「ガラス繊維系コーティング剤」「ガラス繊維系ポリマー剤」
という言葉で分類されているもののことだそうです。いつからか「ガラス繊維系」という言葉は、硬化型ガラスコーティング剤と区別するために使われているようです。
ガラス繊維系はFRPではない
以前「ガラス繊維系」って初めて聞いたとき、え~!ガラス繊維を使ってコーティングするのー???って驚いたものです。何に驚いたかと言いますと、一般的に「ガラス繊維」と言えば、グラスファイバーのことかと思うわけです。つまりFRP原料繊維のことですね。そうなんです。FRPとは工事用ヘルメットや漁船など小型船体のアレです。
アレ(FRP:繊維強化プラスチック、GFRP:ガラス繊維強化プラスチック)は、透明な毛髪のようなグラスファイバー(ガラス繊維)や樹脂ファイバーを、接着剤のような樹脂で固めて成型したFRP:繊維強化プラスチックなわけですが、車に塗布するコーティングとは全く別のものですね。
ナノサイズのガラス繊維なのか?
それでは何なのだろうと、「ガラス繊維系コーティング」や「ガラス繊維系ポリマー」のうたい文句を読んでみると、繊維状のガラスやセルロースを含んでいるでいるらしい?含んでいるとは書いていないし、雰囲気?のようなことが書かれています。ほほぅ、現在手に入る極細繊維状のガラスやセルロースを混ぜ込んで、光の乱反射を抑えた透明感のある、FRPのように強化した表面が作られるのか?と考え込んでしまいました。
考え込む理由は、膜厚が数μm(ミクロン)以下である車のコーティング被膜に混ぜ込める繊維となると、「nm(ナノメートル)サイズ以下」でないと、透明感を出すことは不可能なのではないか!と思うからです。
ガラスやセルロースなどいずれにしても、ナノサイズのファイバー(繊維)は、2013年ごろから本年にかけて、世界的な名だたるハイテク大手企業から、研究機関や大学など向けにサンプル品の提供をはじめたというニュースは目にしていますが、コーティング剤ではそれよりも何年も前から「ガラス繊維系」なる言葉が使われています。
ガラス繊維系の繊維とはいったい何
そこで、不思議な言葉「ガラス繊維系コーティング」や「ガラス繊維系ポリマー」について想像をたくましくしてみたいと思います。弊社では「ガラス繊維系」なるコーティング剤は開発製造していませんので、あくまでも想像でしかありませんが。あとは、セルロースという植物などの天然繊維の元となる炭水化物(多糖類)がありますが、これをガラス繊維というのは?です。
なぜならば、セルロースの分子構造は(C6H10O5)n であり、どこにもケイ素=シリカ(Si)が見当たりません。つまりどこがガラスなのでしょうか?
ポリマー(重合体)とは、物質を構成する分子の基本単位(分子単量体:モノマー)が線状や鎖状あるいは網状などに繋がって結合したものを言います。想像ではこの結合した様子を、あたかも「繊維状」に見なすことによって「ガラス繊維系」と呼ぶようになったのではないかと考えます。
つまり、「ポリマーコーティング」ということですね!
コーティング業界においては、ガラス状に硬化するものを「ガラスコーティング※」と呼び、硬化せずに液状のままに付着したものを「***コーティング」などとさまざまな呼び方をしているように思います。
※市場には硬化するとは言いがたい「ガラスコーティング」もあるようなので話がややこしいのですが。
ガラスコーティングにしても、ガラス繊維系コーティングにしてもすべてポリマーであることは変わりありません。このことはこちらの記事に詳しく掲載しております→【ガラスコーティングとポリマーコーティングの違い】http://coating.th-angel.com/2014/02/blog-post_13.html
いずれにしましても、「ガラス繊維系」などのうたい文句に囚われることなく、何をコーティングに求めるのかをよく考えて整理することによって、コーティング剤やコーティング施工サービスを選択されるのが良いと思います。
何にしろケミカル品は文字通り化学品ですが、あくまでも錬金術師(アルケミスト)の使う魔法ではありませんので、コーティング剤のものづくりや施工サービスは基本に忠実でかつ、良心的な価格のものをお選びいただき、充実したカーライフをお楽しみください。
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