランだろうが、シリコーンレジンだろうが、シリコーンオイルだろうが・・・などなど、すべてポリマー※の仲間である。というのが正解です。

※「ポリマー:polymer」とは、複数のモノマー(単量体)が重合(結合して鎖状や網状になる)することによってできた化合物のことです。


もう少し詳しく言いますと、同じ種類の小さい分子が結合し、それに相当する繰り返し構造によって構成された分子群、またはそれから成る物質をポリマー(重合体)といいます。物質を構成する出発物に当たる小さい分子をモノマー(単量体)といいます。

それではガラスコーティングとポリマーコーティングとの関係は、どのようになるのでしょうか?なぜ区別しているのでしょうか?


ポリマーコーティングって何?
一方、カーコーティング業界や建築コーティング業界には、ポリマーコーティングという言葉がありますが、はっきりとした定義がないように思われます。
調べてみると、おおむね下記のようなことが言われているようです。これに対しての考え方(考察)を書き添えます。

 

定義1.ワックスではない
業界では「天然カルナバロウや、天然または化合物オイルをベースにしたワックス」はポリマーコーティングとは呼ばないようである。

【考察】
実際にはワックスは、ポリマーを含む場合がほとんどです。しかし、このブログでは人工化合物だけで構成されているものをポリマーであるとし、「ポリマーコーティングは、カルナバロウなどの天然物を含むワックスではない」と仮定して話を進めます。



定義2.ガラスコーティングではない
業界では「被膜が硬いものはガラスコーティング」であって、「被膜が柔らかいものはポリマーコーティング」として区別しているようである。

【考察】
それでは、ポリマーコーティングではないとしている一方のガラスコーティングとは何でしょうか?現在ガラスコーティングとして多く流通しているものとして、下記の2種類を考えてみます。


1.ポリシラザン・ガラスコーティング
ポリシラザンは、[ケイ素(Si)-窒素水素化物(NH)]からなる分子が、鎖状または網状に結合したポリマー(高分子化合物)です

ポリシラザン・ガラスコーティングは、ポリシラザンが空気中の水分と反応して、アンモニアを発生させながら、縮合してSiO2のガラス状被膜を形成するものです。


(参考) ポリシラザンについて ~ガラスコーティング剤として~

2.アルコキシシラン(オルガノポリシロキサン)・ガラスコーティング
アルコキシシラン(オルガノポリシロキサン)は、[ケイ素(Si)-各種反応基水素化物(OR)]からなる分子が、鎖状または網状に結合したポリマー(高分子化合物)です

アルコキシシラン(オルガノポリシロキサン)・ガラスコーティングは、アルコキシシランが空気中の水分と反応して、アルコールを発生させながら、縮合してSiO2のガラス状被膜を形成するものです。


(参考) ガラスコーティングの種類と比較


ガラスコーティングはポリマーコーティングの仲間
このように、市場に出ている自動車塗装や建築塗装の保護に用いられるガラスコーティングは、上記2種類(ポリシラザン・ガラスコーティング、アルコキシシラン・ガラスコーティング)に分類されますから、ポリマーコーティングの仲間であると言ってよいでしょう。

つまり、自動車コーティングや建築コーティング業界で言う「ガラスコーティングとポリマーコーティング」は、被膜の硬度や密着性などの各種物性が異なるものとして、緩やか(曖昧)に分類されているに過ぎないのです。


ガラスとポリマーに区別する理由
昔、ワックス以外の保護・艶出し剤として、化学合成:高分子化合物タイプ(つまりポリマー)のコーティング剤が出てきました。そのころの一部の「ポリマーコーティング」と称した宣伝文句(営業トーク)や価格に対して、実際の耐久性などの品質が大きく期待外れとなる商品やサービスが出回ったことがありました。

このような評価の低いものが出回ったために、「ポリマーコーティング」という言葉のネームバリューが下がってしまったこともあり、その後に出てきた「ガラスコーティング」などはポリマーコーティングの一種であるのですが、明確に区別するようにしてきた経緯があります。

 
ここで言いたいのは「ガラスが絶対に良い」、「無機ガラスが絶対に汚れにくい」とかいろいろな言葉や宣伝文句が市場には出てくるのですが、ガラスでもポリマーでもそれぞれには必ず一長一短があるということなのです。

すべてにおいて、万能で高性能しかもコストパフォーマンスが良い、というものはなかなかありません(と言うか無いでしょう)。

コーティング剤やコーティングメニューなどを選択する際には、ユーザーご自身の「目的や必要とする効果や機能を整理」してから、それに対する商品やサービスの「特徴や得意と不得意をよく認識・確認」をなさって、お選びいただくのが良いのではないでしょうか。

(参考)「ガラスとポリマー」によく似た話に、「ガラスとガラス繊維系」なるキーワードがあります。
【ガラス繊維系コーティングやガラス繊維系ポリマーとは何ですか?】


(参考)ガラスコーティングは結晶をイメージさせる言葉が使われますが、ガラスコーティングは結晶ではない非晶質ガラスです。非晶質ガラスのモース硬度は5です。
【ガラスコーティング剤におけるクリスタル/クォーツやダイヤモンドとは】

(参考)コーティングとワックスの違い
(参考)アルコキシシロキサンとアルコキシシラン

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2017-11-30

コーティングの寿命

コーティングの寿命の目安として「撥水の変化を見ていただきたい」という主旨の記事※に関連して、下記のようなご質問をいただきました。
※.コーティングの上からコーティング
http://coating.th-angel.com/2015/12/blog-post.html

【ご質問内容】
硬化型コーティングおよび、非硬化型コーティングの撥水性変化にともなう、寿命(耐久性)の捉え方の違いはあるのですか?

ご質問にお答えする前に、弊社の硬化型と非硬化型コーティングの特質について、おさらいしたいと思います。



硬化型コーティングと非硬化型コーティングの特質

弊社が現在主力としているコーティング剤は、硬化型(業務用)と、非硬化型(一般用・業務用)ともに、ひとつの分子内にケイ素(Si)と酸素(O)のSi-O無機骨格と、有機官能基を結合した構造になっております。

このSi-O無機骨格の結合密度を変化させることで、カチカチに固まる硬化型としたり、固まらない非硬化型にしたりすることができます。
弊社では、硬化型の中でも鉛筆硬度がおよそ5H以上に固まるものを、「ガラスコーティング」と呼んでいます。

ご存知のように、Si-O無機骨格を基本構造とする身近なものとして「ガラス」があります。

ガラスコップや窓ガラスはとても硬いです。
このため、ガラスは固体であると思われていますが、ガラスは鉄やアルミのような金属などの固体の特徴である「結晶」ではなく※、少し緩い結合の「非晶質」となっています。

※.結晶化したガラスもありますが、結晶化ガラスは非常に特殊なものです。天然には水晶があり、人工的にガラスを結晶化するには、精密に制御された添加物と厳密に制御された高温高圧を与えることで作成することができます。現場施工するようなコーティングの場合は、結晶化したガラスを作ることはできません。
天然水晶は、不純物の割合や高温・高圧な環境等が、奇跡的に結晶化する条件と合致した際にできたものと考えられています。

ガラスコップや窓ガラスといった、身近な一般的なガラスは非晶質です。
結晶した固体ではない、非晶質であることがガラスの特徴です。

非晶質であるガラスの特徴として、あまり一般的ではありませんが、Si-O基本骨格の密度を変化させることで、ガラスは流れるような液体となったり、ゴム状の柔らかい半固体のようになったり、カチカチに固まったものになります。

このようなガラスの性質を応用して、弊社の硬化型および、非硬化型コーティング剤は、基本的な構造は同様であり、ガラスの性質を代表する無機骨格の密度を変化させることで、カチカチの固体(硬化型)にしたり、固体的な性質を持たせた液体(非硬化型)にしています。



コーティングの寿命について

撥水や光沢が弱くなったとか、汚れやすくなったとか、コーティング寿命の捉え方は様々です。

例えとして適切か分かりませんが、車のタイヤの寿命の捉え方には、どのようなものがあるでしょうか。

私個人的には、乗り心地が硬く感じられるようになったら、タイヤを交換しています。
タイヤを新しくすると、乗り心地が回復して、疲れにくく快適なドライブが楽しめます。

一方、タイヤメーカーは、タイヤの溝の残り具合や、ひび割れの発生といった安全性を重視した状態をみて、寿命を判断する目安が示されていることが多いようです。経験的には、このような状態になるよりも、ずっと前に乗り心地が硬くなるような気がします。

このように、人それぞれに何を求めているかによって、「寿命」の捉え方も異なってくるものと考えます。

コーティングの場合は、硬化型、非硬化型に期待することと、それに伴う寿命の捉え方も違うと考えます。それぞれに期待する効果と寿命について考えてみましょう。



<硬化型コーティングの寿命>

硬化型に求められる機能性は、ベースコートとして硬くて柔軟性のある被膜を形成し、長期にわたる、塗装の微細な傷つきや、塗装の酸化・劣化を防ぐことにあると考えます。硬化型は、塗装表面の平滑性を高めることで、主に有機物汚れの固着を防ぐ目的もあります。

つまり、硬化型コーティングは、代わりに受け止めることで塗装が傷つくことを防ぎ、塗装が酸化・劣化しにくいようにするため、大気や酸性雨などが直接触れることを防いでいます。

硬化型コーティングによる被膜を落とすには、研磨剤を使用する必要があります。一般的な使用環境においては、硬化型コーティングに求められる上記のような機能性が寿命を迎えることはあまりないでしょう。

ただし、ガラスコーティングのような高硬度のコーティングであっても、洗車時タオルの擦過等による微細な傷つきは発生します。比較的柔らかい塗装よりも、ガラスコーティングのほうが傷つきにくいということは言えますが。

例えると、同じように車を使い続けた場合、同様の傷つきとなるまで、塗装では1年かかったものが、ガラスコーティングの場合は2年かかったというような感じでしょうか。

硬化型コーティングの寿命の考え方として整理してみます。

傷つきや酸化・劣化からガードするという意味では、研磨して落とさない限りは、相当長期間保護し続けることができます。

とは言え、車を使いながら洗車を繰り返すうちに、微細な傷つきはありますので、光沢や撥水の様子も変わってきます。そうなりますと、表面を軽く磨くとか、追加でガラスコーティングを施工するとか、何らかの処置をしたほうが良い場合があります。

このように、何に着目するかによって、硬化型コーティングの寿命の捉え方が決まってくるのではないでしょうか。



<非硬化型コーティングの寿命>

非硬化型に要求される機能性は、硬化型のベースコートだけでは防ぎにくい、無機質汚れ(ウォータースポット・イオンデポジット)の固着を、トップコートとして防ぐことや、光沢感・艶感を補うことにあると考えます。非硬化型単体として、塗装に直接コーティングした場合も同様です。

従来の非硬化型でしたら、コーティングの被膜が酸化・劣化することによる黒ずみやくすみの原因となって、美観が損なわれることがありました。これもひとつの寿命として捉えることができると思います。

弊社の非硬化型コーティング剤は、冒頭に記載したように、固まるガラスと同様の無機骨格をもち、塗装との密着性を高め、無機汚れを着きにくくする有機表面と、撥水性を持たせたハイブリッド構造となっております。

このため、弊社の現行コーティングは、従来の非硬化型コーティングのように、被膜が紫外線、熱、大気、水分等によって分解(酸化・劣化)されることは、非常に少なくなっております。

現行の非硬化型コーティングの寿命は、上記のように被膜が酸化・劣化することよりも、被膜が持つ無機質汚れ(ウォータースポット・イオンデポジット)の固着を防ぐ能力低下が注目されると考えます。

被膜が持つ無機質汚れ(ウォータースポット・イオンデポジット)の固着を防ぐ能力は、言い換えると、無機骨格と結合した有機官能基によるものとなります。この有機官能基がしっかり働いている状態では、撥水性が高く、有機官能基の働きが弱まれば、撥水も弱まります。

つまり、現行の非硬化型コーティングによる汚れ固着を防ぐ能力の低下は、撥水の低下として現れますので、これもひとつの寿命として捉えることができると考えます。

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2014-11-14

ガラスコーティングを補うコーティング剤 ~メンテナンス剤として~

カーディテイリングショップやカーディーラーなどで、ガラスコーティングを施工されたお客さまより、普段のお手入れに使えるコーティング剤はありませんか?との問い合わせをいただくことがあります。

弊社では下記のような理由により、シリコーンレジンによるコーティングをオススメしております。そのポイントは、下記の3項目を挙げさせていただきます。

1.ガラスコーティングの無機汚れ固着を防ぐ
2.ガラスコーティングの防汚性(撥水性)を補う
3.ガラスコーティングの美観を補う


【シリコーンレジンコーティングとは】

一般ユーザーさま向けに市販されているものや、業務用・プロ用として流通しているほとんどのコーティング剤にはシリコーンが主原料として使用されています。これらは「シリコーンオイル」を使用しています。このシリコーンオイルは、原料価格がこなれていることや、製造が比較的容易なこと、機能性や性能面のバランスがとれている理由から広く使われています。

一方、弊社がオススメしている「シリコーンレジン」を原料としたコーティング剤は、シリコーンオイルよりも、ガラス質の基本構造の結合密度が高いものとなっております。この高い結合密度が、被膜の耐久性や持続性を維持するために重要となります。

シリコーンレジンはシリコーンオイルよりも、コーティング剤原料として機能性や性能面で優れている点が多いのですが課題もあります。その課題とは、コーティング剤としての製造技術や、原料や製造コストの面でハードルが高いものとなってしまうことです。

弊社では、シリコーンレジンを高濃度配合できるようにするため、品質を安定化させる製造プロセスの最適化を図ることで、車用としてこれまで難しかったシリコーンレジンを主原料するコーティング剤を、リーズナブルな価格で製品化することができました。

それでは、このシリコーンレジンコーティングがガラスコーティングのメンテナンス剤としてどのような作り込みをしていて、どのような特徴があるのかを見ていきたいと思います。


(参考)シリコーンレジンって何ですか?


1.ガラスコーティングの無機汚れ固着を防ぐ

ガラスコーティングの主な特徴・役割としては、持続性・耐傷性・防汚性が挙げられます。冠となる名前が「ガラス」ですから、ガラス質のハードコーティングをおこなうことであり、長期間にわたり塗装表面を守り続けることが求められます。

現在のガラスコーティングは、持続性や耐傷性については高いレベルにありますが、「無機汚れの固着を防ぐ」という機能性については、依然として課題が残っています。

ガラスコーティングの被膜がガラス質であるが故に、ガラスコーティングの表面は、ウォータースポットとか、イオンデポジットや水シミなどと呼ばれている「ガラス質の無機汚れ」が固着しやすいことです。

「無機物同士といった同じ性質の物質はくっつきやすい」と一般的に言われているように、水道水や雨水に含まれる無機物:カルシウム・マグネシウムやケイ素(Si)は、ガラス(Si-O)やガラスコーティングの硬化した被膜とは結合しやすいのです。

このため、古いタイプの無機物主体のガラスコーティングが、ウォータースポット(イオンデポジット、水シミ)の固着に悩まされていたことは、言わば当然のことなのです。

最近のガラスコーティングは、有機物である塗装との密着を高める目的のほかに、無機汚れの固着を遅らせることを目的とした「無機有機ハイブリッドタイプのガラスコーティング」に世代交代してきています。

無機有機ハイブリッドタイプは、無機のガラス骨格(基本構造)に加えて、表面に官能基(有機物を含む原子団)が表出するようにすることで、無機物同士が結合し難いようにしているものです。

しかし、無機有機ハイブリッド・ガラスコーティングが硬化した表面は、官能基によってバリアしているため、従来の無機主体ガラスコーティングと比較して、無機物の汚れの結合を遅らせる効果がありますが、どうしても基本構造がガラス質の無機物であるため、放置しますと同体化して取れにくくなるわけです。

【無機汚れ固着を防ぐシリコーンレジンコーティング】

上記のような無機汚れのウォータースポットを防ぐためには、主に有機物で構成されるコーティング剤や良いのかと問われますと、単純に「そうですね」と言うわけにはいきません。

主に有機物で構成されるコーティング剤というのは、古くから使われているカルナバロウなどの天然パラフィンなどを原料とするワックスがあります。これらは基本構造そのものが有機物で構成されているため、紫外線や高温によって比較的容易に分解されるため、耐久性が高いとは言えません。年単位~という長期間にわたる被膜耐久性を有するガラスコーティングとのバランスが悪い理由です。

せっかく、メンテナンスをラクにする意味でガラスコーティングしたのに、毎月のようにワックスがけしていたのでは、本末転倒というのか?ガラスコーティングの価値が半減してしまいます。

余談となりますが、時々、ガラスコーティングの上にワックスを塗るとガラスコーティングに悪影響があるのではないか?と聞かれることがあります。
「そんなに軟弱なガラスコーティングであってはならないでしょう」とお答えしています。

ガラスコーティングの本来の目的である「塗装を長期間保護すること」とバランスが良く、かつ無機汚れの固着を出来るだけ遅らせるには、ガラスコーティングと似た構造であるガラス状の無機骨格をもち、密着性と無機汚れを疎外する働きをもつ官能基を周囲に配向したシリコーンレジンコーティングによる補完をオススメいたします。

ここで疑問を待たれた方がいらっしゃるのではないでしょうか。

基本構造が無機骨格ならば、ガラスコーティングと同様に無機汚れがくっつきやすいのではないのか?と言う疑問です。
確かにシリコーンレジンコーティングは、ガラスコーティングと似た組成・構造なのですが、骨格の結合密度が異なることに大きな違いがあります。

基本構造の結合密度が高い場合は、硬化した被膜を形成します。これが、硬化するガラスコーティングであり、結合密度がガラスコーティングほどには高くない場合は、液体のままで、しなやかな被膜を形成することができます。

弊社のシリコーンレジンコーティングは、基本構造の結合密度をできるだけ高めていますので、施工後も液体のままでありながら、粘弾性をもった耐久性・持続力の高い液体被膜を形成することができます。

(参考)シリコーンレジンコーティングの粘弾性と滑り止め

無機汚れが固着するメカニズムは、硬化した被膜の無機物と「共有結合≒同体化」するために、まさに「固着」するわけです。

これに対して、被膜が粘弾性を持った液体である場合は、被膜自体が流動性を持っている、しなやかな液体コーティングが間に存在して、硬いガラスコーティングと無機汚れが塊として固着する前に、無機汚れを拭き取ってしまえば、ウォータースポットなどの固着を防ぐことができるというわけです。


2.ガラスコーティングの防汚性(撥水性)を補う

(1)親水性を維持することは非現実的

水や油をはじく表面にすることによって汚れの密着を防ぐわけですから、撥水性や撥油性が高いことが、コーティングの基本的な機能性として求められるわけです。

しかし、よくある話に、親水性表面はウォータースポット(イオンデポジット)ができにくい。ということが聞かれます。それは実験室などにおいて、理想的な環境が維持されているような、きわめて限定的な条件での話です。

せいぜいショーカーなどの屋外に持ち出さず常に磨きあげているような車を除き、道路を走り、汚れた雨に打たれ、排気ガスなどに常にさらされている使用環境においては、親水性コーティングの実用性には問題があります。

Si-Oの一般的なガラスの表面は水を弾かない親水性です。特殊な加工をしていない家の窓ガラスや、洗面台の鏡もクリームクレンザーなどで磨いてみてください。直後は水をかけると水は平たく拡がり、見事な親水表面になっていることがわかります。

しかし、屋外に面しているガラス表面の親水性は、ほんの数時間から長くても数日程度で撥水性に変化していきます。撥水性に変化する理由は、油分など様々な物質を含んだ空気や雨、ちりやほこりなどがガラス表面に付着するからなのです。

恒久的に親水性を維持できる表面を実現するには、「光触媒によるセルフクリーニング機能を持った表面処理」と、「雨水などによる洗浄」といった特別な仕組みが必要なのですが、塗装などの有機物への密着を維持できる光触媒コーティングは、未だに実用化されていません。

ですから、ガラスコーティングも含めて、セルクフクリーニング機能を有する親水性表面を維持することはできなのです。

さらに一般的な誤解として、光触媒による親水性表面は、セルフクリーニング機能によって、汚れが雨水と一緒に流れ落ちるというのは、有機物汚れを分解する機能によるものであるのに、あたかもウォータースポットのような、無機汚れまでも洗い流すようなことが言われています。

さすがに、いかに光触媒であっても無機物は分解できませんので、無機汚れの付着や固着を防止することはできません。

(参考)親水防汚:光触媒コーティングの現状と課題 その1

親水性コーティングの課題まとめ

①ガラスコーティングによる親水性表面は、数日程度しか持続性がなく、その後は撥水性表面に変化する。

②光触媒コーティングによる親水性表面は、有機物分解により塗装上に留まる事ができず持続性がない。光触媒が効いていると塗装表面を分解し傷める。



(2)撥水性の表面は防汚性である

前置きが大変長くなりました。汚れの固着を防止する防汚性の観点から上記のような親水性表面は現実的ではありません。自然界をみても防汚性を維持する表面は、撥水性となっております。その理由を探ってみたいと思います。

本来汚れの付着を防ぐには、撥水性(疎水性)・撥油性である必要があります。汚れの成分の多くは、水や油に溶け込んだり混ざったりしたものが、表面に付着して、その後の水分の乾燥や化学的変化によって、塗装表面に密着するわけですから。

植物や動物の表面は、汚れの付着を防ぐために、非常に優れた撥水機能を有効利用しています。例をいくつか挙げてみましょう。

植物の葉は、総じて撥水性です。植物が養分を得て生きていくのに必要な光合成は、葉っぱに日の光が充分に当たることが大切です。植物の呼吸は葉っぱの裏側にある、小さな穴「気孔」を通して二酸化炭素を取り入れて光合成をおこなう原料としています。

泥水や雨水に含まれている汚れが付着して、日が経つごとに汚れが堆積すると、十分な光が届かなくなったり、気孔が塞がれたりして生きていくことができなくなってしまいます。

蝶の羽根や胴体は、撥水性をもっています。因みにセミやカブトムシなども撥水性です。
モンシロチョウに、赤や青で着色した水を、ジョウロや霧吹きを使って蝶にふりかけても、着色した水はキレイに弾かれすぐに流れ落ちてしまい、モンシロチョウの白さに影響はありません。

軽く小さな蝶々にとっては、水の付着(水による濡れ)もそうですが、大気中の様々な汚れ物質が、羽根や胴体にある呼吸をするための小さな穴に固着すると、生命が危うくなってしまいます。

同じことは、カラスやスズメなどの鳥類なども、汚れを含んだ雨水が降りかかっても飛翔に影響することはありませんね。汚れない理由には、羽根を含め全身が素晴らしい撥水性をもっていることが大きく貢献しています。

いかがでしょうか、このように生物界における汚れが固着しにくい表面には、水を良く弾く撥水性が求められるわけです。

それでは、ガラスコーティングの撥水性はどのようになっているのでしょうか。

前述しましたように、ガラスコーティングの基本構造である無機のガラス質骨格は、基本的にSi-Oとなっていますので、表面自由エネルギー(表面張力)が水よりも大きいため、水となじみやすい親水傾向となります。

これに対して、新しいタイプの無機有機ハイブリッドのガラスコーティング剤は、前記の「1.ガラスコーティングの保護性能を補う」のように、無機ガラス基本構造の周囲に撥水性※をもつ官能基(有機物を含む原子団)が配置され、単純な無機ガラス表面と比較して、撥水性を帯びるようになります。

※.表面自由エネルギー(表面張力)の小さい官能基を配向(配置)することで疎水性=撥水性表面となる。

無機有機ハイブリッドタイプであっても、基本構造がガラス質であるため、親水性と撥水性の両方の性質をもっているため、撥水性を高めるにしても限界があります。

【防汚性(撥水性)を補うシリコーンレジンコーティング】

単純に撥水性を高めることで、さまざまな有機物汚れや無機物汚れの付着を防ぐという意味では、表面自由エネルギー(表面張力)を最小にしてあげれば良いのです。表面自由エネルギーが最小となるコーティング剤の原料として、理屈の上ではフッ素樹脂がチャンピオンとなるわけです。

しかし、車のボディ塗装用のコーティング剤となりますと、フッ素樹脂には課題があります。

フッ素樹脂の定着の問題です。フッ素樹脂は様々な汚れを寄せ付けないのですが、それは同時に、自らが塗装表面やガラスコーティング表面と密着しにくい性質をもつことが挙げられます。これは被膜の耐久性や持続性に課題があるということになります。

そこで、フッ素樹脂に次いで撥水性が高く、耐久性や持続性の高い物質となりますと、ガラスコーティングと同じようにケイ素(Si)を原材料とした「シリコーン」となるわけです。

パラフィン系(カルナバロウなど)の天然素材を採用したワックスを除き、液体コーティング剤のほぼ100%は、シリコーンを主な原料としています。

シリコーンによる液体コーティング剤は、ガラスコーティング剤と似た組成でできているため、ガラスコーティングへの密着や、屈折率差のない透明感のある光沢が得られるものとして、良好な相性となる特徴があります。

現在市場に流通している液体コーティング剤やメンテナンス剤は、シリコーンオイルを主原料(一部シリコーンレジンを添加しているものもあるようです)としています。シリコーンオイル原料のコーティング剤やメンテナンス剤も、フッ素樹脂原料品に次ぐ優れた撥水性が得られるのですが、耐久性や持続性に関しガラスコーティングとのバランスが不充分と考えます。

ガラスコーティングをおこなう目的のひとつとして、洗車をはじめとした「メンテナンス作業の間隔が長くなった場合でも汚れの固着を防ぐ」ということを考えると、メンテナンス剤に求められることも、ガラスコーティングの防汚性=撥水性を補い、かつ長期間の持続性・耐久性が要求されるということが言えるのではないでしょうか。

従来のシリコーンオイル原料によるメンテナンス剤の防汚性・撥水性を持ちながらもっと長く、その機能性を維持することができるメンテナンス剤が、シリコーンレジンコーティング剤なのです。弊社がオススメする理由がここにあります。


3.ガラスコーティングの美観を補う

コーティング仕上がりの美観を表すのに、「輝き」や「艶」があると呼びます。
その輝きや艶の中でもガラスコーティングの光沢は、「ソリッドあるいは硬質」になると表現されることがあります。

光沢とは、鏡面などの表面に反射した光の散乱の仕方によって、感じ取られる見え方ですが、光沢の感じ方については、最近も科学的な評価方法についての発表:生理学研究所 
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2014/09/post-277.html がありますように、未だに研究対象となっているようです。

どのような表面になると「硬質とかソリッドな艶」になるのかは別にして、私たちは普段の生活の中で「濡れたような艶」を体験したことはないでしょうか。「雨に濡れた石造りの歩道」や、「洗髪し乾燥させる前の髪の毛」の艶が、身近な例として挙げられます。

これはまさに水によって表面がまんべんなく濡れた状態です。この濡れたときの独特の光沢は、水の被膜が表面を覆い、水の膜を通して反射した光の具合がこの独特の美しさを醸し出すのではないでしょうか。

ただ残念なことに、石や髪の濡れたような光沢が良いなー、と思っていてもやがて乾いてしまいますので、濡れたような光沢を維持させることは難しいのです。

おそらく、石の表面や髪の毛の表面には細かな凸凹があるため、乾燥した状態ではその凸凹に光が反射することで、艶や光沢が弱く感じるのではないでしょうか。

石や髪が水に濡れますと、石や髪の表面に薄い水の膜ができ、細かな凹凸も水が覆いますので、光の反射の仕方に微妙な違いが生じて、濡れたような独特の光沢が生まれるものと考えられます。

ガラスコーティングの光沢は「ソリッドや硬質」という風に表現され、「濡れたような」輝きや艶とは少し趣の異なる光沢となるようです。

車のボディを濡れたような光沢にしたい場合は、従来ですとカルナバロウのようなパラフィン系の天然材料を用いたワックスを塗布することがありました。

しかし前述のように、メンテナンスなど手入れを楽にするために、せっかくガラスコーティングを施工しているのにもかかわらず、古く酸化したワックスを剥離したり、まめな塗り直しが必要になるので、あまり相性が良いとは言えません。

近年は天然ワックスのわずらわしさを改善する意味で、ガラスコーティングとの親和性が高いシリコーンを応用したコーティング剤が使用されています。

ワックスやシリコーンオイルを原料としたコーティング剤を塗りますと、まさしく油っぽく少しぎらつくような、光沢になりますね。これはワックスやシリコーンオイルコーティング剤が、液体のままの状態で、ガラスコーティング表面に、油っぽい被膜をつくるからだと考えられます。


【濡れたような光沢を補うシリコーンレジンコーティング】

弊社がオススメするシリコーンレジンコーティング剤は、シリコーンオイルよりもガラス質の結合密度が高く、耐久性や持続性が高いので、液体の状態でより長期間にわたり被膜を形成するため、濡れたような光沢をより長く維持することができます。

また、シリコーンレジンコーティングの表面は、ワックスやシリコーンオイルコーティングのようなベタつきがない(油っぽくない)こともあり、濡れたような光沢でありながら、ガラスコーティングの「ソリッドや硬質」な光沢との違和感が少ないことも特徴です。

 

(参考)最高のトップコート ~ハイブリッドコーティング~
http://coating.th-angel.com/2015/06/blog-post.html


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